「言いにくいこと」を伝えても好かれる「気分」をつくる

会話の目的は、「感情」「思考」「行動」「関係」に変化をもたらすこと、とお話してきました。それらの変化は、総合されて「気分」の変化として感じ取ることができます。

最終的には、どんな気分の変化をもたらしたいのか、が会話の目的だともいえるわけです。

逆に、「気分」も、「感情」「思考」「行動」「関係」に影響を与えます。

気分が下がりっぱなしだったり、不安定でムラがあったりすると、その他の4つの要素が下がったり不安定になったりしますが、逆に気分をうまくコントロールできれば、他の4つの要素にもよい変化を起こすことができるのです。

つまり、気分を変えることで、会話の質を変えることができます。

会話の目的が気分の変化であるならば、言いにくいことが言えずに終わるような気分を目的としてはいけません。

言いにくいことがハッキリ言えて、なおかつ気まずくならず、嫌われず、むしろ好かれるような気分を目的にすればいいのです。

そのような気分を醸し出すことができれば、あなたの言いたいことや言わなければいけないことを、スムーズに相手に伝えることができます。

藤由達藏(ふぢよし・たつぞう)〔株〕Gonmatus 代表取締役。夢実現応援家
モットーは「人には無限の可能性がある」。経営者から学生まで幅広い層の個人を対象に夢実現応援の対話(コーチング)を提供するとともに、企業に向けた研修や講演も提供。1967年生まれ。1991年、早稲田大学第一文学部卒業後、プラス〔株〕に入社。営業、企画、新規事業設立等に携わる。2009年、全プラス労働組合中央執行委員長に就任。労働組合運動にコーチングを取り入れる。2013年9 月、コーチとして独立。コーチングを核として、各種心理技法や武術、瞑想等の経験を統合し、夢実現応援対話技法を確立。2015年7月、『結局、「すぐやる人」がすべてを手に入れる』(青春出版社)の出版を機に作家活動を開始。著者累計40万部を突破。2016年9 月、〔株〕Gonmatus を設立。夢実現応援事業、出版プロデュース、動画制作等の事業を展開。(『The 21 online』2018年06月01日 公開)

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