(本記事は、横川 由理の著書『2020〜2021年版 保険 こう選ぶのが正解! 』実務教育出版の中から一部を抜粋・編集しています)
大きな保障は定期保険や収入保障保険で
Cさん夫婦
Cさん:自営業35歳 /妻:専業主婦36歳 子ども7歳・5歳
【加入中の保険】定期保険特約付終身保険 死亡保障3000万円(10年更新)医療特約など
Cさんはお寿司屋さんを経営している寿司職人。
これまで国民年金にしか加入したことがありません。妻は昼食どきにお店の手伝いをするものの、基本的に専業主婦に近いといえます。子どもは5歳と7歳。まだまだ手のかかる年齢です。
自営業の場合、末のお子さんが高校を卒業するまでは、約100万円の遺族基礎年金を受け取ることができますが、その後の遺族年金は打ち切られます。会社員よりも大きな死亡保障が必要です。
そんなCさんが加入している保険は定期保険特約付終身保険。終身保険部分は200万円、2800万円の定期保険との合計3000万円。保険料は1万4000円ですが、加入から9年が経過し、そろそろ更新を迎える予定です。更新後の保険料は1万5000円。保険料を安くして、保障は大きくしたいというご希望です。
必要保障額は7000万円になりました。収入保障保険と定期保険を組み合わせ、さらに仕事ができなくなったときに備えて、就業不能保険を検討することにしました。
1000万円の定期保険は30年間、収入保障保険は月額20万円で、60歳までの25年間加入します。幸いCさんはタバコも吸わず、健康なので1番安い保険料で加入できたようです。医療は都道府県民共済の入院保障型をチョイス。加入当初7000万円の死亡保障と月々20万円の就業不能保険までセットしても、保険料は月額1万2700円ほど。将来、保険料がアップすることもありません。
住宅購入時は見直しのチャンス
Dさん夫婦
Dさん:公務員42歳 /妻:パート35歳 子ども12歳・10歳
【加入中の保険】定期保険(65歳まで)3000万円と終身保険 500万円
◆保障は同じでも保険料が下がることがある
Dさん夫婦は子どもが中学校に上がったタイミングで家を購入したばかりです。団体信用生命保険に加入したことをきっかけに、保険の見直しを考え始めました。
Dさんが死亡すると、住宅ローンにセットした団体信用生命保険から保険金が支払われて住宅ローンを支払わなくてもよくなりますが、生活費や教育費分は保険で備える必要があります。
現在加入している保険は、5年ほど前に見直してからそう時間が経っていませんが、2018年に死亡保険の保険料が引き下げられたので安くなりそう。
Dさんの保険は3000万円の定期保険と、20年ほど前に加入した500万円の終身保険です。この終身保険は予定利率が高い「お宝保険」なのでそのまま残します。医療保険には加入していません。
健康上の問題などで新しい保険に加入できないという場合は、減額という方法をとることも可能です。
幸いDさんは健康なので、迷わず新しく加入をすることにしました。5年前と比べて保険料は値下がりしているとはいえ、5歳、年も重ねました。保険料はいくらになるでしょうか。
以前と同じ3000万円の定期保険に、65歳まで加入した場合、保険料は460円。驚いたことに、1ヵ月当たり3030円も安くなります。
65歳までだと、83万円も節約できることになりました。余裕をもって同じ3000万円で加入することにしました。
保険料を抑えて貯蓄に回すのがベスト
Eさん夫婦
Eさん:会社員40歳/妻:会社員41歳
【加入中の保険】夫:アカウント型保険(65歳まで)妻:定期保険3000万円以外すべて同じ
◆共働きに高額な死亡保障はいりません
子どものいないEさん夫婦は共働き。2人の給料を合わせると、年間1300万円にも達する勢いです。生活に余裕があるためか、そんな2人の保険はお互いを受取人にして、高額な保険を掛け合っていました。なお、これから先も子どもを持つ予定はないそうです。
共働きの場合、どちらか一方が死亡しても経済的には、あまり困らないと思われがちですが、収入は大幅にダウンしてしまいます。
遺族厚生年金の要件は、「年収850万円の収入を将来にわたって得られない人」。Eさんが死亡したとしても、妻は遺族厚生年金を受けることができるでしょう。
一方、妻が死亡した場合、夫が遺族厚生年金を受け取るときは、基本的に60歳からの5年のみです(Eさんのケース)。
住宅の有無にもよりますが、1000万円程度の定期保険に加入するとよいでしょう。Eさんは1500万円、妻は1000万円の定期保険にそれぞれ加入することになりました。
また、がん保険にだけは加入したいという希望です。診断給付金を300万円と、通常より高めに設定することにしました。
2人分の保険料は1万5157円。安くなった約2万円は、給料日の直後に自動積立定期預金や、投資信託などを活用し貯蓄を行っていくことで、老後に備える予定です。
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