ここ数年、人工知能(AI)が急速に成長している。理由として、ビッグデータの処理が高速にできるようになってきたことが大きい。さらにはディープラーニングによって、人工知能の進化が加速している。これから数年で、人工知能は色々な業界を革新することが予想されている。人工知能で先行しているのは米国と中国だが、日本のスタートアップ企業でも人工知能の研究・開発・実装が進んでいる。ここではそんな日本のスタートアップ10社を紹介しよう。

対話型人工知能機能を提供する――Shannon Lab

人工知能,AI,スタートアップ,未上場企業,まとめ
(画像=各社Webサイトなどより)

「人工知能を身近にみんなに役立てたい そんな夢を実現するベンチャーです」と自社サイトで宣言しているShannon Labは、人工知能でグローバルなビジネスを創る企業だ。強みは自然言語処理、音声認識、対話である。自然言語や数理解析、ディープラーニングの分野にて高度な技術を要している。

Shannon Labで開発された対話型人工知能機能が、アニメーションスタジオGONZOのLINE公式アカウント「ゴンミちゃん」に組み込まれた。LINE上でゴンミちゃんに話かけると会話をしてくれる。この対話型人工知能は、会話により経験を積み成長していく。

設立:2011年12月
代表者:田中 潤
http://shannon-lab.org/

ディープラーニングを自動運転やIoTデバイスなどへ活用――リープマインド

リープマインドは、ディープラーニング・ライブラリのライセンス提供、ディープラーニングを実装したプラットフォーム「JUIZ DoT」などの提供、ディープラーニングのソリューション提供を行っている。

ディープラーニングの活用例として、自動運転実現のための走行車両の検出、ロボットなどからの撮影画像を用いた工場・建物の異常検知、スマート家電などのIoTデバイスへのディープラーニングの利用などがある。

設立:2012年12月
代表者:松田 総一
http://leapmind.io/

人工知能を活用した店舗解析プラットフォームなどを提供――ABEJA

ABEJAは、IoT、ビッグデータ、ディープラーニングをはじめとした最先端のテクノロジーを集結し、革新的人工知能プラットフォーム「ABEJA Platform」や人工知能を活用した店舗解析プラットフォーム「ABEJA Platform for Retail」を提供している。

ABEJA Platformは、あらゆるデータを蓄積し、ディープラーニングを主体とした最先端人工知能で学習、その結果をフィードバックする。例えば、工場にて、IoTセンサーデータを蓄積・管理し、製造プロセスを最適化する。ドローンやロボットなどのセンサーデータを収集し、ディープラーニングでの高度な画像解析結果を提供する。画像や音声などのセンサーデータを常に収集し、ディープラーニングで解析することで、高精度な機器の故障検知を実現する。

設立:2012年9月
代表者:岡田 陽介
https://www.abeja.asia/

不動産に人工知能を組み合わせたアプリなどを展開する――GA technologies

GA technologiesは、人工知能を活用した不動産のリノベーションアプリ「Renosy mode apps」と不動産投資アプリ「Renosy Investment apps」を提供、また中古マンションのリノベーションサービス「Renosy mode」を提供している。

リノベーションアプリは、人工知能がその人にベストマッチな物件を提案し、更に、その人の好みをチェックし、おすすめのリノベーションを提案する。物件とリノベーションが気に入ったら、問い合わせすると専任コーディネーターが物件の確認やリノベーションの相談に乗ってくれる。人工知能を活用することで、好き嫌いの好みだけでなく、気づかなかった「こだわり」にも合った提案をしてくれるのだ。

不動産投資アプリは、経験豊富なコンシェルジュとチャットでやり取りでき、時と場所を選ばずに不動産投資の相談ができる。ヒヤリング、ロボアドバイザーによる収支相談、物件選び、申し込みまでアプリでできるという。

設立:2013年3月
代表者:樋口 龍
https://www.ga-tech.co.jp/

人工知能により様々なインターフェイスでの対話を提供する――Nextremer

Nextremerは、ユーザーの課題解決にフォーカスし、高度な自然言語処理機能を有する人工知能対話システムの開発を行っている。マルチモーダル対話システム「minarai」は、人工知能により様々なインターフェイスで音声対話を提供するものだ。

「minarai」の採用例をいくつか紹介しよう。「世界陸上ロンドン2017」Webサイトに搭載された公式バーチャルアシスタント「セリナ」に、minaraiが採用されている。これにより、セリナは、選手や競技の情報などをリアルタイムで教えてくれるようになった。また、凸版印刷と東武鉄道が、対話型人工知能を活用した訪日外国人向け観光案内サービス「AI-SAMURAI」の実証実験を行った。「AI-SAMURAI」にはminaraiが搭載されており、人工知能による観光案内サービスの実現を支えている。

設立:2012年10月
代表者:向井 永浩
http://www.nextremer.com/

ディープラーニングの世界的なスタートアップ――Preferred Networks

Preferred Networksは、「エッジヘビーコンピューティング」を提唱し、交通システム、製造業、バイオ・ヘルスケアの3つの領域でのイノベーションを目指している。エッジヘビーコンピューティングとは、IoTデバイスが生成する膨大なデータを、クラウドに集約するのではなく、クラウド・ネットワークデバイス・エッジデバイスが分散協調的に処理する仕組みだ。

Preferred Networksは、世界的な企業などと協業を行っている。トヨタ自動車とは、自動運転のための物体認識技術や車両情報の解析技術などの共同研究・開発を、ファナックとは、人工知能を用いた工作機械の加工精度を高める機能を共同開発した。また、国立がん研究センターとは人工知能を活用した統合的ながん医療システムの開発プロジェクトを進めている。更には、マイクロソフトやインテルといったアメリカ企業との協業も進んでおり、世界的なスタートアップ企業と言える。

設立:2014年3月
代表者:西川 徹
https://www.preferred-networks.jp/ja/

日本初の人工知能ヘッドハンティングサービスを提供する――scouty

「人工知能が、天職を探し出す。 日本発のAIヘッドハンティングサービス」を自社サイトでうたうscouty(スカウティ)。人工知能により人々の能力に最適な企業をマッチングする、エンジニアのための新しい転職サービスscoutyを提供している。

scoutyは、技術情報共有サービスやSNSなどの情報から、人工知能がスキルや志向性を客観的に分析する。経験年数や希望年収などの単純な数値情報だけでなく、自分が記述したコードやブログなどの定性的な情報をマッチングに活用する。マッチングの結果、企業からスカウトされる仕組だ。scoutyは、楽天、サイバーエージェント、Gunosyなどの企業に既に採用されている。

人工知能でWebサイトの改善を提案する――WACUL

「データの『わかる化』で意思決定を簡単に」を掲げるWACUL(ワカル)は、人工知能「AIアナリスト」を提供している。「AIアナリスト」とは、Webアクセス解析ツールGoogleアナリティクスのデータを元に、自動でWebサイトを分析し、わかりやすく改善提案をしてくれるサービスである。

Web管理にアクセス解析ツールを導入したものの、活用できていない場合や、活用方法がわからなくて困っている場合にAIアナリストが助けてくれる。AIアナリストがWebサイトの改善方針やデータ根拠を教えてくれるのだ。AIアナリストは、Googleアナリティクスに連携するだけで使い始めることが可能となっている。また、人工知能が過去のデータを学習し、Webサイトのリスクやチャンスに素早く反応することができる。

設立:2010年9月
代表者:大津 裕史
https://wacul.co.jp/

金融に人工知能を組み合わせた自動決算分析レポートを生成――xenodata lab.

xenodata lab.(ゼノデータ・ラボ)は、テクノロジーを活用し、金融業界の課題を今までにない全く新しい方法で解決し、圧倒的に便利な世界の実現を目指している。

サービスは、自動決算分析レポートxenoFlash(ゼノ・フラッシュ)と決算分析文章を自動化するxenoStory(ゼノ・ストーリー)がある。xenoFlashは、企業の決算発表後、瞬時に決算発表内容の定性情報を含めた要点をまとめ、インフォグラフィックス(情報やデータを視覚的に表現したもの)にて、理解しやすい形でレポートしてくれる。

xenoFlashの導入事例として、カブドットコム証券株式会社の個人投資家向け情報配信サービス「kabuステーション」にて、xenoFlashレポートが活用されている。またニューズピックスが提供しているソーシャル経済ニュースNewsPicksにて、xenoFlashレポートが決算速報ニュースとして配信されている。

ゼノデータ・ラボ創業者の関氏は、ニューズピックス社のグループ会社・ユーザベース――金融機関やプロフェッショナルファームを主要顧客とする、企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA」を提供している――に在籍していたことがある。

設立:2016年2月
代表者:関 洋二郎
http://www.xenodata-lab.com/

人工知能の活用で、人々がより健康でいられるための社会づくりを――情報医療

情報医療は、一人ひとりの健康・医療についての情報が蓄積・活用されることで、人々がより健康でいられるための社会づくりを目指している。サービスとして、スマホによる遠隔診療アプリcuron(くろん)と人工知能を用いたヘルスケア企業・団体向けソリューションを提供する。

curonは、「使える遠隔診療」をキーワードに、全国数百の医療機関で利用されている。予約、診察、問診、決済、薬の配送サポートまでカバーしており、医療機関の初期費用は無料で月額最低利用料はなし(2017年11月時点)、と導入し易いプランを提供する。Cronは次に紹介する人工知能を用いたソリューションと連動している。

人工知能を用いたソリューションは、医療画像や患者行動からの疾病識別、個々人の健康状態の将来予測、医療従事者が患者への最適な療養指導・治療継続支援を行うサポートなどを提供する。

設立:2015年11月
代表者:原 聖吾
https://micin.jp/

ここに紹介した人工知能関連のスタートアップ企業は一部だが、このように、日本においても様々な分野で人工知能の活用が進んでいる。このような企業が増えることで、社会的な課題が解決され、我々の生活はより便利になることが期待される。

さらに日本発の人工知能によるサービスやソリューションが海外へ展開されれば、日本経済も活性化されるであろう。(松本雄一、ビジネス・金融アドバイザー)

【編集部のオススメ記事】
2017年も勝率9割、株価好調の中でもパフォーマンス突出の「IPO投資」(PR)
資産2億円超の億り人が明かす「伸びない投資家」の特徴とは?
株・債券・不動産など 効率よく情報収集できる資産運用の総合イベント、1月末に初開催(PR)
年収で選ぶ「住まい」 気をつけたい5つのポイント
元野村證券「伝説の営業マン」が明かす 「富裕層開拓」3つの極意(PR)