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※この記事は2018年3月に掲載されたものを再編集しています。
100円ショップ産業の隆盛とデフレの関係
【第5回】まで、本連載では外食、アパレル、不動産、飲料水、医薬品を取り上げて、株式に影響するさまざまな要素について解説してきた。 【第6回】では、ダイソー、セリアを例に、デフレによって業績を伸ばし、デフレ脱却後の現在何を見据えているのかに迫る。全体の経済と特定の業界がどのように結びつくのか、 考察していきたい。
株式投資は連想ゲーム
1990年代初頭のバブル崩壊以来、日本経済は長らく景気停滞とデフレに悩まされてきた。いわゆる「失われた20年」である。だが、デフレといっても悪いことばかりではない。たとえば筆者にとってデフレの恩恵といえるのが、1000円で酔っ払える「1000ベロ」のお店が増えたこと、そして「100円ショップ(100均)」の普及だ。
「1000ベロ」も「100均」もバブル期にはとても考えられなかったビジネスモデルであったが、いまや両者とも筆者の生活になくてはならない存在となっている。どんなに時代が変わろうとも「1000ベロ」と「100均」は存続して欲しい。心の底からそう願わずにはいられない。
気掛かりなのは100均業界の最大手「ザ・ダイソー」を展開する大創産業が上場準備に入ったと報じられる一方で、同じく業界第2位のセリア <2782> の既存店売上高がマイナスに転じていることだ。筆者がこよなく愛する「100均業界」に何が起きているのだろうか?