(本記事は、上岡正明氏の著書『株はたった1つの「鉄板銘柄」で1億稼ぐ!』SBクリエイティブ、2018年2月26日刊の中から一部を抜粋・編集しています)

「鉄板銘柄」で1億稼ぐ!
(画像=Webサイトより ※クリックするとAmazonに飛びます)

【『株はたった1つの「鉄板銘柄」で1億稼ぐ!』シリーズ】
(1)株で2億稼いだ投資家が教える「最短で結果を出せる」方法は?
(2)「相場の奴隷になる」投資家と「相場を支配する」投資家の違い
(3)投資家が一番大切なときに犯す一番大きなミスとは
(4)勝つ投資家は「チャート」と向き合う では、負ける投資家が向き合うのは?

「相場の奴隷になる投資家」vs.「相場を支配する投資家」

「鉄板銘柄」で1億稼ぐ!
(画像=Foxy burrow/Shutterstock.com)

株の投資家には2つのタイプがいます。

「相場の奴隷になる投資家」と「相場を支配する投資家」です。

少し過激な言葉ですよね。ですが、実際に相場はこのヒエラルキーのなかで日々動いています。

その比率はだいたいどの程度だと思いますか。5対5でしょうか。

私の予想では、その割合はだいたい8対2。ほとんどの投資家が相場の奴隷になっています。

逆を言えば、株の上級者やプロの相場師ほど、生活も心も株に支配されていません。

一部のデイトレーダーと呼ばれる投資家のなかには、瞬時に更新される株価の動きを複数のモニターに表示させ、日中は相場に張り付いて、一瞬のチャンスも逃さないという人もいるかもしれません。

しかし、それはごく少数です。

実際の株の上級者やプロ相場師は、もっと余裕を持った生活をしています。むしろ、株で成功していない投資家ほど、生活はおろか、心まで株に支配されているのではないでしょうか。

「最近、株式相場のことを考えすぎて、睡眠不足なんです。どうしたらいいでしょうか?」

これは、相場に支配された投資家から、よく投げかけられる質問です。

無理はありません。

日経新聞をくまなくチェック。加えて、複数の株式投資の雑誌にも目を通す。さらに気になる銘柄があれば赤ペンを入れて、夜な夜なパソコン画面で財務状況のチェックをこなしていく─。

こんなハードな生活、おそらく受験勉強以来ではありませんか?

さらに会社ではスマートフォンを片手に、日経平均をチェックする。

買った銘柄が暴落しようものなら、仕事にも身が入りません。

すると、どうするかというと、トイレにこもって損切りするための「決断の儀式」です。損切りは嫌なものです。個室の外から聞こえてくる同僚たちの笑い声が、耳障りでなりません。

さらにクタクタになって家に帰ると、今度はアメリカのダウの値動きや、世界各国の為替、雇用統計などの経済指数の発表が待っています。

ようやく経済ニュース番組が終わった頃には、深夜0時近く─。

すると、今度は有名な投資家たちのブログを、忙しく巡回する仕事が待っています。これは、読んでいて楽しいのでやめられません。

さらに、そのうちのいくつかは有料会員になっているブログです。毎月、お金を払うと明日の推奨銘柄が見られるのです。

あなたが選んだ銘柄が推奨されていたりすると、自信にもつながります。推奨されている銘柄は、どれもいま買わないと泡と消えてしまう「お宝銘柄」に見えてきます。

と、あなたはそこで、1つの銘柄に目が止まりました。

昼間読んだ雑誌でも、今後、成長が期待できるとして一押しされていた銘柄です。

キラリーン。

不思議と、その銘柄だけが、ほのかに光って見えます。もちろん、すべてあなたの錯覚です。しかし、眠気と疲れで閉じかけた思考が、一気に覚醒していくのは事実です。

まるで、私の大好きなガンダムでいうところの「ニュータイプ」にでもなった気分です。

さて、この時点で、深夜1時半。さすがに、家族はとっくに寝静まっています。

それでも、その銘柄とは運命の出合いのような気がして眠れません。

学生のときの恋愛のような高揚感、そう表現すればいいのでしょうか。とにかく喉がからっからになり、胸がギュッと締めつけられます。

なんともいえない興奮が全身を駆け抜けます。

株式投資は、ある意味、ギャンブル的な要素があります。そのため、冗談でなく本当にこうした麻薬的な興奮が芽生えることがあります。本来は、こうした感情はよくありません。

「......でも」

一方、あなたはリビングで時を刻む時計に目を向けます。

「明日は大事な会議がある。もう寝ないと」

それに、明日株価を見て買えば、もっと有利に売買を運べるかもしれない。

そう思い、手帳にその銘柄を書き込みます。さらに、予定どおりほかの銘柄のチェックを終えると、ようやくベッドにもぐり込みます。

そのときには、もう深夜2時。

隣で、奥さんが迷惑そうに寝返りを打ちます。仕方なく、あなたは毛布の中で身を縮めて、興奮を押さえ込むように目をつぶりました。

しかし─覚醒した脳がそれを許してくれません。

「いや、待てよ。明日になったら、株価が急騰してしまうかもしれない。明日の朝の会議は外せない。タイミングを逃したら、もう間に合わないかもしれない!」

さっき目にした銘柄が気になり、全然眠れません。

せっかく見つけた「お宝銘柄」です(正確には、「お宝かもしれない銘柄」なのですが、私の経験上、この時点ではもう何を言ってもムダなことが多いようです)。

もし、ここでチャンスを逃せば利益をみすみす取り逃がすかもしれない。

そう思ったあなたは、真夜中のベッドの中で、そっとスマートフォンを取り出して......。

「もう、いい加減にして!何時だと思ってるの。子どもが起きちゃうじゃないの!」

そんな奥さんのとがめる声がします。あなたが株に夢中になり始めてから、夫婦仲はギクシャクしてばかりです。

いかがでしょうか?

このエピソードは、私がセミナーでお会いした投資家たちの、リアルな姿を重ね合わせた架空のストーリーです。

これを読んであなたは、この物語が全部他人事だと言えますか?

実際、株を始めた頃の投資家の大半は、これと似たようなものでしょう。

毎日、新しい情報を探すことに追われて、タスクは減るどころか、どんどん増えるばかり……。

かくいう私も、株をスタートしたばかりの頃はそうでした。

夢や自由のためにと始めた株取引が、いつしか自分の生活を奪い、逆にすべてを犠牲にしてしまっていたのです。

最初は調子の良かった取引も、気づけば収益は常に一進一退。いや、日経平均がピークを超えた頃には、資金も減少に転じていました。

お金持ちになるための公式から投資戦略が見えてくる

国税庁が発表した、平成28年分の民間給与実態統計調査結果、つまりは1年を通じたサラリーマンの年間の平均給与(男女平均)は422万円だったそうです。

これを見て、多いと思うのか少ないと思うのかは、人それぞれだと思います。

いずれにせよ、自由に海外旅行に行ったり、好きなものを買ったり、子どもに自由な進路を決めさせたりと、人生を後悔なく謳歌しようと思ったら、また、万一のときに家族やパートナーを守ろうと思ったら、お金はあるに越したことはありません。

そうしたとき、お金を稼ぐ方法が別にあると、仕事そのものに縛られることがなくなります。

実際、私には「株式投資」と「蓄財術」という2つの後ろ盾があるので、嫌な仕事を引き受ける必要がなくなりました。

株による総資産が1億円を超えた頃から、嫌な仕事は引き受けなくてもいいのではないか……という心のゆとり、懐の深さのようなものが生まれてきました。

思い切ったチャレンジや、自分の信念に基づいた本音の討論もクライアントとできるようになりました。すると、意外にも取引先からの評価が上がったり、逆に信用されたりと、思わぬ副産物が得られたりすることもあります。

お金の大切な公式を見てみることにしましょう。

●普通の人がお金持ちになる公式

1)給与×2)投資の収益×3)時間(複利)+4)配当金  

この公式はあなたの人生を劇的に豊かにする《富の方程式》になるはずです。

そして、この公式に当てはまり、少額から誰でも始められる投資こそが、株式なのです。

1年勝っただけでは、株で勝ったとはいえない

株で億り人(億万長者)になるためのとっておきの公式をお話ししたところで、今度は、少し厳しめの話をします(覚悟しておいてくださいね)。

1年やそこら勝ったぐらいで、株で勝ったと思うな!  

つまりは、それぐらいで有頂天になるな、というわけです。

実際にこのようなデータがあります。

2017年11月の日経新聞の記事ですが、この年、トータルで下落した東証一部銘柄は全体の3%しかなかったと紹介しています。

3%というのは、驚きの数字です。

東証一部銘柄のほとんどが、この好景気のなかで株価を上昇させたということです。

つまり、2017年の1月に東証一部銘柄を購入し、そのまま保有した場合、約9割の投資家が「株で勝っていた」という事実を示します。

もちろん、これは2017年の1年間をトータルで考えた場合の数字です。

1ヵ月単位で見れば、その月で大きく値を下げた銘柄もあると思います。

つまりは1銘柄だけを根気よく保有していれば、トータルで勝てたのが、逆に売買数が増えれば増えるほど負ける確率も高まったのがこの年の特色だと思います。

このように、株式投資とはおもしろいもので、ある期間だけを切り取ってみると、経験や技術に関係なく、誰でも勝ててしまうタイミングがあります。

株の勝利とは、タイミング5割、技術3割、銘柄選びは1割だけ。

これは、私が15年の投資歴から株の原理原則を一言で表したものです。

逆を言えば、どのような未経験の投資家でも、タイミングさえ間違えなければ、株の勝率を高めることはカンタンなのです。

その最大の秘訣が、勝てるタイミングまで待つこと。具体的には、それまでは一切、資金を出動させないことです。

たとえば、リーマンショック後の2009年2月、日経平均株価は7000円台に突入しました。狼狽売りが投資家の恐怖をあおり、底なし沼のようにどんどん株価は下がっていったのです。

しかし、その後は反転して、今度は一気に株価を伸ばしていきます。

もし、このリーマンショック後の大底圏で、勇気を持って株を買い挑んでいたならば、どうなっていたでしょうか。おそらく東証銘柄のどのような銘柄を買っていたとしても、大きな利益を手にすることができたでしょう。

仮に、2009年12月に東証一部銘柄を100銘柄購入していたら、おそらくそのほとんどが利益になっていたはずです。

株式投資には実力や経験に関係なく、誰でも勝てるタイミングがある。それが、この世界の真実なのです。

上岡正明(かみおかまさあき)
MBA(多摩大学大学院)博士前期課程在籍※2018年修了予定。1975年生まれ。放送作家として「笑っていいとも!」「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「タモリのスーパーボキャブラ天国」などの人気番組を手がける。27歳で戦略PR、ブランド構築のコンサルティング会社を設立。起業後、元手200万円で株式投資をスタートさせ、現在は株の保有資産が2億円超。バンタンJカレッジ客員講師、日本神経心理学会会員、日本マーケティング学会会員、一般社団法人日本行動分析学会会員。講演者やメディアプランナーとしても活躍。著書に『うねりチャート底値買い投資術』(ダイヤモンド社)などがある。