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分散投資という言葉は、様々な投資商品に分散して投資することを意味します。つまり1千万円を1つのA株に投資すると、その後A株の価格が半値まで値下がりした場合、500万円の損失となりますが、500万円ずつA、Bの銘柄に投資すれば、A株の損失は250万円で済みます。また、同じ期間にB株が倍の価格まで値上がりした場合、損益は相殺され、痛手を負わなくて済みます。
もともと分散投資とは、このようなリスクヘッジのために行うのが一般的です。NISAでも、分散投資を行うことができます。


分散投資とは

分散投資は、ハイリスクハイリターンな「危険資産」と、ローリスクローリターンな「安全資産」を組み合わせて、リスクヘッジを行いながら収益を上げる、というのが基本的な考え方です。特に短期売買の場合には、「危険資産」が危なくなった時に素早く損切りをすればいいわけですから、実用的に活用されています。ポートフォリオの大原則ともいうべきでしょう。そしてNISAのような長期投資でも有効な方法です。


通貨の分散

通貨の分散とは円と外貨などです。例えば国内株と外国株、国内債券と外国債券のような分散です。一般的に国内株(債券)より先進国株(債券)、新興国株(債券)の順でハイリスク・ハイリターンの度合いが強くなります。また、為替の影響も金利差の影響も受けます。国内株や国内債券が完全な安全資産というわけではありませんが、ローリスク・ローリターンの分類にあたります。そこで通貨を分散すれば、ハイリターンを狙いつつも、リスクヘッジも行えるということです。NISAで外国株を扱うかどうかは、証券会社でも検討中のところが多いようですが、外国株や外国債券を組み込んだ投資信託がありますので、そちらを選べば、同じような効果を得ることができます。また国内外半分づつ、株と債券を半分づつ、という構成の投資信託もあります。これは形の上では均整がとれた分散投資といえるでしょう。


投資対象の分散

投資対象の分散とは株式と債券、あるいは投資信託など、投資する商品の種類の分散です。一般的に債券よりも株式が値動きが大きいです。(特に国債とTOPIXの値動きをグラフで見ると一目瞭然です)そのため、株式と債券の分散投資は、それなりの意味があります。また、外国株の中での、先進国株と先進国債券、先進国株と新興国株などの分散投資も、投資対象の分散にあたります。


投資タイミングの分散

投資タイミングの分散とは、経済情勢に応じて「いつ投資するか」ということです。NISAの最大運用期間の間には、時々刻々と国内外の経済情勢が変化するでしょう。株価や金利や為替の動向につれて、また海外情勢に連れて、適切な投資先は変化します。その流れを適切にキャッチして投資先を変更する、という方法もありますが、長い目で見れば多少の値動きは「投資タイミングが自動的に分散された」と考えることもできます(これがよく言われるドル・コスト平均法という考え方で、長期間に定額で購入した場合、値下がりした場合は多くの口数を購入でき、値上がりすれば少数の口数しか購入できないので高値づかみをせずに済み、全体として購入価格が平準化するというものです。長期投資ならではのメリットです)。長期投資という観点から、流れに身を任せて「放ったらかし投資」を行うのもひとつの方法です。一方、状況に応じて新たな投資先を選ぶことも、有効な方法でしょう。NISAは本来長期投資に適した制度ですが、毎月、毎年のように投資先を変えることが可能で、投資した商品をいつでも売却できる自由があります。

分散投資を行い、リスクヘッジを行うことは、収益もそれなりなってしまい大きなキャピタルゲインを得ることができない可能性もあるわけです。そして、NISAで様々な投資信託に投資して長期運用する場合、時間に連れてそのファンドの構成内容も変化しますから、当初目論んでいた分散投資の構成も変化します。また、各年の投資を最長5年間保有し続けた後は、売却してしまうか100万円分だけロールオーバーするか、いずれにしても資産の構成は変化します。長期分散投資はそうした当初の目論見とは異なってしまうというデメリットもあると言えますが、その際に「路線変更」が可能なのはメリットであるといえるでしょう。その意味で、NISA口座が活用できる商品を豊富に取り揃えている金融機関を選ぶのが得策かもしれません。あるいは、当初からお気に入りの「分散投資」を行っている投資信託に長期間にわたって資産形成を託す、というのもひとつの考え方でしょう。

photo credit: 401(K) 2013 via photopin cc

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