2018年は台風や地震など、災害が多い年だった。自然を相手に災害をコントロールすることは難しく、日ごろからの準備が重要だ。特に愛媛では南海トラフ地震がいつ起こるか分からない。地震に対する意識を持つことで被害をできるだけ小さくすることを考えよう。
いつ起きるか分からない「南海トラフ地震」
南海トラフ地震が2015年から30年以内に起きる可能性が70%程度あると聞いたことのある人も多いのではないだろうか。過去を振り返ると、南海の地震は100~150年ほどのサイクルで発生している。慶長9年に起きた慶長地震から宝永4年に起きた宝永地震までは102年、宝永地震から安政元年に起きた安政南海地震までは147年、安政南海地震から昭和21年に起きた昭和南海地震までは92年だった。
そういったサイクルを踏まえると、南海トラフ地震がいつ起きてもおかしくない状況だと分かる。では、大地震で想定されることとはどのようなことだろうか。震度6~7程度の揺れが起きると、その場で立っていられないだけでなく建物やブロック塀の崩壊、がけ崩れや津波、長期浸水、火災、そして液状化など大規模な被害が想定される。
四国は地理上、海に囲まれているため、本州などに救助や救援物資を求めても到着まで時間がかかり、被害が広がる可能性も捨てきれない。そういった事情もあり、日ごろから地震に備えておくことが重要だと分かるのではないだろうか。
愛媛で進む南海トラフ地震対策
いつ起きるか分からない巨大地震「南海トラフ地震」だが、どのような備えをするのがよいのだろうか。愛媛では県をあげて対策が進められている。阪神・淡路大震災では、死者の9割以上が家具や家財の倒壊が原因で、特に1981年4月以前の旧耐震基準の建物に被害が多かった。そのため、3,000円からできる耐震診断や耐震改修による補強工事で定額90万円を補助してくれる制度を用意している。
さらに、毎年12月に実施されているシェイクアウトえひめ(県民総ぐるみ地震防災訓練)では、南海トラフ地震を想定した防災訓練が行われており、2018年の最終参加登録社数は32万6,594人にものぼる。これは、愛媛の人口約135万人(2018年12月1日現在)の約24%に相当する。
自宅でもできる地震対策
地震被害を最小限にするためには一人ひとりの意識が必要になる。自宅でもできる地震対策をいくつか考えてみよう。
●複数の情報入手手段を持つ
まず、災害時の情報の入手方法を確認しておくことだ。テレビ、ラジオ、携帯電話、自治体のホームページ、SNSなどさまざまな情報入手手段がある。震災時には、SNSを通して被災地の様子の伝達や安否確認も行われている。また、家族とは携帯電話の番号に加えてSNSのアカウントも共有し、スムーズなやり取りができるようにしておきたい。
●避難場所の確認と非常食の準備を
さらに、避難場所の確認と非常食などの準備をしておくことが重要だ。飲み物や食料品、日用品は1週間分を準備し、3日分は持ち出し用としてリュックにまとめておくとよいだろう。また、次のようなものもチェックが必要だ。
・本人確認書類(免許証や保険証、パスポート、障害手帳など) ・緊急連絡カード ・衣類 ・携帯電話の充電器 ・携帯用トイレ ・常備薬 ・子どもの紙おむつ ・生理用品 ・メガネ ・入れ歯 ・ライターやマッチ ・カイロ ・防災頭巾
●現金と電子マネーの両方の準備を
停電によってお店で電子マネーが使えなかったり、携帯電話の充電が切れたりしたことが原因でモバイル決済が利用できないおそれもあるだろう。さらに、公衆電話を使おうとすれば硬貨が必要だ。電子マネーと現金(硬貨、紙幣)を所持するのを忘れないようにしたい。
●家の中の家具に補強を
家具の配置を見直すことは重要だ。転倒したら外に出られないような家具を玄関やドア付近に置かないようにしたほうがよいだろう。加えて、寝室の家具の配置にも気をつけることだ。寝室のタンスが倒れてきたときにタンスの下敷きにならないか確認すべきだろう。さらに、窓ガラスの付近に家具を置かないように注意したい。
家具が倒れて窓ガラスが割れると、ケガのもとだ。固定していない家具があれば、補強したり、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼ったり、落下防止カバーをつけるなど、すぐにできることはたくさんある。一時が万事と考えて、すぐに対応を進めておこう。
住む家や家財道具の備え「地震保険」
自然災害は人間の力ではコントロールできない。さまざまな備えをしても被害をこうむることもある。特に地震が起因する火災では火災保険の保障の範囲外になる。住宅ローンの返済中にそれらの被害に遭えば、経済的にも大きな打撃を受けるだろう。火災保険と地震保険はセットだと考え、加入を前向きに検討したい。
さらに、地震保険に加入していても保障範囲の整理が出来ていないために、保障範囲が不足していると気づかないケースもある。特に、住宅ローンの借り入れ中の人や建築後長い年月が経つ家に住む人は早々に保障内容を確認することが重要だ。
なお、銀行では、住宅ローン加入者向けに火災や地震に備える住宅ローン長期火災保険などが用意されている。地震保険に未加入の人や、加入中でも保障内容が分からない、保障が十分であるか不安があるという人は、この機会に相談してみてはいかがだろうか。地震などの自然災害は想像したくないことではあるが、万一のことを考えて万全な備えにしておきたい。(提供:iyomemo)
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