中外製薬,株価
(画像=PIXTA)

目次

  1. 中外製薬のタミフルと「連想ゲーム」
  2. 株式投資は連想ゲーム
  3. インフルエンザが過去最高、世界的に猛威振るう
  4. インフルエンザ治療薬「タミフル」の売上好調
  5. 「インフルエンザといえば中外製薬」
  6. 新薬「ゾフルーザ」の登場が意味するものは?

※この記事は2018年3月に掲載されたものを再編集しています。

中外製薬のタミフルと「連想ゲーム」

【第4回】まで、本連載では外食、アパレル、不動産、飲料水と多様な業界のトップ企業の業績や株価推移から投資について考えてきた。 【第5回】となる今回は堅調な業界と言われる医薬品業界から、中外製薬を取り上げる。 連想ゲームと比喩されることもある株式投資だが、今回は中外製薬の主力製品「タミフル」とインフルエンザの関係を例に、「連想ゲーム」の意味を解説していく。

株式投資は連想ゲーム

「株式投資は連想ゲームだ」。筆者が社会人としての第一歩を踏み出した頃、先輩に教わった言葉だ。まだ学生気分が抜けず、株のことも何一つ分からなかった筆者であるが、その後経験を積む中で先輩の言葉を何度も噛み締め、実感することになる。多くの証券マンが似たような経験をしていると思うが、筆者にとっては文字通りの「金言」なのだ。

『連想ゲーム』とは1969年4月から1991年3月までNHK総合テレビで放送されたクイズ番組である。司会者がオープニングで「連想は十人十色と申します」と毎回述べるのであるが、これは株式投資にも通じる言葉だ。株式投資の連想も十人十色、人それぞれなのであるが、筆者の経験では多くの人が身近で「分かりやすい」連想を支持するケースが珍しくない。コンビニのヒット商品、SNSの話題、大人気のテレビドラマなど……常日頃から身の回りの出来事に気を配り「どんな企業が儲かるのか?」連想するスキルを磨くことが大切だ。

たとえば、読者のみなさんは「インフルエンザ」といえば、どんな企業を思い浮かべるであろうか? 今シーズンはインフルエンザが猛威を振るい、筆者の家族はA型とB型の両方にかかってしまった。39度くらいまで熱が上がって苦しんでいたが、病院で治療薬タミフルを処方してもらうとすぐに平熱に戻り、5日間安静にしただけで事なきを得た。

そう、インフルエンザといえばタミフル。タミフルと言えば中外製薬 <4519> である。ところが、長年多くの投資家に支持されてきたその「連想」も大きな変化を迎える可能性が浮上している。中外製薬、いや医薬品セクターに何が起きているのだろうか。

インフルエンザが過去最高、世界的に猛威振るう