(本記事は、中央線総合研究会の著書『中央線格差』宝島社、2018年3月29日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

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中央線格差
(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

杉並区と中野区の駅がランキングの上位を席巻

中央線格差
(画像=PIXTA)

お金持ちがたくさん住むエリアと言えば、一般的には白金や麻布、田園調布などの地名が出てくるだろうが、中央線快速(東京~高尾間)の駅ではどの駅にお金持ちが住んでいるのか?

交通広告のポータルサイト「交通広告ドットコム」を運営する株式会社ムサシノ広告社が作成したオリジナルの指数をもとに解析していく。

1世帯あたりの年収高・貯蓄高では、どちらも神田が1位(年収高732万円、貯蓄高1684万円)である。ただし、次のランキングは「お金持ち=高年収・高貯蓄の世帯数が多い」ということを定義に、「世帯年収1500万円以上世帯数」「世帯純貯蓄2000万円以上世帯数」からオリジナルで作成した「お金持ち指数」である。ちなみに、貯蓄は預貯金・生命保険・有価証券などを指し、不動産は含まない。そして、純貯蓄は貯蓄から負債を差し引いた金額である。

中央線快速の駅の1位は高円寺。何となく庶民的なイメージがあるが、じつはしっかりと稼いでいる人も多く住んでいる。「世帯純貯蓄2000万円以上」も9000世帯以上を誇るが、これは高円寺が古くからある街であることが関係している。持ち家で住宅ローンがない世帯が多いので、それがランキングに反映されたと見られる。

2位の阿佐ケ谷は杉並区という土地柄(高円寺も杉並区)もあり、街並みにゆとりが感じられる。また、南阿佐ケ谷駅から東京メトロ丸ノ内線で新宿・東京方面に行けるので、その辺りに働きに出ている人たちの住宅も郊外にはたくさんある。

3位には中野がランクインしたが、じつは中野区内のほかの駅も高い指数を示している。例えば、中央・総武線各駅停車の東中野は、総合スコアが75.5で他の中央線快速の駅を上回っている。「世帯純貯蓄2000万円以上世帯数」も、中野区内の3駅(中野新橋・東中野・中野坂上)が9000世帯を超える。近年の高層マンション建設、そして持ち家世帯が多いのも、中野区が高い指数を示した一因と見られる。

4位の荻窪は、戦前は東京を代表する別荘地で、今もその名残がある。都心に直結する丸ノ内線の始発駅であるほか、南には善福寺や浜田山といった杉並を代表する高級住宅街もある。そういった要素も、5位の西荻窪も含めてランキングに反映されたと考えられる。

6位以下は三鷹、御茶ノ水、四ツ谷、吉祥寺、武蔵境と続くが、杉並区内の駅(高円寺・阿佐ケ谷・荻窪・西荻窪)が上位を占めている。

杉並区は東京地区の中でも比較的お金持ち地域とされており、税金の滞納率も低い。ただし、麻布や六本木のような超がつくほどのお金持ちがたくさん住んでいるわけではない。世帯年収1500万円以上や世帯純貯蓄2000万円以上といった中クラスのお金持ちが多く住んでいて、彼らがこのランキングを下支えしているのだ。

中央線総合研究会
東京の都心部と郊外をつなぎ、独特のカルチャーを形成している中央線に惹かれたライター集団。中央線沿線の各種データを調べながら、知られざる中央線らしさを発掘し続けている。一度住んだら離れる気がおきない、中央線の魅力を広く知ってもらうために奮闘中。