商業・物流施設・ホテル市場とも好調、ヘルスケアリートの新規上場も

最後に商業・物流施設・ホテル市場について見てみたいと思います。商業施設ではリーマンショック以降、大規模小売店の新規出店は大きく落ち込みましたが、2009年に底打ちしてからは、右肩上がりで回復傾向にあります。イオンモールや三井不動産といった大手商業デベロッパーは2014年度以降も各地で大型案件を開発する計画を表明していますが、一方で、競争力の低い商業施設は撤退・衰退していくことが予想されます。

物流不動産市場はインターネットなどを介して行う電子商取引(EC)の隆盛により、全産業で物流量が増加し、2018年度にはEC市場は20兆円に達すると見られています。三環状道(圏央道、外環道、中央環状線)の開通を見越した外資系の物流デベロッパーや日系総合デベロッパーの沿線開発も盛んで、J-REITによる物流施設の取得も積極的に行われています。リーマンショック以降、悪化をたどっていた空室率も改善され、賃料の上昇が期待できる状態まで回復しました。

物流不動産市場自体は好調ですが、配送会社が輸送費の値上げ要求を企業側に行うなど不安要素はあります。企業側が値上げ分を送料や商品代金に転嫁した場合、消費者はECを選択するメリットがなくなるでしょうから、物流ニーズの鈍化を招くことになるでしょう。そうなった場合、物流不動産市場にも影響が出てくると考えられます。

ホテル市場は2009年上期以降、ホテルの新・増設計画件数は減少傾向にありましたが、2012年下期から回復し、その後は順調に増加しています。近年は東京や大阪、京都、沖縄などで大型売買が行われました。観光ビザの発給要件緩和による外国人旅行者の増加もあり、今後も国内の宿泊需要は堅調に推移すると思われます。

また、これらの市場のほかにも、J-REITでは2014年度中に介護住宅や有料老人ホームなどに投資する「ヘルスケアリート」の上場が予定されており、取引規模はますます大きくなると見られます。

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