ネット記事ではあまり見ない「応募書類に何を書いたらいけないか」のポイント
何らかの理由で退職して再就職をめざすなら、履歴書や職務経歴書を書かねばなりません。そのとき「”なぜ同業他社ではなく、その会社を選んだか“を書く」「自分の能力でどう貢献できるかを書く」などと言われますが、みなさんが本当に知りたいのはそんな当たり前の事ではなく「どこに気を付ければ”書類落ち“しないのか」ではないでしょうか。
『それでも書類選考で落とされない履歴書・職務経歴書の書き方』(中園久美子著)を参考に、「落とされる履歴書・職務経歴書の特徴」を2つ、紹介します。
NGその1:志望動機欄で応募する会社を誉めすぎる
履歴書の志望動機欄でよく書かれがちなのが、次のような文面です(例:出版業へ応募するとき)。
「“出版不況”と言われるなかでもネット分野にいち早く進出し、躍進する御社で私の経験を活かしたいと思い、応募いたしました」
採用してほしいと思って応募するわけですから、このように「応募先を持ち上げるような文面」を書きがちになりますが、中園さんは次のように指摘します。
自分の会社のことをあなたからほめられたとしても、「あっ、そうなのね」で終わりです。「はい、私たちはそのためにも良い人を採用しようと頑張っていますけど。で、あなたはどうなの?」です。それでも、ちょっとは嬉しいと思ってくれるかもしれません。しかし、そのことであなたを採用しようという気持ちにはなりません。
なぜなら、採用担当者は会社をほめてくれる人を探しているのではなく、会社に貢献できる人を探しているからです。応募先の会社をほめるスペースがあるのなら、自分の強みや自分が貢献できることを書くようにしましょう。履歴書・職務経歴書では、応募する会社の良いところではなく、“自分”の良いところをアピールしましょう。
NGその2:経験した業務内容をそのまま書いている
職務経歴書はこれまでの経験を整理して書いていくものですが、その際に気を付けなければならないのが「言葉」です。
異業種、場合によっては同業他社であっても、業務に関連する用語がこれまでの社内と違う意味で用いられるケースがあります。たとえば、デフォルトという言葉がIT業界では「システムやアプリなどの初期設定・初期値」という意味で使われるのに対し、金融業界では「債務不履行」という意味で使われるのは、有名なところです。
また、これまでと同じ業種・同じ職種に応募したとして、実際に働く先の現場担当者は用語の意味を理解できるとしても、人事担当者がそうであるとは限りません。職務経歴書を書くときは、そうした配慮をしたうえで書く必要があります。
そのうえで、中園さんは次のように述べています。
主観的になりすぎてはいけませんが、かといって、やってきたことを無機質に羅列しただけでは、読み手に訴えかけることはできません。職務経歴書に経験を書くということは、採用担当者の感情に訴えかけるということ。いつもより熱量アップ気味に、あなたの経験を書き込みましょう。
(P.31より)
ここでは「落ちる履歴書・職務経歴書」にありがちな特徴を2つ紹介しましたが、当然ながらこれに気を付ければ書類選考を通過する確率があがるわけでもありません。「一般に転職に不利だといわれる点をどうアピールポイントに転換するか」など、書き方のコツは多々あります。
とはいえ、これらの書類でアピールせんとばかりに虚偽の経歴を盛るのはNGです。まずは自分のこれまでの経歴を棚卸しし、それからどう書くかを考え、最後にこういった書き方のコツを駆使するようにしましょう。
著者:中園久美子
価格:¥1,430(税込)
(提供:日本実業出版社)
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