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【目次】
①ギフティIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【9/11更新】 ※一部有料会員限定
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【9/10更新】 ※有料会員限定

会社名
株式会社ギフティ
コード
4449
市場
マザーズ
業種
情報・通信業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役 太田 睦 /1984年生
本店所在地
東京都品川区東五反田5-10-25
設立年
2010年
従業員数
85人 (2019/07/31現在)(平均32.7歳、年収527.5万円)、連結87人
事業内容
個人、法人、自治体を対象とした各種eギフトサービスの企画・開発・運営など
URL
https://giftee.co.jp/
株主数
19人 (目論見書より)
資本金
511,835,000円 (2019/08/16現在)
上場時発行済み株数
24,831,000株(別に潜在株式3,337,000株)
公開株数
5,049,300株(公募800,000株、売り出し3,590,700株、オーバーアロットメント658,600株)
調達資金使途
人件費・採用教育費、広告費・販促費、サーバー費用、外注費、事業規模の拡大資金
連結会社
1社
スケジュール
仮条件決定:2019/08/30→1,300~1,500円に決定
ブックビルディング期間:2019/09/03 - 09/09
公開価格決定:2019/09/10→1,500円に決定
申込期間:2019/09/11 - 09/17
払込期日:2019/09/19
上場日:2019/09/20→初値1,880円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:野村證券
引受証券:みずほ証券
引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:大和証券
引受証券:岩井コスモ証券
引受証券:マネックス証券 (マネックス証券の詳細記事はこちら)
引受証券:松井証券 (松井証券の詳細記事はこちら)
引受証券:水戸証券
引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
大株主
太田睦 5,417,000株 19.79%
KDDI新規事業育成2号投資事業有限責任組合 3,716,000株 13.58%
ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合 3,617,000株 13.22%
鈴木達哉 1,983,000株 7.25%
梅田裕真 1,750,000株 6.39%
柳瀬文孝 1,655,000株 6.05%
(株)インスパイア 1,000,000株 3.65%
KDDI新規事業育成投資事業有限責任組合 1,000,000株 3.65%
(株)ジェーシービー 950,000株 3.47%
(株)SMBC信託銀行信託口12100440 950,000株 3.47%
業績動向(単位:百万円)売上高 営業利益 経常利益 純利益
2017/12 単独実績 556 25 33 20
2018/12 連結実績 1,121 285 283 198
2019/06 連結中間実績 874 307 308 209
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2019年12月18日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
75億7395万0000円(5,049,300株×1,500円)
潜在株数(ストックオプション)
3,337,000株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
ギフティ<4449>は個人及び法人などを対象に、eギフトの生成・流通・販売を一気通貫で行う、eギフトのプラットフォーマー企業である。

IPOレポート
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内容について
eギフトは飲食・小売店等で商品やサービスと交換できる電子チケットである。またeギフトはこれまでの紙製のギフトカードに代わり、メールやSNSの文章に添えるだけで送ることができる、Web版のギフトカードともいうべき存在となっている。

同社はeギフトについて下記4種類のサービスを提供している。

① 個人ユーザーがWebでeギフトを購入できる「giftee」サービス
② 法人がキャンペーン等での利用を目的にeギフトを購入する「giftee for Buisiness」
③ eギフト発行企業がeギフトの生成・流通・販売・決済・実績管理を行うことができる「eGift System」のSaaS形式での提供
④ 地域通貨の電子化ソリューションを提供する地域通貨サービス「Welcome STAMP」

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●gifteeサービスについて
gifteeサービスはgifteeのアプリまたはWebブラウザ上で、eギフトを選択して、メールやSNSで受取側に送付するサービスである。現状、コーヒーなど主に数百円の価格帯の製品での利用が中心である。

gifteeは2011年3月のサービスを開始以降、着実に会員数を伸ばしており、2019年6月時点で会員数は125万人に達した。

eギフトの発行企業から発売手数料を受領するビジネスモデルとなっている。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●giftee for Businessサービスについて
giftee for Businessサービスは、法人がキャンペーン等で自社のユーザーにギフトを付与する際に利用されるサービスである。従来型の紙のギフトカード等とは異なり、在庫管理・包装・物理的な持ち運び等に便利であり、大幅なコスト削減につながる。

サービスは2016年4月に開始しており、これまでのサービス利用企業数は371社、eギフトの流通量は14億円である。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●eGift Systemサービス
eGift SystemサービスはSaaS形式で、飲食店・小売店等の法人に対し、eギフトの生産・流通・販売・決済・実績管理が可能なシステムを提供するもの。2014年1月にサービスを開始しており、2019年6月期末時点での利用企業数は70社、利用継続率は98.6%となっている。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

●地域地域通貨サービス「Welcome STAMP」
同社は電子スタンプを活用した、地域通貨ソリューションも提供中。2016年10月には長崎県の五島列島で発行の「しまとく通貨」の電子化、2019年9月には東京都の11の離島で使用できる「しまぽ通貨」の電子化を手掛けている。


■サービス別の売上高
2018年12月期 売上高11億円
・gifteeサービス 1.5億円
・giftee for Businessサービス 4.9億円
・eGift System サービス 3.8億円
・地域通貨サービス他 1.0億円

サービス別では法人向けのgiftee for Businessサービス中心の売上構成である。

また主要売上先はローソン1.6億円(割合14%)、KDDI1.3億円(同12%)、スターバックスコーヒージャパン1.2億円(同11%)となっている。

2019年12月期(予想) 売上高18億円
・gifteeサービス 1.8億円
・giftee for Businessサービス 10億円
・eGift System サービス 4.8億円
・地域通貨サービス他 1.0億円

2019年12月期もgiftee for Businessサービスを中心とする売上構成の予想であるが、同部門が対前年同期比で約2倍に伸びる予想である。


■業績推移
2016年12月期 売上高1.7億円、経常利益▲5百万円、当期純利益0.8百万円
2017年12月期 売上高5.6億円、経常利益0.3億円、当期純利益0.2億円
2018年12月期 売上高11億円、経常利益2.8億円、当期純利益2.0億円
2019年12月期(予想) 売上高18億円、経常利益5.3億円、当期純利益3.6億円
※2016年12月期は5ヶ月決算
※2018年12月期より連結決算

2017年12月期にわずかながらも黒字化しており、2018年12月期も増収増益を果たした。2019年12月期は経常利益5億円の突破を予想。

2019年12月期Q2(累計)は売上高8.7億円、経常利益3.1億円となっており、通期予想達成に向けての進捗は順調である。


■財務状況
2018年12月期末時点で資産合計18億円に対して、純資産合計11億円となっており、自己資本比率62%である。借入金0.1億円に対して、現預金12億円を有しており、財務上に特段の懸念事項はない。


■資金使途
IPOにより17億円の資金調達を行い、資金使途は下記を予定している。

・人件費及び採用教育費 5.5億円
・広告費及び販売促進費 1.5億円
・サーバー費用 0.8億円
・外注費 0.4億円
・支払資金(運転資金) 3.1億円
・新システムの開発資金(外注費・人件費) 5.1億円

調達資金は主に人件費及び採用教育費、事業規模拡大にともなう運転資金、新システムの開発資金に充当される。


■株主状況
筆頭株主は太田社長であり株主シェアは20%である。

KDDI、ジャフコ、インスパイア、未来創生投資事業有限責任組合(株主名簿ではSMBC信託銀行信託口12100440)、三越伊勢丹(三越伊勢丹イノベーションズ)といった、事業会社系VCを含む多数のVCが出資をしており、VC比率は49.9%である。

また事業会社として資本業務提携先のJCB(未上場:株主シェア3.5%)、丸井グループ(8252:1.8%)に加え、DeNA(2432:同1.8%)も出資を行っている。

尚、KDDI、ジャフコ、インスパイアは上場後90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結。三越伊勢丹、DeNAは上場後90日のロックアップ契約を締結している。またJCB、丸井グループ、未来創生投資事業有限責任組合は規制期間中の第三者割当増資を引き受けており、上場後6ヶ月の売却制限が付されている。


■今後の注目ポイント
eギフトをインフラからサービス提供まで、一気通貫で行う企業のIPO案件である。

ユーザーの拡大を背景に2017年12月期から黒字化しており、今期は経常利益5億円の突破を予想するなど、急成長を遂げている。

ギフトサービスは個人向けサービスのイメージもあるが、同社のeギフトは法人用途(販売促進等)での利用が拡大しており、同社売上の半数以上が法人向けである。

既に黒字化を果たしている中で、IPO及びIPOでの資金調達を契機に成長を加速することができるのか、という点が今後のポイントになると考えられる。またロックアップ契約の締結はあるがVC比率が約半数であり、IPO後のVC保有株の売却動向にも注意が必要である。