4b837e6392a314e472bdca88c7112ca5

今回はNISAで投資信託を始めるにあたって、投資信託におけるリスクというものの捉え方について考えていきたいと思います。
投資にはリスクがつきものですが、NISAで投資信託に投資するリスクの意味について考えていきます。


一般的に言われる投資信託のリスク

投資信託が盛んです。投資信託は、投資したお金の運用をファンドという会社がしてくれるので、投資判断をする必要がなくなります。そのため、安心できる投資商品として人気があります。
特に、2014年に導入される100万円までの投資から生じる利益は非課税となるNISAという制度(少額投資非課税制度)の導入により、少額からでも参入できる投資信託は非常に大きな人気となりそうな気配もあります(なお、NISAの制度施行は2014年1月からですが、NISA用の口座の開設は2013年の10月から各金融機関などで可能です)。

ただ、投資信託がいくら少額から投資することができるものとしても、金融商品である以上は、損失を被る可能性はあります。投資したお金が回収できない(元本割れ)の可能性も当然あるわけです。
投資信託では、元本の保証はされないので、ファンドの投資判断の失敗や、景気の急激な変化などで損失を被る可能性は否定できないということになります。一般的には、こうした損失の可能性をリスクと呼ぶ傾向にありますね。


投資信託におけるリスクの考え方

しかし、投資信託においては、リスクとは少し違った意味で捉えることが、長期的に利益を出す上では重要になります。投資信託におけるリスクとは、運用成果にばらつきが生じることを指して言うのが妥当です(妥当と申しますのは、上記の元本割れのような経済的な損失可能性を指してリスクという理解も決して間違いとは言えないためです。これは見解の相違によります)。

例えば、ファンドの過去の投資実績を見た場合、毎年3パーセントですが確実に利回りを上げている会社と、20%超えの利益をあげる年と10%の損失を出してしまう年が混在している会社がある場合、投資信託の判断としては後者の会社の方が運用成果にばらつきがあり、リスクが大きい会社ということになります。
なぜ、運用成果にばらつきがある会社の方が(仮に経済的利益を大きく出す年があったとしても)リスクが高いのでしょうか。それは、投資信託は基本的に長期にわたる投資になるためです。

投資信託では、3年程度、長い場合には10年以上の期間投資を続けることで効果が出やすい商品です。株式投資のように一気に値上がりや値下がりをする商品ではないのが投資信託の特徴であり、本来的なあり方です(もし、短期での利回りを期待するのであれば株式投資のようなものだけで十分なはずです)。
安心して長期間ファンドに資金を運用してもらい、最終的には個人の資産の一部となるのが投資信託という金融商品の本来のあり方です。そのため、運用成果にばらつきがあるのでは、投資信託の商品としては、本来の役割を果たしているとは言うことができず、どこかでほころびが出てしまうということができるのではないかと思います。

そのため、投資信託では、利回りは決して高くなくとも、安定した運用成果をもたらしている商品がリスク少ない商品だということができます。


リスクを回避するための方法

では、リスクが少ない投資信託を選ぶにはどのようにして金融商品を探せば良いのでしょうか。
リスクとは、運用成果にばらつきがあることであると考えた場合、運用成果にバラつきが少ない商品がリスクのない商品ということになります。
そしてリスクの大小は、標準偏差という値を参考にすることができます。標準偏差というのは、実際に上がった利益(リターン)の値を平均化して平均のリターンと個々のリターンの間の「ぶれ」を数値化したものをいいます。標準偏差の値は大きいほど「ぶれ」が大きく、リスクが大きいということになります。

あくまでも平均的に利益を上げている投資信託商品を選ぶことがリスクを少なくし、安全投資を可能にします。
(他にもリスクを可能な限り少なくするための方法として目論見書(もくろみしょ)を参考にしたり、シャープレシオという数値を参考にする方法などがありますが、文字数の関係からここでは割愛致します。)

そして、リスクは長期間投資することによって低くなる傾向にありますので、投資信託は長期間にわたって標準偏差の値が小さいものにすることがおすすめできるということができます。
ここで2014年から導入のNISAとの関係を考えますと、NISAによる非課税期間は原則として5年ですが、5年経過後に他のNISA用の口座に移す(ロールオーバー)をすれば、最大10年間、非課税期間があることとなります。そこで、ロールオーバーすることも視野に入れれば、NISA口座を作り長期にわたってリスクの少ない投資信託商品に投資をすることで、非課税で利益を享受することができる可能性が高くなります。そのため、NISAと投資信託は相性がいい制度ということもできると言えます。

このようにして新しいNISA制度を投資信託で活用されて、額は決して多くなくとも安心して投資をされて、安定した利益を得られることをご祈念申し上げています。

photo credit: Pink Sherbet Photography via photopin cc

【関連記事】
NISA(ニーサ)とは?今さら聞けない少額投資非課税制度のポイント
NISA(ニーサ)で比較!今年、開設・乗換すべき証券会社はどこ?
NISA(ニーサ)で投資信託を始めるまでに知っておきたいこと
NISA(ニーサ)口座開設でもらえるキャンペーンを徹底比較!!
NISAで始める賢い資産運用〜口座開設の基本を解説〜
勝率9割超えの年も?人気のIPO株に非課税で投資する方法