あなたにとって「時間」と「お金」はどちらが大事だろうか。 ニッセイ基礎研究所が発表した『「パワーカップル」世帯の動向(4)-パワーカップルの高額消費、「時間がない」を解決する消費に期待:基礎研レター』によれば、共働き世帯が増える中では「時間がない」ことを解決する消費が今後活性化される可能性があるとの見解をまとめている。

これは共働き夫婦にとっての時間の重要性であるが、働き方改革や働き方の多様性、ワークライフバランスが注目される昨今、個人にとって「時間の価値」が今後ますます高まっていくことだろう。

ここでは、「時間」と「お金」について、世界の消費者に対しておこなった意識調査の結果を紹介しよう。

「時間重視」は「お金重視」の3倍超

時間,お金
(画像=PIXTA)

データと科学に基づく調査に定評のあるGfKは2016年夏、アルゼンチン、オーストラリア、 ベルギー、ブラジル、 カナダ、中国、フランス、ドイツ、イタリア、日本、メキシコ、オランダ、ロシア、韓国、スペイン、イギリス、アメリカ合衆国の世界17カ国における15歳以上の消費者2万2000名のインターネットユーザーを対象に、「時間」と「お金」、および「所有」と「体験」のどちらを重視しているのかについての意識調査をおこなった。

調査結果は各テーマについて、「全くそう思う」から「全くそう思わない」の7段階を選択してもらう方法で行なわれ、回答のうちトップ2の合計を「そう思う」、ボトム2の合計を「そう思わない」として集計したものだ。その結果、「お金があるより時間がある方が良い」と考えている人の割合が31%に達し、「そう思わない」の9%を大きく上回った。

グローバルの消費者が「物質的なお金やモノよりも目に見えない時間や体験を重視している」ことが、顕著に示されたわけだ。

国別にみると、お金より時間を重視している傾向が強い上位の3カ国は、中国の41%、ブラジルの37%、アルゼンチンの32%などとなっている。

ここで日本の場合、お金と時間の比較に関しては、グローバルとはやや異なる傾向がみられた。「お金があるより時間がある方が良い」と考えている人が11%であったのに対し、「そう思わない」12%を占めており、時間とお金が同程度に重視されていることが読み取れるのだ。

「そう思う」という人の割合が最も多かったのは30代と40代で、ともに13%だった。一方「そう思わない」は30代が10%、40代が9%だった。さらに15歳以上の10代と20代においては「そう思う」が12%だったのに対し、「そう思わない」が10代の10%、20代の9%を占めていた。

それが50代になると、「そう思う」という人の割合が11%だった一方で、「そう思わない」の比率が16%へと急上昇する。60代以上になるとこの傾向はさらに顕著となり、「そう思う」の6%に対し、「そう思わない」は13%となっている。

「体験重視」が「所有重視」を圧倒

また、「何を所有するかより、何を体験するかの方が大切だ」と考えている人の割合は44%に上っており、「そう思わない」3%を圧倒している。グローバルの消費者は、物質的なお金やモノよりも、目に見えない時間や体験を重視していることが明らかになっていると言えるだろう。

これを国別にみると、体験を重視する傾向が強い上位3カ国はメキシコ、アルゼンチン、アメリカ合衆国で、共に「そう思う」が57%に達していた。

日本の結果をみても「所有と体験の比較」に関しては、グローバルと同様に体験を重視する人が多く、「何を所有するかより、何を体験するかの方が大切だ」と考えている人が27%であったのに対し、「そう思わない」は3%にとどまっている。

年代別に見てもこうした傾向は顕著で、15歳以上の10代では「そう思う」が26%だったのに対し、「そう思わない」はわずか2%にとどまった。20代でも「そう思う」の23%に対して「そう思わない」は4%、30代についてもそれぞれ27%と1%、40代が26%と3%、50代が24%と2%、60歳以上でも33%と3%という結果になっている。

企業に求められるのは?

これらの調査結果から、何を読み取るべきなのだろうか。

日本の調査結果において気になるのは、50歳代、60歳代以上で「時間よりお金がある方が良い」と考える人の比率が高くなっていたことだ。子供の手が離れ、自由な時間を取りやすい人が多くなっていることも背景にあるものと考えられるが、だからと言ってこれらの年代を「物質主義」だと決めつけてしまうのも早計だろう。

本調査結果は、「生活に充実した時間を生み出す」ことの重要性や、「日々の仕事の簡素化や合理化」を重要な課題として提示している。(ZUU online 編集部)