株式投資の経験がある人には馴染みがある証券コード。上場している企業にはすべて4ケタの番号が割り振られている。証券コードはどのように決定されているのだろうか ?

証券コードの役割は ?

証券コード,成り立ち
(写真=PIXTA)

証券コードとは、上場株式や上場投資信託等を識別するために割り振られた数字4ケタの番号である。例えば大和証券グループ本社であれば「8601」となる。証券コード協議会が決定しており、運営主体は全国の証券取引所および証券保管振替機構で、東京証券取引所に事務局が置かれている。

市場全体で3,600以上 (2019年6月末時点) もある銘柄群の中には似たような社名があり、証券コードと社名を照合することで誤発注を避けるようにするのが主な目的だ。

どういう順番に並んでいるのか

証券コードは、利便性を高めるため、業種ごとに固まって区分されている。

<業種ごとに区分される証券コード>
1,300番台 (水産・農林業)
1,500番台 (鉱業)
1,600番台 (石油ガス開発)
1,700~1,900番台 (建設)
2,000番台 (食品)
3,000番台 (繊維・紙パルプ)
4,000番台 (化学・薬品)
5,000番台 (資源・素材)
6,000番台 (機械・電機)
7,000番台 (自動車・輸送用機器)
8,000番台 (金融・商業)
9,000番台 (運輸・通信・放送・ソフトウェア)

「会社四季報」も証券コードの若い順に並んでいるので、業種の順番を覚えると、調べたい銘柄が複数あっても索引を使わずに手早く見つけられるようになるので便利だ。ただし、近年では銘柄数が増えたため、コード番号が業種区分に沿っていない場合がある。慣れるまでは索引を併用するとよいだろう。

証券コードにもいろいろある

証券コードには、銘柄コードのほかにも以下のような種類がある。

●ISINコード

金融国際化に合わせて、世界共通のコードとして作られたもので、12ケタで構成されている。最初の2ケタが国名 (日本はJP) 、次の9ケタが新証券コード、末尾の1ケタがチェックコードである。現状では取引に使うことはないコードといえる。

ISIN (アイシン) =International Securities Identification Number の略

●優先株コード

ごくわずかだが、優先株を上場している企業もある。優先株とは、剰余金の配当や会社清算時の残余財産を普通株よりも優先的に受ける権利を有する株のことをいう。利益配分が優先される半面、議決権に一定の制限を付される。優先株コードは例外として普通株のコード番号に5を加えて5ケタで構成されている。例えば伊藤園 (2593) の優先株コードは25935である。

●ティッカー

ニューヨークやロンドンなどの証券取引所に上場している企業に付されたコードで、アルファベット数個を組み合わせて銘柄名を識別している。ニューヨーク証券取引所におけるApple (アップル) のティッカーはAAPLである。日本株のコード番号と違い、アルファベットの配列を見ただけで個別銘柄を連想できる点で合理的といえる。

「会社四季報」見方のポイントは ?

証券コードを覚えると「会社四季報」の活用がより便利になり投資にも活きてくるだろう。ここではコンパクトな誌面の中でも特に重要な要素を紹介しよう。

●【チャート・株価指標欄 (右上) 】

直近の状況を判断する上では右上に掲載されているチャートと株価指標の欄に注目したい。直近4年程度の月足チャートが記載されており、「右肩上がり (下がり) で推移している」「年間を通じて●月に上昇 (下落) する癖がある」「ここ数年は横ばいで推移している」などの大まかなトレンドを把握できる。

同時に確認したいのは、1株利益の何倍まで買われているかを表すPER (株価収益率) と、1株あたりの純資産に対して何倍まで買われているかを表すPBR (株価純資産倍率) の株価指標である。相場の情勢や業種によっても数値の意味合いが変わるため一概には言えないが、数値が低いと株価が割安にあると判断できるため、高値掴みをしないために活用したい。

●【コメント・見出し (中段) 】

足元の状況確認と将来の行方を予想するために役立つのが、中段に書かれているコメント欄だ。四季報記者が取材等を通じた旬な内容が書かれており、前半部分の「【見出し】」が足元の状況、後半部分の「【見出し】」が今後の状況について記載されている。見出しの内容には、「【復調】」「【続伸】」「【連続最高益】」「【底入れ】」などが掲載されている。四季報の冒頭ページでは「【見出し】ランキング」が掲載されており、各号における企業の全体的な見通しの方向性なども掴むことができる。

●【業績 (左下) 】

この欄には、売上高や営業利益、経常利益といった損益計算書 (P / L) に関する実績と四季報記者による独自予想、会社予想が掲載されているため特に重要だ。例えば、売上高の推移を見て「本業で稼ぐ力」がどの程度あるか、売上高と営業利益を比較して本業でどの程度効率的に稼げているか (売上高営業利益率 (%) =営業利益÷売上高×100) 、会社予想と四季報記者の独自予想との乖離 (かいり) が無いかなどを確認することができる。

日本企業は3月決算が多いため、毎年6月に発売される夏号では、予想内容が大きく変わることもある。好材料、悪材料を見つける意味で注意深く確認したい。時間がないときには、欄外にある矢印による前号対比 (↑、↓、→) やニコちゃんマークによる会社対比 (笑顔、渋面) でざっくり把握することができる。

以上、証券コードの成り立ちと、「会社四季報」の簡単な見方を紹介したが、証券コードはいわば会社のマイナンバーのようなもの。四季報をぱらぱらめくりながら見慣れていき、少しずつ投資に活かしていただきたい。(提供:大和ネクスト銀行

【関連記事 大和ネクスト銀行】
大切なのは「お金より時間」? お金の管理を「時間」に応用しよう
個人投資家の強みを活かす ! 機関投資家が参入しづらい銘柄の特徴
知っているとお得な「株主優待知識」をおさらい ! 全4選
落語で学ぶ「お金にまつわる」3つの教訓
富裕層が米ドルを選ぶ理由「殖やす」以上に大切なコト