(本記事は、横川 由理の著書『2020〜2021年版 保険 こう選ぶのが正解! 』実務教育出版の中から一部を抜粋・編集しています)

保険で備えるリスクとは?

◆どんなリスクがあるか

ごく普通に生活をしていても降りかかってくる“大きなダメージ”。そのダメージを最小限にすることが保険に加入する目的です。

家計に大きなダメージを及ぼす原因には、どんなことが考えられるでしょうか。

死亡、病気やけが、介護、失業、火事や自然災害、事故などたくさんのことが思い浮かびます。被害者になってしまうこともあれば、反対に加害者になってしまうこともありえます。

これらのリスクを2つに分けてみましょう。

①人に関するリスク
②物や賠償責任に関するリスク

保険には生命保険と損害保険の2種類があり、それぞれの目的に合わせて加入します。人の命や病気などにかかわる分野は生命保険の受け持ち。そして、交通事故、火事や自然災害、ほかの人への賠償責任に備えるには損害保険に加入することになります。

図3
(画像=2020〜2021年版 保険 こう選ぶのが正解! )

◆公的制度の不足分を保険で補う

本書では生命保険や医療保険などに関することを中心として、part8では損害保険に賢く加入する方法について記載しています。

さて、不測の事態が起こったからといって、すべてを保険で解決するわけではありません。必要な保険を考える前に、まずは公的制度を確認することからスタートしましょう。

死亡や入院といったリスクには遺族年金や健康保険からの給付があるはずです。公的制度からどのくらい受け取れるのか、遺族が暮らしていくために不足するのであれば、その不足分を補うために保険を利用しましょう。「必要保障額で加入しなさい」というのは、不足分を補うという意味です。

◆ダメージを回避できるか

一方、家が燃えてしまったり、交通事故を起こして相手を死傷させてしまうこともあります。こういった事故は損害額や賠償額が大きくなりがちですが、めったに起こることではありません。ですが、国や自治体からの援助は期待できません。すべては自己責任になります。

交通事故など、賠償額が3億円を超えることも珍しくなく、家計に大きなダメージどころか、自己破産に追い込まれてしまう人もいるようです。

保険を選ぶポイントは、保険料が安ければよいのではなく、受けたダメージをキチンと回避できるかを考えることなのです。

2020~2021年版 保険 こう選ぶのが正解!
横川 由理(よこかわ・ゆり)
FPエージェンシー代表、CFP、証券アナリスト、MBA(会計&ファイナンス)、千葉商科大学大学院客員准教授。国内大手保険会社での勤務を通じて、お金の大切さに気づく。以来、お金の知識を広めることをライフワークとして、FP資格取得講座、マネー講座、執筆などを中心に活動。各誌保険ランキングの選考委員や記事で、辛口の指摘を行っている。著書に『50歳から役に立つ「お金のマル得術」』『老後にいくら必要か?』『アベノミクスで変わる「暮らしのお金」の○と×』『50歳からの資産防衛術』(すべて宝島社)『大切な人を亡くしたあとのお金のこと手続きのこと』(河出書房新社)など多数。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』などがある。
WEBSITE:http://fp-agency.com/

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