人気上昇の渋谷区

IT業界を中心にまだまだ人気が高いのは渋谷区です。日本のシリコンバレーともいわれる渋谷には、サイバーエージェントやGMOインターネットが立地しています。

2012年4月にオープンした東急電鉄が手掛ける渋谷ヒカリエはIT系企業の人気を集めました。地上34階、地下4階で、17~34階のオフィスフロアの多くをIT関係の企業が占めています。携帯電話のauを運営するKDDIが32~34階の3フロアに入居、31階にはモバイル業界で広告事業を展開する子会社でのmedibaが入っています。ゲームを中心としたSNS「Mobage」で知られるDeNAは、21階~26階の6フロアを占めています。LINEは19階と27~29階の4フロア、メディア事業を手掛けるレバレジーズが17階に入居しています。

かつて兜町に多かった証券会社も、IT業界との結びつきが強いインターネット証券を中心に、渋谷や六本木に本社を構える傾向があります。


堅実な人気の大手町

変わらぬ堅実な人気を誇るのは、大手町です。みずほ銀行大手町本部ビルと大手町フィナンシャルセンター跡地に、2014年4月に東京建物と大成建設が手掛ける大手町タワーが完成しました。地上38階建てで、地下1~2階はオーテモリと名付けられた商業ゾーンです。みずほフィナンシャルグループ本社とみずほ銀行本店が入居、みずほフィナンシャルグループ本社は、2008年に建て替えにより移転していたものが、戻ってきた形となっています。6月には、AIGビルの建て替えとして、日本生命丸の内ガーデンタワーが完成しました。

大手町は、三菱地所などが手掛ける「大手町1ー1計画」や三井物産跡地の「大手町一丁目二番街区」など、大型の再開発が目白おしとなっています。


集約を図るため、成長企業は本社を移転する傾向に

成長企業を中心に、本社機能の集約を図るのがトレンドとなっています。社内のコミュニケーションを活性化し、業務の効率化を図るとともに、集約を図ることによって、事業所ごとにあった会議室のスペースが減り、賃料削効果が期待できます。立地によっては、従業員のモチベーションや採用活動での企業ブランドの向上にも寄与します。

前述の楽天や2013年5月に中央区から中野区に移転したキリンホールディングスのように、都内に分散していたグループ企業を集約するため、都心から離れた最新ビルへ移るケースも見られます。

人気エリアとされる地はあるものの、エリアよりも、耐震性能に優れた最新のオフィスビルへ、本社機能を集約しての移転が最近のトレンドです。東京オリンピックを2020年に控えた東京では、今後も大型の再開発の計画が続いており、成長産業であるIT業界を中止に、大手企業の本社移転は続いていくものと見込まれます。

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