同時に複数戸(棟)を運用し、満室になると家賃収入もその分大きくなることが、アパート・マンション経営が持つ魅力の一つです。ただし、空室が発生すると家賃収入も減ってしまいます。これが空室リスクであり、不動産投資の大敵です。

空室リスクを軽減するために必要なのは、その物件に住みたいと思ってくれる人を増やす経営努力です。しかし、「経営努力と言っても何をすればいいのか分からない」「魅力ある物件にしたいが何から手をつけていいか分からない」という人もいるでしょう。

ここでは、入居希望者がアパート・マンションを選ぶ際にどこを見ているのかという視点で、物件の魅力を増して空室リスク軽減するノウハウを解説します。

空室の解消方法は、入居者に聞くべし

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(画像=fizkes/Shutterstock.com)

住む物件を選ぶのは、言うまでもなく入居者本人です。魅力ある物件を最もよく知っているのは入居者なので、空室の解消方法を知るためには入居者の声に耳を傾けるべきでしょう。

空室対策を効果的に行うためには、入居者目線のマーケティングが必要です。では、入居者は物件を選ぶ際、どこを見ているのでしょうか。その3大ポイントから、魅力的な物件づくりのヒントを探ってみましょう。

入居希望者はここを見ている① 設備

入居者にとって、アパート・マンションは生活の場です。そのため多くの入居希望者は、日々の生活を快適にするためにも、物件選びで重要なのは住宅設備であると考えています。賃貸住宅に関する多くのアンケート調査結果で頻出する人気設備の上位ランキングを見ると、おおむね似通った「常連」たちが並びます。

不動の1位は、無料インターネットです。自分でネット環境を用意しなくてもあらかじめ無料で用意されていることは、ネット回線に要する費用の実質的な値引きと見なすことができるため、多くの入居者が評価するポイントです。

次いで上位によくランクインしているのが、エントランス部分のオートロックと宅配ボックスです。防犯意識の高まりによるセキュリティ機能と、ネット通販の普及などによる荷物受け取りの利便性はニーズが高く、多くの入居希望者がこれらの設備の有無を物件選びの判断材料にしています。

入居希望者はここを見ている② 共用スペース

アパート・マンションには、エントランス部分や廊下などの共用スペースがあります。これらは物件の顔とも呼べる部分で、入居希望者の多くが入念にチェックしています。共用スペースが汚れたまま放置されていたり、各戸の住人が廊下に無造作に物を置いていたりしていると、その物件は適切に管理されていないと見なされる可能性が高いでしょう。

つまり、入居希望者はアパート・マンションの共用スペースを見ることで、その物件の管理状態を知ろうとしているわけです。

入居希望者はここを見ている③ ゴミ置き場

共用設備として、多くのアパート・マンションに設置されているのがゴミ置き場です。ゴミ出しのマナーやゴミ置き場の状態には、その集合住宅の民度が最も反映されると言っていいでしょう。

ゴミ置き場が荒れ放題だと、その物件を見た人の気分を害すだけでなく、「マナーの悪い住人が多い」と思われてしまうかもしれません。また、ご近所トラブルなどを懸念されてしまう恐れがありますし、既存の入居者の退去を招く可能性もあります。

入居希望者の目線で理想的なアパート環境づくりを

理想的なアパート・マンションづくりのために、入居希望者がアパートのどこに注目をしているかを知ることは大いに意義があります。上記の3大ポイントから分かることは、安全かつ快適な生活への期待です。こうした期待にしっかり応え、安定した満室経営を目指しましょう。(提供:YANUSY

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