世界が注目するQE3とは?

上記の事が現実に起ころうとしています。アメリカのFRB(アメリカの中央銀行に相当)は、QE3(Quantitative Easing program 3)という施策を2012年9月から実施してきました。これは、他の施策と合わせて毎月850億ドル(86兆円。イタリアの国家予算1年分!)もの「資金のばらまき」を(金融商品の買い入れを行うことにより)行うものです。

これにより、資金の「供給」が進み、結果「ドルキャリーの加速」も進みました。
事実2012年後半から2013年前半にかけて、ドルキャリーの対象となる通貨(豪ドル、NZドル等)の買ポジションは過去最高水準にまで達しました。(CME先物ポジション参考)。つまり、ドルがたくさん「借り」られて、他の金融商品(新興国の資産など)の価格が上がっていったのです。


QE3の規模を縮小(「テーパリング」)

しかし、その後2013年5月22日FRBは、このQE3の規模を「縮小」する可能性があると発言しました。つまり、資産のばらまきの量を減らすということです。この「規模が縮小されてしまう」ことを「テーパリング」といいます。で、QE3の「テーパリング」がおこると、市場へのドル資金の「供給が減り」ます。

その結果、ドルキャリーの「解消」が起こる可能性があるのです。このFRB議長の発言は、世界の金融市場にどえらい衝撃を与え、株価暴落などを引き起こしました。この発言は、当時の議長の名前をつかって、「バーナンキ・ショック」と呼ばれています。


2014年は「ドルキャリー」「テーパリング」

そして2014年1月から、実際に、テーパリングが行われました。まずは100億ドル。なので、月額750億ドル。事実このテーパリングの開始により、ドルキャリーの「解消」が進み、新興国市場からの資本「流出」が続いています。

今年2014年の大きなテーマは、「ドルキャリーの解消」と「テーパリング」となるでしょう。


最後に

テーパリングはさらに金額を増していくのか?それを決めるFRB新議長イエレン氏の動向は?

さらにそれに反応して、ドルキャリーの「解消」はどのくらい進むのか?ドルキャリー解消による新興国資金流入により、世界経済のデフレ圧力は高まるのか?もちろん、ドルキャリー解消により、円キャリーが今後どうなるのかについても目が離せません。2014年、特に前半はこれらが主なテーマとなるでしょう。

新興国関連の金融商品を買うときは「ドルキャリー」「テーパリング」を念頭においてみるといいかもしれません。

以上、「くろきん」がお伝えしました。

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