目次
- 急成長を続けるAIスタートアップ
- JamieAi AI・機械学習で優秀なIT人材を発掘
- Kwiziq 「AI外国語講師」から効率よく言語を学ぶ
- Verv 賢く節電 電気代が2割安くなる?
- Cleo 自分だけのAIファイナンシャル・アドバイザー
- IntelligentX AIがビールを作る時代到来?
- Onfido 機械学習による顔認証で雇用者の身元確認
- Tractable 深層学習コンサルタント 米トップ6保険会社がテスト中
- Digital Genius AIと人間の融合させた精密度の高いカスタマーサービス
- Echobox 世界初のAIオンライン・メディア
- Phrasee i AIでデジタル・マーケティングを最適化
急成長を続けるAIスタートアップ
AIスタートアップへの投資は2016年、記録的な数字に達した。CBインサイツの調査 によると、AI技術を主力とするスタートアップ数は550社を超え、50億ドル以上の資金を調達したという。
取引件数は5年連続で記録を更新しており、2012年の160件から658件に増えた。米国以外のスタートアップによる取引が占める割合も約40%(19ポイント増)に拡大している。
そんな飛躍する非米国勢から、今回は英国のAI(人工知能)・機械学習産業の未来を背負う、勢いあふれるスタートアップを紹介しよう。
グーグル・スタートアップ・プログラムを勝ちぬいた節電アプリVerbを筆頭に、フェイスブックメッセンジャーを利用したファイナンシャル・アドバイザーCleoなど、人材から言語学習、メディア、コンサルティングまで、幅広いビジネス領域をAI技術で塗り変えようとしている。
JamieAi AI・機械学習で優秀なIT人材を発掘
AI・機械学習ベースのSTEM(科学・技術・工学・数学)リクルート・スタートアップ。技術者不足のIT産業で多くの企業が優秀な人材の確保に苦戦を強いられている中、「優秀なIT人材をデータ関連の企業と結びつける」というコンセプトのもと、2017年にロンドンで設立された。
CEO兼共同設立者は、国際コンサルティング企業Execuzenの人材育成部門で経験を積んだウィル・カッパー氏。
JamieAi のAI人材プラットフォームは単に技術者を見つけるだけではなく、人間の見落としをAIの洞察力でおぎなうことで、「求めていた人材と違う」といった雇用のミスマッチやアンマッチを起こりにくくする。
利用法は一般的な人材サイトと同じで、企業は自社情報とともに理想の人材像などをオンラインでアップロード。条件に当てはまる潜在的な志望書のみが応募条件を確認でき、企業に志望者の情報が知らされるため、ここで志望者をふるいにかけられる。
後は企業と志望者の間で面接を行い、採用を決定するという流れだ。利用料は雇用する側にだけかかり(398ポンド/約5.9万円~)、志望する側の登録は無料。
従業員数10人以下と小規模ながらも、英国発のモバイルバンクMonzo(旧Mondo)や格安航空券比較サイトのスカイスキャナー、日本でもおなじみのレシピサイトを運営するクックパッド、大手スーパーマーケットのセインズベリー、レスター大学など、幅広い法人・団体に利用されている。
17年10月には初の資金調達ラウンドで、Execuzen のエイドリア・エズラCEOから100万ポンド(約1.5億円)を獲得した。