保有物件のうちオフィス部分の稼働率だけなぜか上がらず、悩んでいるオーナーがいます。オフィス部分の稼働率を上げるには、オフィス特有の視点で施策を打つことはもちろん、マーケット調査によりニーズを見直すのも一つの選択肢です。

オフィス部分の稼働率向上は難しい

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(写真=ImageFlow/Shutterstock.com)

自分でも家探しをした経験がある場合は、入居者がどのような視点で物件を選んでいるかを想像することができます。駅近、バス・トイレ別、独立洗面台、屋内洗濯機といった項目を見ても、なじみがあるでしょう。間取りを見て「単身者向きか」「ファミリー向きか」など判断することもでき、それに応じてリノベーションを施したり、エントランスを改修したりして、入居者確保の工夫をすることもできます。

しかし、オフィスとなるとそうはいきません。実際に事業を営んでいる人であれば別ですが、サラリーマンをするかたわら不動産投資をしている場合、「どのような物件が求められているのか」がイメージしにくいのは当然のことです。そのため、保有物件のオフィス部分の稼働率がなかなか上がらず悩んでいるオーナーは数多くいます。

オフィス部分の稼働率を向上させる施策

オフィス部分の稼働率を上げるための大切な視点として、まず部屋の面積があります。地域によって、借り手の企業の規模はさまざまです。周辺物件と比較して部屋が広すぎる場合は、室内を分割することを検討するのも一つです。また、オフィスには顧客を招くときもあるでしょう。そんなときに外壁が汚れていたりエントランスが暗い印象であったりすると、企業のイメージを悪化させる可能性も否めません。

そのため、清潔で明るい印象になるよう修繕を施すこともオフィス部分の稼働率を上げることにつながります。その他、「新耐震基準を満たしているのか」「配線を床下に収納できるOAフロアかどうか」といった点も借り手が重視するポイントです。地域の業種・業態によっては、セキュリティを向上させることが稼働率向上につながる場合もあります。

すぐにできる工夫として、廊下やエレベーターなど共用部分の掃除を徹底することや、ゴミ集積場の見栄えをよくすることなどが挙げられます。大規模な改修をしなくとも、少しの工夫で物件の印象が全く変わることもあります。

土地のマーケット調査でニーズを読み解く

保有物件のオフィス部分の稼働率が悪い場合、「そもそもオフィスとして借りるニーズがある地域なのかどうか」を再考することも大切です。入居率も賃料も地域のニーズと合致して初めて高い水準を維持することができます。最近では、ビルの入れ替わりも激しく、周辺環境は絶えず変化しています。そんな変化に対応し、トレンドを把握したうえで物件の稼働率向上を検討することが必要です。

例えば、「ベッドタウンに近い」「交通の便がいい」「周辺が閑静な住宅地」という場合などは、居住用に見直すことで稼働率が向上し、賃料も上昇することがあります。実際にオフィス部分を居住用にコンバージョンすることで、一気に稼働率が上がった事例も少なくありません。ニーズに合った活用法をするといっても、判断を誤っていないか不安な場合は専門知識のある不動産会社に相談するのも一つです。

専門家のアドバイスをもらうことで、確信をもって入居者募集に取り組むことができます。オフィスから居住用へのコンバージョンには確かに一定のコストが発生します。しかし、居住用にすることで入居者がつき家賃収入が入れば、改修にかかる費用は数年で回収することが可能です。また、コンバージョンやリノベーションによって物件が生まれ変わり、入居率が上がれば物件の資産価値が向上します。

そうすることで、手放す場合にも高い金額を提示できる可能性が上がるでしょう。現状オフィス部分の稼働率が悪い場合、何も行動を起こさなければなかなか借り手は見つかりません。時にはリスクのある決断をすることも、不動産投資においては大切な視点です。(提供:YANUSY

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