無意識を見える化すれば「売れる理由」が明確になる
私も営業マン時代、売れている先輩たちにこんな質問をしたことがあります。
「どうしたらそんなに売れるんですか?」
すると、
「そんなのは、お客さまと仲よくなればいいんだよ」
「雑談だけで売れるよ」
「お客さまの話をよく聞くことだね」
こんな感じの答えしか返ってきませんでした。どれも納得するには至りません。それだけじゃ売れないでしょうと心のなかで思っていました。
でも当時の先輩たちは、私に意地悪をして教えないようにしていたわけではありません。むしろやさしく教えようとしてくれていたのです。
ただ、本当のキモの部分を彼らは無意識にやっていたので、それを言葉にできずにいました。おそらく教える側ももどかしかったと思います。もっと説得力のある話をして部下の私が大いに納得する姿を見たかったのでしょう。
それは、伝え方が下手なわけではありません。自覚していない部分を教えようとしても、そもそも無理だったのです。
もしあなたが部下を教えているときに、このもどかしさを感じているなら、それは無意識の部分を思うように教えられないからだと想像します。
自分がなぜ売れていたのか?営業するにあたってのポイントはどこか?
その答えを見つけるには、無意識領域を見える化することです。売れている営業マンに共通する「売れる理由」を明らかにすることで、わかりやすい言葉で説明することが可能になります。
渡瀬 謙(わたせ・けん)
サイレントセールストレーナー
〔有〕ピクトワークス代表取締役。〔株〕リクルート(現・〔株〕リクルートホールディングス)で異色な「無口な営業スタイル」で入社10カ月目で営業達成率全国トップになる。1994年に独立し、内向型で売れずに悩む営業マンの育成を専門に、全国でセミナーや講演などを行なう。500件以上の営業指導経験から、独自の教育法やトーク立案、営業マニュアル作成にも定評がある。『「内向型の自分を変えたい」と思ったら読む本』(大和出版)、『本音を引き出す「3つの質問」』(日本経済新聞出版社)、『トップセールスが絶対言わない営業の言葉』(日本実業出版社)、『超一流の相手にしゃべらせる雑談術』(PHP研究所)など、著書多数。(『THE21オンライン』2019年11月27日 公開)
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