結婚を機に寿退社して、専業主婦やパートをしていた人が、家計を支えたり、自分の今後のキャリアを考えて本格的な仕事復帰をしたりするのもめずらしくはありません。しかし、そのときに考えたいのは個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」のことです。専業主婦やパート時代からコツコツと老後のためにとiDeCoを活用して資産形成をしている人もいるはずです。そういった人が正社員として復帰したらiDeCoはどのような取り扱いになるのでしょうか。

専業主婦・パートにもiDeCo(イデコ)がおすすめの理由って?

woman
(写真=Sergey Nivens/Shutterstock.com)

個人型確定拠出年金はもともと、厚生年金に加入できない自営業者や企業年金がない会社員の老後における資産不足を補うために始まった制度でした。しかし、2017年1月に加入資格が拡大されて、専業主婦やパートの人でも加入ができるようになりました(ここでのパートの人とは、年間のパート収入を一定額に抑えて夫の扶養に入っている人を指します)。

加入資格の拡大に伴い、2016年9月にiDeCoという愛称が決まりました。しかし、「自営業者でも会社員でもないのにiDeCoを利用するメリットってあるの?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。そこで、まずは専業主婦やパートの人にもiDeCoがおすすめな3つのメリットをおさらいしましょう。

● 自分名義の老後資産が準備できる

公的年金でもらえるお金は、それだけで老後に十分とはとても言えません。また、夫に万一のことがあると、老後の生活資金が足りなくなる危険性もあります。もしものときに備えることができるのがiDeCoの魅力です。

● iDeCoの税制優遇を活用すれば控除が受けられる

夫の扶養家族になっている妻がパート(アルバイト)で働いている場合、年収が150万円を超えると所得税が発生します。そのため、年収150万円を超えないように調整して働いている人も多いはずです。住民税も、年間収入約97万円を越えれば課税対象となります。

ところがiDeCoを利用して、超えてしまう金額をあらかじめ計算しiDeCoの掛金とすることで、控除が受かられるようになるのです。例えば、年収160万円の場合、150万円を引いた10万円をiDeCoで積立・運用すれば、年収が150万円以上でも所得税が徴収されることはありません。

● 会社員になってもiDeCoを続けられる

ライフスタイルの変化にも対応できるのがメリットといえます。また、勤務する会社の企業年金制度によっては、iDeCoで積み立てたお金を移換し、引き継ぐことができるという点もポイントでしょう。ただし、会社側の条件によっては移換できないケースもあるので、確認が必要です。

仕事に復帰したときのiDeCo(イデコ)の取り扱いは?

では、専業主婦やパートだった人が実際に会社員(正社員)として仕事復帰した場合、iDeCoの取り扱いはどうなるのでしょうか。前項の3つ目のメリットとして挙げたように、会社員になってもiDeCoは継続利用できます。ただし、次にお世話になる会社が「企業型確定拠出年金」を導入している場合は、会社の企業型確定拠出年金規約の確認が必要です。

また、iDeCoで運用していた資産の移換が必要になる場合もあります。iDeCoの資産を移換する際にはiDeCoの加入者資格を喪失することになるので、「加入者資格喪失届」を運営管理機関へ提出しなければならなくなります。お世話になる会社に「確定給付企業年金制度」がある場合についても、iDeCoの資産を移換できる場合があります。

いずれにせよ上記の2つは確定給付企業年金の規約において「確定拠出年金の個人別管理資産を受け入れることが可能」と定められている場合に限った内容です。どちらの制度においても、まずは自分がiDeCoに加入していることを会社の担当部署に伝えて、対処方法を確認するようにしましょう。

iDeCo(イデコ)は就職(転職)先の会社や運営管理機関に確認を

このように、環境が変わったとしてもiDeCoは継続することができる場合があります。詳しくは就職(転職)先の会社や運営管理機関(金融機関)で対処方法を確認しましょう。場合によっては手続きに多少の手間がかかるかもしれません。しかし、iDeCoで運用したお金がなくなることはありません。正社員として復帰した際は、iDeCoの手続きも忘れずに行い、老後に備えたいものですね。(提供:iDeCo online


【オススメ記事 iDeCo online】
iDeCo加入年齢の勘違い!?50代からでもお得です
確定拠出年金で選べる金融・投資商品はどんなものがあるのか
iDeCo(イデコ)で失敗しないために。金融機関を徹底比較
個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」はどんな点にメリットがある?
個人型確定拠出年金 iDeCo(イデコ)の注意点と賢い使い方は?