税金と聞くと”取られる”イメージが大きいが、普段何気なく利用している道路や橋などの社会整備、生活に苦しむ人たちを救援する保護活動など、国全体が元気になるために必要なものでもある。

ここでは世界の税金事情を探るべく、世界の地理情報を提供するWorldatlasが報じた「世界の税金が高い国」を元に、所得税の最高税率が高い国を紹介していこう。所得税の最高率が同じでも所得対象金額が他国に比べて低い場合や、消費税や相続税など、その他の税率を総合的に比較し順位を出している。

菅野陽平
菅野陽平
株式会社ZUUM-A取締役。日本最大級の金融webメディア「ZUU online」副編集長。経営者向けメディア「THE OWNER」編集長。幼少期より学習院で育ち、学習院大学卒業後、新卒で野村證券に入社。リテール営業に従事後、株式会社ZUU入社。メディアを通して「富裕層の資産管理方法」や「富裕層になるための資産形成方法」を発信している。自身も有価証券や不動産を保有する個人投資家でもある。プライベートバンカー資格(日本証券アナリスト協会 認定)、ファイナンシャルプランナー資格(日本FP協会 認定)保有。

10位 アイルランド

——年収450万円以上は48%、法人税12.5%

所得税,ランキング
(写真=PIXTA)

アイルランドでは40,696米ドル以上(450万円 1米ドル=110.93円換算、以下同)の年収のある国民に対し48%の税金を徴収しているが、法人税に関しては12.5%という好意的な税率が設定されている。米国のGoogle本社は「ダブルアイリッシュ」「ダッチサンドイッチ」と呼ばれる節税対策に乗り出し、Google Ireland Holdingsに海外のビジネスライセンスを与えた。同社の管理会社はタックスヘイブンのバミューダ諸島であるため法人税も免除される。同じく税金逃れでアイルランドに拠点を置いたアップルについては記憶に新しい。ちなみにアイルランドでは食料品の 消費税は0%である。

世界で最も「ラグジュアリー」なブランドは?ブランド価値ランキング

【合わせて読みたい「老後・年金」シリーズ】
働くほど損をする。現在の年金制度とは
人生100年時代 老後に何が必要か
「つみたてNISA」と「iDeCo」 どちらを選ぶべきか
米国では高齢者の3割が「老後の蓄え」に後悔

9位 フィンランド

——年収967万円以上は49.2%

フィンランドの平均年収は31,000米ドルであるが、87,222米ドル以上の年収で49.2%の所得税がかかる。教育水準の高いフィンランドでは税金を学校の先生に充てる割合が非常に高く、そのレベルは世界屈指であるという。加えて、北欧型の高福祉高負担制度を維持するための策でもある。

【無料eBookプレゼント】知っている人だけがトクをする「iDeCo大全」

8位 イギリス

——年収2,600万円以上は50%

イギリスで234,484米ドル以上の年収があると、その50%を所得税で持っていかれてしまうが、14,000米ドル以下ならノータックスである。金持ちには無残にも政府にそっぽを向かれてしまう現状があるが、無料医療制度や高福祉国家を支えるために必要な財源でもある。

7位 日本

——年収4,000万円以上は45%

日本は世界第7位である。日本は年収が1800万円を超えると所得税が一気に上昇し40%に、また4000万円を超えると45%になる。

6位 オーストリア

——年収826万円以上は50%、法人税は25%

ドイツ語を母国語とする人口800万人のオーストリアでは、収入が74,442米ドル以上あると、50%が所得税で徴収される。法人税は25%で、入場券や宿泊費は13%、資本収益税は27.5%と高税率である。すべては低迷する経済の活性化が目的であるとされる。