3時間の映画チケットを購入し、30分ほど見ているが余りにもつまらない。だけど、せっかくお金を掛けたし、ここまで時間をかけたのだから最後まで見ないともったいない気がする……。こんな体験をしたことはないだろうか。

お金や時間を大切にするという点では非常に素晴らしいが、行動経済学ではサンクコスト(埋没費用)と呼び、非合理的な行動だとしている。途中で映画館を出れば、チケット代金こそ無駄になるが、残りの2時間30分を自由に使うことができる。一方、見続ければ、チケット代金と3時間を丸々無駄にすることになるからだ。これがもっと「大きなお金」が動くシーンだとどうだろうか。

自分のお金ではないとサンクコストに抗わない

サンクスコスト,行動経済学
(写真=PIXTA)

少し大きな視点で考えてみよう。例えば新幹線や高速道路の延伸計画。あれば非常に利便性が高いのは間違いない。しかし、建設費が高額で、維持費も嵩む。そして、何十年も前から粛々と準備を進め、ようやくここまでやってきた。何とか当初の予定通りの延伸をさせたい。自分であっても最後までやり遂げたいと思うだろう。しかし、延伸したところで経済効果が見込めないとしたらどうだろうか。

経済効果は期待できる試算であって、目に見える効果は無いかもしれない。もし、これから計画を作るのだとしたら、絶対に計画自体が立案されないであろうという状態だとしても、今までかけた時間とお金と関係者の労力を無駄にすることはできないと、延伸が終了するまでひたすら計画遂行が求められる。サンクコストに抗う力がないのは、自分のお金ではないからだろうか。

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