女性富裕層の世界富裕層の中でもとりわけ出会いにくい「女性の富裕層」。その実態に迫るべく、本特集ではさまざまな観点から女性富裕層を追ってきた。
「Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)」副編集長で、数多くの女性富裕層とも交流のある谷本有香さんによると、女性富裕層にも「相続タイプ」「出世タイプ」「稼ぐ(セルフメイド)タイプ」の3種類がおり、それぞれに考え方が異なるという。今回は特に自らの力でビジネスをつくり出し、稼ぐ力を身に付けた「セルフメイドウーマン」たちがいかにして稼げるようになったのかという大きな理由の一つであろう、「仕事への向き合い方」について聞いた。(取材・藤堂真衣/写真・森口新太郎)
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・「真の女性富裕層」がブランド品を身に着けない理由
セルフメイドウーマンは、「哲学」に沿って行動する
──セルフメイドウーマンのお仕事への向き合い方は、どのようなタイプが多い印象ですか?
やはりご自身の力でビジネスをつくってきたということもあって、非常にリスクテイカーが多い印象です。相続によって富裕層になった女性は生まれつき富裕層ですから、自分がこれまでに送ってきた生活を維持することが一番なんです。そのためあまりリスクをとらず守りに入る傾向が強いのですが、セルフメイドタイプはその逆。リスクをとらないと成功は得られませんし、お金を手にすることもできないので、正反対と言っていいかもしれません。
──仕事以外の場面でも冒険好きな方が多いのでしょうか?
どうでしょうか……。というのも、彼女たちは自分の人格を社会との接点で形成していますから、社会的人格がすべて。プライベートな事柄について考えるときにも、人生全体を俯瞰しながら「必要な投資か」「今やるべきか」「そのコストは回収できるか」を考えているように思います。
結果としてリスクテイクしているように見えるかもしれませんが、彼女たちはあくまでも自分の「哲学」に沿って判断をしているだけ。自分がどうなりたいのか、どうありたいのかをしっかりと考え抜いて、理解している方が多いと思います。
「私はこういう人、だからこういう考え方をしよう」って。その姿勢がまさに「セルフメイド」ですよね。
「ガツガツ」から「自然体」へと進化する
──セルフメイドウーマンは、仕事に対してもハングリーなイメージがありますが、実際はどうですか?