プロマネのやり方は誰も教えてくれない
ただ日本の多くの企業では、「プロマネの仕事をどうやればいいか」という方法論を誰も教えてくれないのが現状です。新人研修はもちろん、管理職研修でさえ、プロジェクト・マネジメントをテーマに社員教育を行なっている企業はかなり少ないのではないでしょうか。
「プロジェクト的な仕事」が増えているのに、プロマネのスキルを身につけた人は少ない。
こうした現状が、日本企業に大きなマイナスの影響を与えています。
そもそも「プロジェクト的な仕事」では、誰がプロマネの役割を担うのかもはっきりしないことがほとんどです。
その結果、日本のあらゆる職場で同じような失敗パターンが繰り返されています。
日本の職場で頻発する「デスマーチ」
たいていのプロジェクトは、メンバー同士で明確な役割分担もしないまま、「とりあえず、やれることから始めよう」と各自が思いつくまま何となく作業を開始します。
しばらくはそのまま活動レベルが上がっていきますが、あるところまで来ると、誰かが「このやり方のままでいいのかな」「前のプロジェクトではこんなことはしなかった」などと言い出します。すると他のメンバーも不安に思い始め、「確かにそうだな。進め方を見直そう」と再検討が始まり、いったん活動レベルが停滞します。
その後、メンバー同士で仕事の進め方について合意がなされると、再び作業が開始されます。
ところがさらに先に進むと、今度は会社の上層部やクライアントから「ちょっと待て。自分が考えていた方向性と違うから、やり直してくれ」と想定外の注文が飛び出します。
いわゆる〝鶴の一声〝です。
ここで活動レベルは限りなくゼロに近いところまで落ち込み、仕事は振り出しに戻ります。
こうして一からやり直している間にも、納期はどんどん迫ってきます。
最後は期限に間に合わせるために、深夜残業や徹夜を続けてでも大量の作業を突貫工事でやるしかなくなります。
これが俗にいう「デスマーチ」の状態です。