気象庁が10月17に発表した「日照不足と長雨に関する全般気象情報」によると、10月以降の日照時間は全国的に平年を下回りそうだという。相変わらずの長雨続きということになるが、投資家にとっては企業業績への影響が気になるところだろう。

直感的には屋外レジャーランドを運営する会社にとってはマイナス要因で、屋内レジャー施設を運営する会社はメリットを受けることになりそうに思える。ここでは、長雨の影響を受けそうな銘柄を押さえて見ていこう。

東京都競馬 <9672>

長雨関連銘柄
(写真=PIXTA)

大井競馬場の大家である同社は、歩合家賃と在宅投票システムを事業の主力としているのだが、遊園地事業として東京都あきる野市の観光の拠点となっている「東京サマーランド」を所有し、その施設運営を関連会社に委託していることでも知られている。

天候に影響されることなく楽しめる、南国ムードあふれる屋内プールのある「アドベンチャードーム」は長雨の恩恵を受けることになりそうだし、一方で近年人気を呼んでいる、ドッグランやスポーツフィッシングなどを備えたアウトドア複合施設の「Wonderful Nature Village」は、やはりアウトドアと言うだけあって、マイナスの影響を受けそうだ。

よみうりランド <9671>

読売グループ傘下の同社は、統一GIレースの「川崎記念」や「全日本2歳優駿」、ナイター競馬の「スパーキングナイター」などが行われている「川崎競馬場」や、やはりナイター競馬の「ハートビートナイター」を実施している「船橋競馬場」、さらには読売ジャイアンツの練習球場であり、イースタン・リーグのホーム球場としても使用されている「読売ジャイアンツ球場」、パブリックコースや会員制のゴルフ場などの事業を展開している。

また、同社の運営する遊園地である「よみうりランド」は、ジェットコースターの「バンデット」や標高160mの「大観覧車」、人気の「アシカショー」、モノづくりが体感できる屋内型エリアの「グッジョバ!!」など、多様なアトラクションを売り物にしている。アウトドアのイベントも豊富なだけに、長雨の影響は少なくなさそうだ。

富士急行 <9010>

同社は富士山麓周辺で別荘やリゾート施設等を展開しているが、なんと言っても主力は「富士急ハイランド」だ。富士山の北麓にあって中央自動車道の河口湖 I.C.に隣接するこの遊園地には、キング・オブ・コースター「FUJIYAMA」や、発射後わずか1.56秒で時速180kmに達するという「ド・ドドンパ」、回転を楽しめる「ええじゃないか」、最大角度121度の強烈な落下が楽しめる「高飛車」、世界最恐を標榜するウォークスルー型お化け屋敷の「絶凶・戦慄迷宮 ~血塗られた人骨病棟~」、脱出成功率が100万分の1という「絶望要塞2」などなど、誰もが一度は体験してみたくなるようなエンタテイメントが勢揃いしている。

また、富士急ハイランドに隣接する「リサとガスパール タウン」は、フランス生まれの人気キャラクターのテーマパークだし、同ランドの中にある「トーマスランド」は「きかんしゃトーマス」の日本唯一という屋外型テーマパークだ。他にも幾種類ものアウトドアレジャーの施設が揃っているだけに、長雨はやはりあまり歓迎したくなるような状況ではないだろう。

東映 <9605>

一方で屋内娯楽を提供している銘柄は、長雨の恩恵を受けそうだ。映画制作・興行収入で中位の同社は、テレ朝と株式を持ち合っていることからも想像がつく通り、テレビ映画では首位級で、シーズン17を迎えた「科捜研の女」や16シーズン目の「相棒」をはじめ、第68弾となる超ロングラン人気シリーズの「西村京太郎トラベルミステリー」など、誰もが知っているような番組も多い。

とりわけアニメや実写戦隊物に強く、「キラキラ・プリキュラアラモード」や「ドラゴンボール超」、「仮面ライダービルド」、「宇宙戦隊キュウレンジャー」など、男女を問わずに子供たちの心を掴んで離さない多くの作品を提供している。

東宝 <9602>

阪急阪神ホールディングス <9042> の持分法適用会社である同社は、邦画の配給・興行収入で断トツの地位を占めている。「ゴジラ」をはじめ、「ドラえもん」や「ポケモン」、「名探偵コナン」、「クレヨンしんちゃん」、「ちびまる子ちゃん」、「ルパン三世」、「妖怪ウォッチ」、「怪物くん」など、シリーズを携えた人気キャラは列挙に暇がない数にのぼるし、一世を風靡した「君の名は」など、名作や話題作にも事欠かない。

一方で、各地の映画館跡地を利用した不動産賃貸事業が同社の収益を下支えしていることも見逃せない。

松竹 <9601>

松竹と聞くと、「男はつらいよ」などの富士山を背景とするオープニング画面が頭に浮かんでくる人も多いかと思うが、確かに同社は映画興行では中位の位置にある。一方で演劇の興行を発祥の事業とするだけあって、歌舞伎や松竹新喜劇などを手掛けるほか、「衛星劇場」では自社制作の映画やテレビドラマ、劇場中継などを配信している。

映画や演劇と並んで同社の基幹事業となっているのが、賃貸不動産業だ。旧本社跡地にSPCを通じて建てられた住宅・商用複合型の築地松竹ビル、通称「銀座松竹スクエア」には、KADOKAWA・DWANGOのブランドカンパニーのオフィスや、高級賃貸マンション・飲食店などが入っているし、「有楽町マリオン」は、朝日新聞と東宝との共同所有だ。

また、京都松竹第2ビルには、「グルメシティ京極店」が入居しており、旧大船撮影所の一部敷地にある「大船松竹ショッピングセンター」には、イトーヨーカドー大船店やブックオフが入居している。他にも何軒ものテナントビルを展開しており、長雨はプラス要因になっているものと考えられる。

ラウンドワン <4680>

派手なメイクでボウリングを楽しんでいるTVコマーシャルで知られる同社は、ボウリングの他にもカラオケやアミューズメント、ビリアード、ダーツ、卓球等を取り揃えて全国に展開を続けている、地域密着の屋内型複合レジャー施設運営の大手だ。

同社の店舗の中に、スポーツを中心とした時間制の施設「スポッチャ」というのがある。入場料を払うと、「フリータイムパック」、「3時間パック」、「90分パック」から遊ぶ時間を選択し、時間中は館内のアイテムが使い放題になる。各アイテムの用具は全て完備されているので、手ぶらで立ち寄っても大丈夫だ。

「スポーツコートエリア」のほか、屋内で活発に楽しめる「アクティブエリア」、約120種類のゲーム機器がフリープレイで遊び放題の 「アミューズメントエリア」、キッズ向けの「キッズコーナーエリア」、がっつりメニューからデザートまでが揃った「フードコート」など、フリータイムパックを選んだ人も一日中飽きずに楽しめる。(ZUU online 編集部)

※当該記事は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄の投資推奨、株価上昇/下落の示唆・保証をするものではありません。

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