投資初心者は、家計をやりくりしながら資産運用を始めるのは難しく感じるかもしれない。初心者はまず目安として、「30万円程度」の資金を設定するのがよいだろう。しかし、実際に投資資金をどう捻出して、何に投資するのが良いのだろうか。

家計を“見える化”して余剰資金を作る

30万円から,資産運用
(写真=baranq/Shutterstock.com)

厚生労働省の「平成29年 国民生活基礎調査の概況」によると、日本の世帯収入の中央値は「442万円」だ。ここから税金や社会保険などによる減額を20%として補正すると、1ヵ月の手取り世帯収入は、おおむね30万円弱となる。

まずはこうした手取り収入の中から「生活費として確保しておく資金」、「教育費や住宅購入資金など将来への貯金」、「自由に使える余裕資金」の3つに分けて家計をやりくりするのがよいだろう。

家計の中から、より短期に多くの余裕資金(投資資金)を捻出するために、やはり欠かせないのは「家計簿」だろう。毎週や毎月の収支を把握し、家計を「見える化」させることで、毎月の生活費や余裕資金がどの程度なのかを確認できる。家計簿への記録を継続することで、どの費目を削ることができるかなど、新たな工夫も生まれてくる。まずは日々の着実な努力で、投資資金を確保しよう。

30万円で始められる初心者向け資産運用商品とは

始めから初心者が多くの資金を投資に投入するのはリスクが大きい。まずは30万円程度の余裕資金で運用する金融商品として、元本が保証された商品と、多少のリスクはあるものの、少額から始められる商品をひとつずつ紹介しよう。

1.個人向け国債

まず、元本保証型商品として「個人向け国債」が挙げられる。国が発行する、個人でも購入可能な国債のことだ。個人向け国債は元本割れがなく、1万円から購入できるため、投資初心者でも安心して運用ができるだろう。金利に関しては、年率0.05%の最低保証も付帯している。なお、個人向け国債は元本保証型商品だから、投資タイミングは気にせずに、一度に30万円分購入して、少しでも多くの金利を得るのが理想的ということになる。

2.投資信託

リスク性のある金融商品の入門としては「投資信託」が挙げられる。投資信託は、たくさんの投資家から集めたお金を、運用のプロフェッショナルであるファンドマネージャーが国内外の株式や債券などから投資対象を選び、運用する金融商品である。運用がうまくいけば、投資家は投資金額に応じた運用益を受け取れたり、価格が上がっていれば売却益を得られたりする。一方で、投資信託は元本が保証されていない金融商品のため、運用に失敗すれば元本が減ってしまう可能性もある。

投資信託の最大のメリットは、運用のプロフェッショナルに投資を任せられる点だろう。投資初心者にとって、刻々と変化する経済情勢や投資環境を踏まえ、適切な投資対象を選ぶのは簡単ではないが、投資信託では、ファンドマネージャーと呼ばれるプロの豊富な経験と知見を借りることができるのだ。

さらに、投資信託は分散投資が行われており、「投資対象」や「投資地域」が分散させられている。国内外の株式や債券といった値動きの異なる投資対象がファンドに組み込まれている場合は、リスクを抑えた運用が期待できる。そして日本のみならず、高成長を続ける新興国や安定成長を確保する欧米諸国の株式や債券に投資することで、他国の経済成長の恩恵を享受できたり、低迷した投資対象をカバーできたりする。このように、運用タイプによっては、リスクを抑えながらリターンを狙う運用が実施されている。

時間を味方につける「時間分散投資」

投資信託は元本が保証されているわけではないので、一度に30万円の資金をつぎ込むのではなく、「時間分散」しながら投資する方法がいいだろう。

時間分散とは、少額かつ定額の投資(毎月5,000円など)を継続的に行うことで、投資タイミングから生じる価格変動リスクを抑えるものである。価格が高いときは購入できる量が少なくなり、価格が低いときには購入できる量が増えるので、結果的に1回あたりの投資価格を平準化できるのだ。この手法は「ドル・コスト平均法」という名称で紹介されていることもある。リスクを抑える上で、投資初心者は参考にすべき投資手法だろう。

投資で大切なことは、リスクを抑えながら、確実にリターンを得ることだ。少額で時間を分散しながら投資すると、安定的な資産形成が期待できる。そして、時間を分散するためには、なるべく若いうちからスタートすると有利になる。将来に対する備えは、できる限り早く始めるべきだろう。

>>【無料eBook】一般人のままで終わるか、富裕層になるか。人生を分ける7つの判断基準