ロボット・アドバイザー(ロボアド)を手掛けるウェルスナビが資産運用アプリ「マメタス」をリリースした。日々の買い物のおつりを自動的に投資へ回す事ができる。フィンテックによって投資方法も多様化しており、資産運用のハードルは下がりつつある。
おつりはロボアドでほったらかし運用
「マメタス」ではクレジットカードや電子マネーでの買い物のおつりを投資に回す。事前に買い物時の支払い単位を100円、500円、1000円の中から選んでおく。150円の商品を購入する場合、100円単位の設定であればおつりは50円、1000円単位であればおつりは850円という具合である。おつりは一旦積み立てられ、月に一度まとめて資産運用へ回される。
資産運用は同社の手掛けるロボアド「WealthNavi」によって行われる。「WealthNavi」は「長期・積立・分散」を基本戦略としており、2016年7月の正式リリースより1年足らずで申込件数2万2000件、預かり資産100億円超の実績を誇る。国際分散投資による長期の資産形成を図り、資産のリバランスも自動的に行う。運用は米ドル建てで行われ、為替ヘッジは行わない。運用に係るコストは預かり資産評価額の年率1%(税抜)のみである。
5月24日にリリースされた「マメタス」であるが、現状は利用者が限定されている。iOS版のみのリリースとなっており、Android版は開発中である。また、「WeaithNavi for 住信SBI銀行ネット銀行」で自動積立契約を行っている事も利用の条件となるが、同契約には30万円以上の預け入れが必要となる。今後は真の意味で少額投資を行えるよう、最低預け入れ金額の撤廃や提携金融機関の増加を目指すという。尚、「マメタス」はサービス開始1年で30万人の利用を見込んでいる。
フィンテックで広がる資産運用の形
「マメタス」はフィンテックによって生まれた新しい資産運用の形であるが、同様のサービスを行う企業は他にもある。
資産運用アプリ開発を行うTORANOTECはおつりで投資を行うアプリ「トラノコ」を近日中にリリースする予定である。基本的な仕組みは「マネタス」と同じであり、若年層や投資に関心の薄い層が気軽に投資を始める事を手助けしていく。
ネストエッグの提供するアプリ「finbee」も類似サービスを行っている。買い物のおつりを活用する点は「マネタス」と同じであるが、こちらは投資では無く、貯金に回す。財布の中の小銭を貯金箱に入れる動作を自動で行ってくれるイメージである。同アプリは他にも、事前に1日の歩数を決め、達成しなかったら貯金を行う「歩数貯金」等、一風変わったサービスを行っている。
フィンテックにより、資産運用の形は急速な広がりを見せている。現状は規制や金融機関の対応が追い付いていない面もあるが、そうしたインフラ面も今後改善されていくと見られる。アイデアに凝った資産運用サービスにますます注目が集まる。( FinTech online編集部 )
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