【目次】
①️松屋アールアンドディIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【3/24更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【3/17更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社松屋アールアンドディ
- コード
- 7317
- 市場
- マザーズ
- 業種
- 輸送用機器
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 後藤 秀隆 /1950年生
- 会社住所
- 福井県大野市鍬掛第20号1番地2
- 設立年
- 1982年
- 社員数
- 32人(2020年1月31日現在)
- 事業内容
- 自動車安全装置縫合システムの開発・製造・販売、レーザー裁断機の 開発・製造・販売、血圧計腕帯の製造、カーシートカバーの生産等
- URL
- http://matsuyard.com/
- 資本金
- 125,000,000円 (2020年3月2日現在)
- 上場時発行済み株数
- 2,530,000株
- 公開株数
- 623,000株
- 連結会社
- 4社
- スケジュール
- 仮条件決定:2020/03/16→910~960円に決定
- ブックビルディング期間:2020/03/18 - 03/25
- 公開価格決定:2020/03/26→910円に決定
- 申込期間:2020/03/27 - 04/01
- 上場日:2020/04/06→初値838円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:野村證券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:東洋証券
- 大株主
- 後藤秀隆 25.53%
- 後藤倫啓 23.40%
- 後藤匡啓 23.40%
- オムロンヘルスケア(株) 10.64%
- CBC(株) 4.26%
- ゴトウホールディング(株) 4.26%
- NVCC7号投資事業有限責任組合 2.43%
- 後藤久代 1.83%
- 中野雅史 0.34%
- 長谷川克人 赤澤勇 杉本賢治 松川浩一 0.34%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2017/03 単体実績
1,505,519 48,120 58,934 441,861 - 2018/03 連結実績
6,767,463 493,077 207,271 1,757,604 - 2019/03 連結実績
7,517,353 223,431 113,683 1,777,836 - 2019/12 第3四半期連結実績
6,451,801 297,897 240,430 2,006,780 - ロックアップ情報
- 後藤秀隆、後藤倫啓、後藤匡啓、ゴトウホールディング株式会社、オムロンヘルスケア株式会社、CBC株式会社、NVCC7号投資事業有限責任組合は上場後90日目の2020年7月4日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 5億6693万0000円(623,000株×910円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 100,000株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社松屋アールアンドディ<7317>は縫製自動機の開発販売及び各種縫製品の製造販売を行う、福井県大野市に本社を置く企業である。
■事業内容詳細
同社は同社及び連結子会社4社の合計5社(同社グループを同社とする)から構成されている。国内及び中国、ベトナム、ミャンマーに拠点を持ち下記事業を展開している。
・縫製自動機事業
・縫製品事業
同社は自社設計の縫製自動機を用いて製造時の品質向上・コスト低減を図るとともに、縫製品事業で獲得した収益を縫製自動機の開発に投入して品質向上・開発につなげている。よって縫製自動機事業と縫製品事業が車の両輪的な位置付けとなっている。
●縫製自動機事業
縫製自動機事業は同社の祖業であり、縫製自動機の開発・製造・販売、レーザー裁断機の開発・製造・販売を行っている。
自動車の安全装置(エアバッグ・シートベルト)、アパレル、航空機分野などのあらゆる縫製の自動化・省人化等を推進することを目的として、顧客の要望に合わせた電子プログラミング等の縫製自動機・レーザー裁断機等の開発・製造・販売を行っている。
●縫製品事業
縫製品事業は縫製品をベトナム工場中心に製造している。自社設計による縫製自動機を用いた生産ラインを活用し、一部の工程において自動化、省人化などを図りコスト削減に取り組んでいる。
オムロングループ向けの血圧計腕帯、自動車関連メーカー等向けのカーシートカバー、エアバッグ、自動車内装品等の製造販売を行っている。顧客からの要求に沿って受注生産にて製造されるため、効率的なライン稼働を可能としている。
■2019年3月期の部門別損益、相手先別売上高
2019年3月期 売上高75億円、営業利益1.8億円
・縫製自動機事業 売上高12億円、セグメント利益0.1億円
・縫製品事業 売上高63億円、セグメント利益4.2億円
自動車関連製品など、大量出荷がなされる縫製品事業中心の事業構成である。ただし上述の通り縫製自動機事業と縫製事業を事業継続のための車の両輪として位置付けている。
また縫製品事業の製品別販売高は下記である。
・血圧計腕帯 30億円
・シートカバー 28億円
・エアバッグ 4.7億円
・その他 0.7億円
製品別では血圧計腕帯の販売が最多である。しかしシートカバーとエアバッグを合算すると、自動車関連が最多となっている。
尚、主要取引先の販売高は下記となっている。
・オムロングループ 18億円(割合25%)
・豊田通商 15億円(同21%)
・トヨタ紡織東北 13億円(同17%)
・海外 9.8億円(同13%)
個別企業ではオムロングループとの取引先割合が最多だが、トヨタ関連グループ2社を合算するとオムロングループより取引規模は大きい。
■業績推移
2017年3月期 売上高15億円、経常利益0.5億円、当期純利益0.6億円
2018年3月期 売上高67億円、経常利益4.9億円、当期純利益2.1億円
2019年3月期 売上高75億円、経常利益2.2億円、当期純利益1.1億円
2020年3月期(予想) 売上高81億円、経常利益2.9億円、当期純利益1.9億円
※2018年3月期より連結決算
2020年3月期は売上80億円の大台達成の予想である。ただし経常利益は2018年3月期の4.9億円がピークである。
今期(2020年3月期)は対前年同期比で増収増益となる、売上高81億円、経常利益2.9億円を予想している。Q3時点で売上高65億円、経常利益3.0億円であり通期予想達成に向けた進捗は順調である。
■財務状況
2019年3月期末時点で資産合計41億円に対し純資産合計18億円、自己資本比率43%である。
借入金9.1億円に対し、現預金5.7億円を保有する。流動資産合計34億円であり、資産の大半が流動資産から構成されているが、そのうちの原材料及び貯蔵品が最大科目で9.8億円となっている。
キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローが2018年3月期▲0.6億円、2019年3月期+0.1億円となっている。たな卸資産の増加による資金流出が続いており(2018年3月期▲4.9億円、2019年3月期▲5.5億円)、営業活動によるキャッシュ・フローは均衡状態に近い。
■資金使途
IPOにより3.1億円の資金調達を行い、下記の使途を予定している。
・縫製自動機の開発及び製造費用 1.0億円
・研究開発人員の人件費 0.6億円
・工場設備資金 1.0億円
・人件費及び人材採用費 0.5億円
調達資金は工場の設備投資や開発研究費、人材投資などに広く投じられる。
■株主状況
後藤社長が筆頭株主であり26%の株式シェアを有する。また後藤社長の二親等内の血族である後藤倫啓氏と後藤匡啓氏の両名が株式シェア23%の第2位株主。後藤社長の関係先で70%以上の株式が所有されており、安定的な株主構成である。
取引先グループ企業のオムロンヘルスケアが第4位株主(株式シェア11%)として存在する。またVCとしてNVCC7号投資事業有限責任組合(同2.4%)が株主参入している。
■まとめ