今日は外国為替取引には、具体的にどんなものがあるのかをみていきましょう。
外貨預金って何だろう？
街頭広告、新聞広告などでよく見かけますね。お馴染みの外貨預金です。他の国の高金利を目当てに投資を行う金融商品です。外貨預金をするときに、今日の為替レートが１ドル＝１００円であれば、１万ドルの預金をしようとすると、１００万円必要となります。
日本の金利が１％でドルが２％であるとします。
一年間、１００万円を日本で運用すれば、一年後には１０１万円。ドルで運用すれば、１．０２万ドルになりますね。
つまり、金利だけを見ると、円でお金を運用するよりも、ドルで運用した方がお得そうです。
一年後の為替レートが今日と同じ１ドル＝１００円であれば、１．０２万ドルは１０２万円の円貨に換金できます。簡単に言って、２万円の儲けになりそうです。円で運用した場合を考えると、１万円の儲けですね。このように他国の高い金利に着目して資産を増やすという運用方法が外貨預金となっています。
けれども、注意しなければならないことが２点ほど。
まず一つ目に、円を外国通貨に換えるには手数料がかかります。今日の為替レートが１ドル＝１００円の場合であっても、大体１円上乗せのレートを提示されます。
つまり、１ドル＝１０１円。１万ドルの預金をしようとすると、１００万円プラス１万円が必要となります。
また、満期時に円貨に戻そうとするとき、１ドル＝１００円であれば、交換レートは１ドル＝９９円となります。
この手数料分も金利で儲けられるかを考える必要があります。
二つ目には、為替変動リスクがあります。
上の例でいきますと、一年後の為替レートが１ドル＝９０円のとき、１．０２万ドルは９１万８千円になります。8万２千円の損になりますね。逆に、一年後の為替レートが１ドル＝１２０円となっていれば、１２２万４千円となり、２２万４千円の儲けが出ます。
このように、為替変動のリスクにさらされることになります。
ＦＸって何だろう？
外国為替取引と聞いて一番に頭に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。ＦＸとは、外国為替証拠金取引のことをいいます。取引業者に対して「証拠金」と呼ばれる担保を差し出すことによって、その担保金額に応じて外国為替に投資を行うという取引です。
ＦＸを使うと小さな金額で大きなお金を動かすことができます。取引金額全てを出さなくても、証拠金を提供することで取引が可能です。
具体的にお話していきます。
普通の為替取引を行おうとした場合に今日の為替レートが１ドル＝１００円であれば、１００万ドルを買うために１億円を用意する必要があります。けれども、ＦＸを行おうとするときは、とりあえず１００万円を証拠金として証券会社に差し出しておけば、１００万ドルの取引が可能になります。
１ドル＝１００円が１ドル＝１０１円になると、１００万ドルが１億１００万円になりますね。つまり、１００万円の儲けになるわけです。
１００万円しか証券会社に差し出していないにも関わらず、大きく儲けを取りにいくことができるようになるわけです。けれども、逆に１ドル＝９８円になった場合には、２００万円の損をするわけです。その時は、追加で証拠金を差し入れしなければならないか、損切りをする必要があります。
このように、ＦＸは小さなお金で大きく儲ける可能性がある反面、大きく損をする可能性もあるハイリスク・ハイリターンな商品です。
今回は話を分かりやすくするために、証拠金の１００倍の取引を行うという形で例に挙げました。実際には、証拠金の３倍や４倍に抑えて行うのが望ましいと思います。勝ちが続けば、自制心が崩れるのが人間の性なのですが。
キャリートレードって何だろう？
キャリートレードとは、金利が低い通貨を借りて、高金利の通貨で運用することです。例えば、円の金利が１％でドルの金利が２％のとき、円を借りてドルで運用すれば、１％分の利息を得ることができますね。 ここでは、為替リスクは度外視します。 でも、実際に「ドルで運用するから、円を貸してくれ」と銀行に行っても断られます。銀行は、そのような投資資金に融資は行わないからです。
では、キャリートレードはどこで行えるのでしょうか。実は上述したＦＸがキャリートレードにあたります。１００万円の証拠金で１億円のお金を借りて取引しているということになります。外貨預金は、キャリートレードではありません。自分のお金を外貨建てにしているので、円を借りているわけではないですから。
おわりに
いかがでしょうか。簡単にですが、外国為替取引について理解いただけましたでしょうか。
あえてリスクを強調する形で書かせていただきました。
実際には、みなさんがどの程度リスクを許容できるのか、自身の資産と投資哲学、ある意味、人生観と照らし合わせて、よく学ばれてから投資されることをお勧めします。
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