お客様「肉食」化戦略

肉食営業マンの究極の目標は、お客様も「肉食化」してしまうことです。そうなれば、ますますWINWIN度も高まります。

たとえば、あなたがダイエットに関する商品を売る営業マンだったとします。ターゲットとなるお客様は、「痩せたい」と思っている男女。目的は明確なので、比較的営業がしやすい商品だと思います。

ところが、ダイエット商品のように購入後にお客様の努力も必要とするものの場合(他には英会話などの語学学習もそうですね)、多くの営業マンがぶち当たる共通の大きな壁があります。それは、お客様が、もうすでにあきらめてしまっていることです。

「これまでに、他の商品も試したんだけどダメだったから」
「いくらお金をかけたか知れない。もう何をやっても無理みたい」

そんなふうにため息をつくお客様を前にして、「いや、僕たちの今回の商品なら絶対に成果が出ますよ!」と、言い切ることはできますか?︱︱いや、それは、言い切ってはダメです。なぜなら、嘘になってしまう可能性があるからです。結果が出ない場合がある。その本当のことをちゃんと伝える必要があります。

そして、その理由は、決して商品のせいではなくて「お客様、あなたの本気が足りないからです」とはっきりと伝えなければなりません。それが、肉食営業マンの仕事です。

これまで結果が出なかったのは、商品のせいだけではない。お客様自身が、本気で努力していないからだという耳に痛いことを言えてこその、本気の営業です。

甘い言葉だけを囁いても、お客様は永遠に「なりたい自分」に近づけない。次々に商品を試して、それでも結果が出ない。お金ばっかり失って、得るものはない。

そんなお客様に、さらに自社の商品を売ったとしても、お客様の幸せにはつながりません。僕なら、「お客様が本気で努力してくれると約束してくれるまで、この商品は売りたくない」くらいのことは言います。それが営業マンの使命だと思うから。何度も繰り返してきたように、営業マンの仕事はモノを売ることではなくて、お客様の横に並んで、一緒に壁を越えることです。ともに喜び合うことです。

だからこそ、伝えるんです。なぜ今まで結果を出せずにきてしまったのか。その原因をしっかりと分からせてあげることが重要です。その上で、「結果が出るまで、いつまででも僕は協力を惜しみません」と言ってあげる。だから、一緒に本気出しましょうよ!と。

こっちの本気に相手を巻き込んでいく。これが、肉食営業の真髄です。

イメージで言うと、ステーキ皿があって、自分が肉だとしたら、一緒に皿に載っているブロッコリーにもにんじんにもポテトにも同じソースをかけて同じ味にしちゃう感じ。元々は違うんだけど、味でつながる。同じチームになる。

そして、最終的には、お客様をお皿のど真ん中に置いてメインにできるように、盛り立てていく。そうなると、お客様は、もう絶対あなたという営業マンから離れません。何を買うにもあなたから買いたい、と言ってくれるようになります。

営業マン
青木 宏樹 (あおき・ひろき)
高校を卒業してすぐに建築業界に就職。 会社員時代は、忙しい仕事の合間に休みを返上して「宅地建物取引士」と「建築士」の資格を取得。自己啓発の本を読み漁り実践を繰り返していたおかげもあり、会社員時代の27歳の時はすでに年収750万円。人並み以上の生活をしていた。それでも自分の思い描く生活はできないと考え、友人のツテもあって一度飲食店経営の手伝いを経験。夢にまで見た起業に憧れ、奮闘した。しかし、朝9時~深夜3時まで1日18時間、毎日休みなく過酷な肉体労働を強いられ、時給300円以下の低賃金で、精神的にも肉体的にも苦痛を受け挫折。そこでもう一度成功をつかもうと一人で別事業に取り組み、見事3カ月で実績を上げる。自身の会社も1期目は年商4200万円、2期目は年商5億円を達成。現在では3社の経営者として活動中。不動産や投資信託などの投資家としても活動中。自身の起業の経験を活かし、主にサラリーマン層に向けて収入アップの方法やコミュニケーションスキルのノウハウを発信している。

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