手数料が安く人気のネット証券だが、現物株式で1,000万円の高額取引をする場合、どのネット証券の取引手数料が安いのか?1回10万円程度の少額の取引手数料と比較して、どのネット証券会社がお得なのかを紹介しよう。

少額取引では横並びだが、高額取引では手数料に違いが

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(画像=Denis Shpacov/Shutterstock.com)

ネット証券最大手のSBI証券や楽天証券、松井証券、岡三オンライン証券は、1日定額手数料コースの約定代金の合計額が10万円までの取引手数料を0円に設定している(2019年5月31日現在)。

現物株式の取引手数料は基本的に累進制になっているため、高額な取引手数料も少額取引と同じネット証券の手数料が安いと考えがちだ。

ところが実際には高額取引の手数料には違いがある。ネット証券の現物株式手数料のうち、約定代金が100万円を超える取引では、ネット証券ごとに設定されている手数料の増加幅に開きがあるのだ。

将来的に高額取引を行う可能性があれば手数料も必ずチェックしておいたほうがよいだろう。

ネット証券の約定代金1,000万円の手数料を比較

ネット証券の手数料体系には、1注文ごとに手数料がかかるコースと、1日の約定代金合計額に対して定額手数料がかかるコースが用意されていることが多い。

たとえば約定代金1,000万円であっても、どちらのコースを選択したかによっても手数料が異なってくる。そこで約定代金1,000万円の取引手数料をコース別に、代表的なネット証券9社を取り上げて比較してみた。

約定代金1,000万円に対する取引手数料の比較(2019年5月31日現在)

ネット証券会社名 1注文あたりの手数料(税抜) 1日定額手数料(税抜)
SBI証券 921円 4,362円
楽天証券 921円 10,000円
松井証券 設定なし 10,000円
マネックス証券 成行10,000円/指値15,000円 10,000円
カブドットコム証券 3690円 設定なし
GMOクリック証券 900円(税込) 3,690円(税込)
DMM.com証券 800円 設定なし
岡三オンライン証券 3,000円 5,300円
ライブスター証券 800円 4,200円

1注文あたりと定額制のどちらかを選ぶかによって違ってくる

1日定額制では、約定代金合計額が1,000万円の場合の手数料は、GMOクリック証券が3,690円(税込)で、ライブスター証券が4,200円(税抜)、SBI証券が4,362円(税抜)、岡三オンライン証券が5,300円(税抜)。

1日に何度も取引を行い、約定代金合計額が1,000万円程度になるデイトレーダーであれば、1日定額制の手数料が安いネット証券を利用して取引すればコストを抑えられる。

ただし、いくら高額取引の定額制手数料が安いネット証券であっても、安さの恩恵を受けられるのは、1日に頻繁に取引を行うデイトレードの場合に限られることに注意してほしい。

たとえばGMOクリック証券の場合、1日の約定代金合計額1,000万円の定額手数料は3,690円であり、約定代金500万円の1注文あたりの手数料は900円。

つまり1日に2回500万円ずつ取引して各回で手数料を支払うと計1,800円になり、定額制手数料を大幅に下回る。しかし約定代金200万円の1注文あたりの手数料も900円なので、1日5回200万円ずつ取引すれば手数料は計4,500円になり定額制手数料を上回ってしまう。

少額取引と高額取引の両方するのなら複数のネット証券を使い分ける

1,000万円との高額取引になると、手数料の安いネット証券を使う効果は少額取引以上に大きいため、投資金額や自分のトレードスタイルを考えてネット証券を選ぶのがいいだろう。

もし1注文あたりの手数料と1日定額制の手数料の最安値が、それぞれ違うネット証券会社だった場合には、投資金額やトレードスタイルにあったネット証券にそれぞれ口座を持って取引するという考え方もある。

とくに高額取引をする人や、デイトレーダーでは手数料は意外と大きなコストになるので、ネット証券各社を比較して検討したい。

文・近藤真理(フリーライター)/MONEY TIMES

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