リクルートで教わった「登場人物のチャート図」

その中で、登場人物については「担当者(窓口)、決裁者、検討者、使用者、購買者、影響者、キーパーソン、支援者、妨害者」のいずれかに分類すると、整理しやすい。

場合によっては同じ部門の担当者、課長、部長で判断基準が異なるケースもあるので、その際は誰がキーパーソンなのかで判断したい。

自分の意思を通したい部長もいるし、課長や担当者といった現場の意見を尊重したい部長もいるので、部長がキーパーソンと決めつける前に、部長がどういうタイプなのか、情報を入手したい。

ちなみに私はリクルートでの新人時代、大型案件の時は「登場人物のチャート図」を描かされていたが、これは非常に役立った。

チャート図,発注先
(画像=THE21オンラインより)

少々特殊な「入札」と「鶴の一声」パターン

多少例外的なのは「入札」で、その判断基準は「価格」一本の場合が多いが、場合によっては技術点、実績点などを加えた総合評価のケースもある。

しかし、その場合でも価格メインには変わりはないので、競合各社の出方を窺いながら、多方面からの情報を集めつつ、競争力のある価格で勝負することになる。

更に「オーナー社長の鶴の一声」の場合は、社長の判断基準が主にb)目的c)環境d)価値から直感的に選択されることが多いので、あらかじめ社長の人となりについて情報を収集して、自身や自社がどれだけ社長に役に立てるのかを端的にアピールするところからスタートしたい。

最後に1つ付け加えておくと、新しい分野の商材については、顧客がその判断基準を持っていない場合もあるので、他社事例などを複数用いて情報提供から始めたい。

(出典:営業サプリ https://www.eigyousapuri.jp/

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大塚 寿(おおつか・ひさし)
エマメイコーポレーション代表取締役
1962年、群馬県生まれ。1986年、株式会社リクルート(現 株式会社リクルートホールディングス)に入社。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得後、営業研修を展開するエマメイコーポレーションを創業、現在に至る。著書に『リクルート流』(PHP研究所)、『オーラの営業』(Nanaブックス)、『仕事をつくる全技術』(大和書房)、累計28万部のベストセラー『40代を後悔しない50のリスト』シリーズ(ダイヤモンド社)など多数。共著に『法人営業バイブル』(PHP研究所)など。(『THE21オンライン』2019年07月31日 公開)

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