会話の目的を考えると「気分」の重要性が見えてくる

話す,人間関係
(画像=The 21 online)

「言いにくいこと」をハッキリ伝えても、なぜか好かれる人の話し方は何が違うのか。

会話で大切なことは「気分」と、『「言いにくいこと」をハッキリ伝えても、なぜか好かれる話し方』の著者・藤由達藏氏は説く。

連載第2回目では、「会話」と「気分」の関係について解説してもらった。

「会話」と「気分」の関係で一番大事なことはこれ!

好かれる話し方をしている本人は、「気分」と言われてもピンとこないかもしれません。なぜかというと、そういう人は、長年の経験や天性の勘で「気分」のコントロール法を身につけて無意識に行っているからです。自分でも気づかずに自身の「よい気分」をみんなに伝えています。

だから、その人と話していると、いつのまにか「よい気分」になって、言われたことをすんなり受け入れてしまえるのです。

とはいえ「気分」と言われても、それが会話にどのような影響を与えているのか、イメージできないと思います。

一つひとつ説明していきましょう。

友人との旅行の打ち合わせや家族会議、商談、社内ミーティングなど、人と人との間で交わされるのが「会話」です。では、それらの会話の目的はどこにあるのでしょうか。そもそも一般に会話とはなんのために行うのでしょうか。

たとえば、お客様との商談で、あなたの会社のサービスを提案するという場合。あなたの会社のサービスを提案することが目的でしょうか。もしもそうだとするならば、提案できたら目的達成です。

「おめでとうございます。よかったですね」

そんなわけありませんね。提案しただけでお金がいただけるはずがありません。提案を採用していただかないと売上になりません。

では提案が採用されたら、それでよいのでしょうか。次の工程が待っています。仕様を定めてサービスの導入をしなくてはいけません。

では、それで目的達成でしょうか。サービスの導入の上位目的には、売上と代金の回収もあるでしょう。また、お客様の業務効率の改善という場合もあります。

それで目的達成でしょうか。狭義の目的は達成したといえるかもしれません。しかし、その上位の目的も見出せるはずです。お客様の業績向上や、さらにその先の、お客様の満足度向上……。そのような活動をするあなたの会社の企業理念の実現というのが、さしあたっての最上位目的といえるかもしれません。