要旨

実質GDP
(画像=PIXTA)
  1. 11/14に内閣府から公表される2019年7-9月期の実質GDPは、前期比0.1%(前期比年率0.2%)と4四半期連続のプラス成長になったと推計される。
  2. 外需寄与度が前期比▲0.2%と2四半期連続で成長率の押し下げ要因となったが、消費増税前の駆け込み需要を主因として民間消費が前期比0.5%と高めの伸びとなったこと、公的固定資本形成が前期比1.6%の大幅増加となったことなどから、国内民間需要、公的需要がともに増加し、外需のマイナスをカバーする形となった。
  3. 名目GDPは前期比0.2%(前期比年率0.7%)と4四半期連続の増加となるだろう。GDPデフレーターは前期比0.1%、前年比0.7%と予測する。
  4. 2019年7-9月期はかろうじてプラス成長を確保したものの、前回の消費増税前の伸び(2014年1-3月期:前期比年率3.9%)を大きく下回った。消費増税前の駆け込み需要が小さかったことに加え、駆け込み需要を除いた景気の基調が弱いことも影響している。
  5. 2019年10-12月期は、前回増税時に比べれば規模は小さいものの、駆け込み需要の反動減が発生すること、税率引き上げに伴う物価上昇によって実質所得が低下することから、民間消費が大きく減少し、明確なマイナス成長になることが予想される。
実質GDP
(画像=ニッセイ基礎研究所)