(本記事は、Nami Barden氏、河合克仁氏の著書『世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業』すばる舎、2018年12月13日刊の中から一部を抜粋・編集しています)
億万長者たちが学んだ苦悩を解消する「4つのステップ」とは
●世界最先端の企業が取り組み始めていること
世界最先端のビジネス現場では、「自分の心を整える時間」や「自分らしい生き方の追求」をしていくための考え方、ロジック(研究論文や効果測定などのデータ)、制度や設備が整えられていました。
たとえばツイッターの共同経営者であるエヴァン・ウィリアムズは、オフィスのど真ん中にメディテーション(瞑想)とヨガができるスペースを設け、週に数回マインドフルネスとメディテーションのワークショップを社員向けに実施しています。
グーグルも社内に瞑想ルームを設置しているのは有名ですが、それだけではなく「サーチ・インサイド・ユアセルフ」という機関を設けて“今、このとき”に意識を向けることを学ぶクラスを社員向けに提供しています(ちなみにグーグルでは役職者ほど瞑想ルームの利用頻度が高いそうです)。
スタンフォード大学にも数億円かけて建設された瞑想施設があり、学内にマインドフルネスを教える教授がいます。
「経済的豊かさを追求するだけでは、人間は満足するようにできてはいない」「よりよい仕事をするためには、心の安定が必要である」と、数々の施策が取り入れられています。
●スポーツの世界ではよくても、ビジネスでは受け入れられづらい「心の習慣」
そのような取り組みがある中、日本のビジネスの現場ではどうでしょうか。
以前、上場企業の経営者を中心に那須塩原で別荘を借り、断食を行う研修プログラムを実施したときのことです。
日々仕事に忙殺され、課題やストレスの絶えない彼らにとって、自分自身と向き合い、自分を見つめ直す時間は「本当に貴重でいい時間だった」「あらためて今の環境に感謝の気持ちが湧いてきた」と言ってもらえたのですが、しかし……
「でも、明日から朝礼で5分間の瞑想をしようと思う、なんて言ったら社内がどよめきそうだよね」
「社長、変な宗教入っちゃったんですか?とか言われちゃうね(笑)」
という声が……。
そう。これがスポーツの世界であれば、試合が始まる前にルーティンとして儀式を行うチームがあったり、自分の世界に没頭するために瞑想をすることはよく見られますが、ビジネスとなると途端に、「心を整える」=「宗教的」「気味が悪い」といったイメージがつきまといます。
まだまだビジネスの現場と心の問題はなかなか噛み合わず、折り合いがついていないのが現状のようです。
●あらゆる苦悩を解消する「4つのステップ」
では、どうすればよいのでしょうか?
それは、現実の世界で使える地に足の着いた方法を学び、実践することです。
瞑想に没頭し、精神世界に浸って無の境地になろうとする必要はありません。かと言って、心の叫び声を無視してひたすら戦い続ける必要もありません。
ここでお伝えするのは、心を整える「4つのステップ」。
この4つのステップとは、「心の授業」で世界の億万長者たちが習ってきた学びを凝縮し、誰でもすぐに実践できるように、シンプルなメソッドに体系化したものです。
どんなに大きな悩みも、言いようのない不安も、ふと湧いてくる怒りも、たった4つのステップを習慣化していくことで、必ず解決することができます。
そのステップとは、
(1)自分が苦悩の状態であると気づき、
(2)深層意識にある心の声にしっかりと耳を傾け、
(3)悩みの本当の正体を特定し、
(4)美しい心の状態で、正しい行動を選択していく
というもの。
たったこれだけで、私たちが抱えている悩みのすべてを解決に導くことができます。
たとえば、人に嫌味を言われたときのイライラといった小さなものから、何十年も悩み続け、さまざまな専門家に頼ったにもかかわらず、考えても考えても解決できなかった心のモヤモヤ、といった根深い問題も解決可能です。性別、年齢、経験や国籍も関係ありません。
心の奥底に眠っている苦悩の本質を解消していくので、どんな問題も片づけられるのです。
この方法を覚えてしまえば、自分で自分をカウンセリングすることができます。心理カウンセラーやコーチングの指導を受ける必要もなければ、将来のアドバイスを得るために占い師やスピリチュアルな専門家に相談する必要もないのです。
●苦悩の状態から、美しい心の状態へ
人は本来、どんな生活をしていたってよいのだと思います。
自分の時間や家族、健康を犠牲にしてまで結果にこだわる必要はありませんし、夢がなくたっていい、結婚をしなくても、子どもがいなくてもいい。収入だって本来は比較すべきものではありません。
しかし、比べずにはいられない。それは、「心の葛藤の正体」がわかっていないから。どうすれば自分の心が満たされるか知らないからなのです。
その状態は「苦悩の状態(Suffering State)」に入っている証あかしであり、将来や過去のことに意識が飛びやすくなり、ネガティブな感情が湧きやすくなります。
苦悩の状態にいる時間が長くなると、目の前に霧がかかったように、自分の望み・やりたいことも見えず、どんな行動を起こしていいかすらわかりません。
そんな状態を、4つのステップは解消することができます。心の奥に目を向けて、心を美しく平和な状態(Beautiful State)に戻せるのです。
当然ながら、人生には望ましいことも望ましくないことも起きます。「いくら努力してもうまくいかない」と、不運が続いてしまうこともあるでしょう。
そんなときでも、心を美しい状態に戻す術すべを持っていると、起きた出来事(仕事がうまくいかない、パートナーとケンカが絶えない、日常で嫌なことをされた……など)によって一喜一憂する必要がなくなります。
起きた出来事によって自己評価を変えることなく、「それでも、私は私のままでいい」という強い自己肯定感を持ち続けることができます。
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