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NISAもはじまり、いよいよ日本国民全員が資産形成について考えなければならない時代がやってきたようです。でも投資初心者のあなたは「一体何から始めていいやら」とお困りなのではないでしょうか?

投資初心者は、まず投資信託。これが定石です。まあ、今は猫も杓子も投資信託。さて、この投資信託という代物、いったい何なのでしょうか?買っても大丈夫なのでしょうか?今回は投資信託の基礎知識と為替の関係をお話していきましょう。


投資信託って何だ?

投資信託、言葉通り考えれば、「投資を信じて任せる」ことです。そして、まあ言葉のとおりでしょう。普通、投資って言いますと、例えばS社株を買いたいとなると、その会社の業績や、業界全体の動向、取扱商品もしくは事業を調べて、「この会社は伸びるぞ」って思った時や、「この会社の商品が好きだから、応援するから株を買うぞ」というのが王道なわけです。債券でも同じですね。もし、外国の国債を買うとなれば、その国の政治リスクや風土、経済成長率等を調べて、その国の国債を買わなければなりません。

でも、「経済指標ってどう読むの?」「業績の予測なんて出来ないよ。」という人が大半でしょう。日常生活が忙しすぎて、そんなに常に投資のことを考える余裕もないですよね。そこで、役に立つのが投資信託。プロがあなたのために、最適な投資を行ってくれるというわけです。形としては、とても簡単です。

プロが、そういった個人から、お金を沢山集めます。そして、そのお金をプロがあちこちの株や債券で運用してくれるのです。そして、そこから得た利益を私たち個人投資家に分配してくれるのです。


投資信託のメリットとは?

「そっか。投資信託を使うとプロが代わりに運用してくれるのか。」そうです。そして、投資信託のメリットは運用の代行に留まりません。もし、あなたが一人で投資しようとするといくらお金が必要でしょうか?A社株100万円、B社株200万円、C社株・・・。とてもじゃないですが、全部を買うことは出来ませんね。A社だけを買うと、もしA社の業績が悪化した場合、あなたの資産は目減りしてしまいます。最悪、全部なくなることもあるわけです。A社の株が値下がりしても、一方B社は値上がりするかもしれません。A社とB社の両方を持っていたら、全体としてあなたの資産は減らないかもしれません。

例えば、自動車業界の株とITの株を持っていたら、ある時、円高が進んで、自動車株が大撃沈。でもITは好調で、日本経済全体としては良好、という場合には、あなたの資産はじわじわと増えるかもしれません。このように資産をあちこちに投資することを分散投資といいます。これを一人でやってのけるのは大変です。いくらお金が必要になるのでしょうか?投資信託はこの分散投資を可能にしてくれます。

運用のプロが多くの人からお金を集めて、その巨額の資金をあちこちの株や債券の購入に振り分けてくれるからです。なんと一万円からでも、分散投資ができるわけです。投資信託さまさまですね。


投資信託のデメリットは?

デメリットとして、まず忘れてはいけないのは、「リスク商品」であるということです。いくらプロが運用してくれるとはいえ、中身は株や債券等の値下がりのリスクがある金融商品の総体なわけです。個別の株に投資するよりは、急な値下がりのリスクは少ないかもしれませんが、やはり、値下がりする可能性はあるということを頭に入れておいてください。また、運用のプロが失敗することもあります。運用の形態として、果敢に利益を取りに行くアクティブ型というものがありますが、当たることもありますし、外すこともあります。個人的には初心者には、日経平均等に連動するタイプの投資信託をお勧めします。

また、プロが運用してくれているのはボランティアではありません。もちろん、運用の手数料が取られます。また、金融機関によっては、販売手数料も取られます。販売手数料はかからない金融機関もありますので、しっかり吟味しましょう。また、特定の株が当たる、もしくは外れるといった相場観をお持ちのかたであれば、投資信託であれば、その影響がマイルドになる可能性が高いです。自分でリスクをとれるし、資金も十分というかたであれば、自身で運用されてもよいでしょう。


為替の関係は?

投資信託の中身が外国の債権や株であったり、ドル建てのものである場合は、為替も関係してきます。為替で損をしたくない人は、「為替ヘッジあり」の投資信託を選ぶ方がよいでしょう。「為替ヘッジあり」とは、為替のリスクをないことにしてくれるという意味です。「為替で儲けたい」という人は「為替ヘッジなし」を選ぶことにしましょう。

ただ、長期で投資信託を保有しようと考えている人には「為替ヘッジなし」をお奨めします。なぜなら、為替ヘッジにはコストがかかること、また、長期に渡って運用する場合は通貨分散も考えた方がいいからです。その場合、投資信託を為替の面でも高掴みしないように、毎月平均してコツコツ買うような購入方法をお奨めします。円安のときも、円高のときもコツコツ買い続けることで、為替の影響もマイルドになるからです。


おわりに

自分で株や債券を買って組み合わせた資産構成がオートクチュールなら、投資信託はプレタポルテ、既製服です。慣れてくると、痒いところに手が届かないといった歯痒さも出てくるかもしれませんが、概ねいい具合に出来上がっているのではないでしょうか。月1万円から、ネット証券であれば、500円から購入もできるお手軽さ。元本割れするようなリスク商品に慣れていない方は、ぜひ少額から、ぼちぼちと始めてみてください。資産とは変動するものなのだ、という感覚に慣れるまでは、既製服を着ておくことをお勧めします。もちろん慣れた後でも、着続けても大丈夫です。

投資信託をさらに分散して保有することで、あなたの資産でも世界を所有することが可能になるのですから。ほら。財布から世界が見えてきますよ。

photo credit: paul bica via photopin cc

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