「怒り」という感情は多くの場合、対人関係を悪化させてしまいかねない。怒りに身を任せて行動してしまい、後から後悔することは、誰しも一度は経験したことがあるのではないだろうか。

ビジネスを進めていくときにも、プライベートな時間でも、怒りに任せて行動してしまうと、望まない結果を招くこともあるだろう。そうならないためには、普段から怒りをコントロールする術を身に付けておきたい。今回は、怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」について解説する。

(写真=miya227/Shutterstock.com)
(写真=miya227/Shutterstock.com)

アンガーマネジメントとは

「アンガーマネジメント」という言葉を聞いたことがあるだろうか。アンガーとは英字でかけばangerで「イライラ」や「怒りの感情」のことだ。つまり、アンガーマネジメントとは、怒りの感情と上手に付き合う方法という意味になる。

アンガーマネジメントの歴史は、1970年代にアメリカから始まったと言われている。いわゆる心理教育のことで、さまざまな職種の人がこのプログラムを受けている。スポーツ選手や俳優、政治家まで実にさまざまな職種の人がアンガーマネジメントの必要性を感じているのだ。アンガーマネジメントを学ぶことにより、怒りの理由と向き合えるようになる。怒りの本質を理解して、コントロールできるようになるのだ。

感情をコントロールできればネガティブなものをポジティブなものへと変化させていくことができるようになる。その結果、怒りが減る分、人間関係がスムーズになり、ストレスからも解放され、心の平穏を手に入れることが期待できるのだ。

アンガーマネジメントのコツ

アンガーマネジメントは怒らないことを目的とはしていない。怒りは誰にでもある感情なので、それをなくすということは不可能だからだ。アンガーマネジメントは怒りを理解して、その感情に支配されないようにするためのものなのだ。では、具体的にどのようなノウハウがあるのか。今からでも簡単にできる方法を紹介する。

ここで登場するアンガーマネジメントのノウハウが「6秒間我慢する」というものだ。もちろん個人差はあるものの、実は怒りのピークというのは6秒間程しか続かない。そのため、この最初の6秒間をとりあえずやり過ごそうというものである。問題となる怒りのタイプは4種類あるといわれている。

・ 強度が高く怒りがとまらないタイプ
・ 持続して根に持つタイプ
・ しょっちゅう文句をいう頻度が高いタイプ
・ 人を攻撃したり物を壊したりする攻撃性の高いタイプ

アンガーマネジメントは、怒りに対して3つのアプローチをとっている。まずは、「怒りを感じて興奮してしまった心と体を鎮める方法」だ。次に「混乱した心を整理して、落ち着かせるように考える力を養う方法」だ。最後に、「怒りを感じた自分の気持ちや欲求を適切な形で伝えるための力を身に付ける方法」である。

大切になってくるのは、怒りを我慢するのではないということだ。自分自身の怒りとどのように向き合い、そしてその怒りに支配されないようにするのか、というポイントだ。怒りの感情をなくすことはできない。だからといって、怒りを感情と共に相手にぶつけると人間関係がうまくいかなくなる。負の感情というのは強い伝染力を兼ね備えている。自分がイライラしていれば、それを見ている相手もイライラするだろう。そのような負の感情の伝染を防ぐためにも、アンガーマネジメントは役に立つのだ。

怒りと上手に付き合うために

誰も怒りたくて怒っているのではないだろう。怒りの裏には、何かの理由があるものだ。その怒りの理由が何なのか、正しい怒りの理由を理解することにより、怒りという負の感情と向き合うことが可能だ。

アンガーマネジメントを学ぶことによって、怒りに支配されて浅はかな行動を起こさないようにすることが期待できる。部下にイライラしてしまう上司、上司のやり方に反発を感じている部下、本当は優しく接していたいのに、ついイライラしてしまう子育て中の母親など、あらゆる人に必要なスキルといえるだろう。

(提供: 大和ネクスト銀行

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