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※この記事は2018年4月に掲載されたものを再編集しています。
中国カーシェアリング、資金調達も盛んに
人気銘柄の戦略と株価の動きから投資の醍醐味に迫る本連載。【第1回】の吉野家HDに続いて、【第2回】はデフレ時代のアパレル勝者、しまむらを取り上げる。
しまむらグループはいま、転換期に立っている。デフレは終焉し、業績にも陰りが見える。しかし、ZOZOTOWNへの出店やプライベートブランド拡充、自社でのネット販売など新機軸となる戦略を続々と打ち出すなど、低迷の出口を探している。 この記事では、店舗数や業績推移を追いながら、しまむらブランド本来の個性とは何か、というところに迫りたい。
しまむらの個性「ワクワク感」
もう30年ほど前になるだろうか。筆者が観光で訪れたハワイで「ロスドレス」という低価格ファッションを扱うチェーン店と出会った。そのお店で「掘り出し物」を見つける楽しさに目覚め、ハワイにある何件かの店舗をハシゴしたものだ。ちなみに、当時の日本といえばバブル絶頂期、高級ブランドこそが至高で低価格ファッションを「ダサい」とバカにする風潮さえあったが、筆者はロスドレスで体験した「ワクワク感」こそがショッピングの醍醐味であると考えている。
しまむら <8227> の店舗にはどことなくロスドレスの雰囲気を彷彿とさせるものがある。低価格、少品種の品揃えで「掘り出し物」を探す喜びがある。その「ワクワク感」はまさにロスドレスの体験そのもの。筆者は、ファッションセンターしまむらが大好きだ。
しまむらは「デフレの勝ち組」として業績を伸ばし、株式市場でも人気銘柄の一つだった。注目されるのは、同社が2018年2月の決算で9期ぶりの減収減益となる中で株価は急騰、年初来高値を更新したことだ。
「え?減収減益なのに急騰?」と思われる読者もいるかもしれないが、それが株式投資の面白いところでもある。筆者はしまむらの株価急騰は、ずばり「ユニクロ」との全面戦争へ向けた号砲ではないか、と考えている。詳しくみてみよう。