法人を作るとなると、様々なものが必要になってくる。クレジットカードもその1つだ。クレジットカードには個人用と法人用があり、会社を経営しているならば法人カードを作っておきたい。ここで問題になるのが、「世の中にはあまりにも多くのクレジットカードが存在する」ことだ。そこで今回は、オリコビジネスカードに焦点を当て、法人カードを検討する際に見るべき4つのポイントを解説する。

オリコビジネスカードのメリット・デメリット

「オリコ法人カード」のメリットは?サービスの詳細、法人カードを選ぶ際のポイントも解説!
(画像=Maksym Yemelyanov/adobe.stock.com)

オリコの法人カードは、主に個人事業主や法人に向けて発行される。公式ホームページによれば、

1.ビジネスカード・法人カードの利用で経費管理コストの削減
2.キャッシング機能による小回りの効く資金調達
3.ビジネスシーンで利用できる様々な優待やサービスの充実

を主な特長としている。オリコビジネスカードのメリット・デメリットは、以下のようにまとめられるだろう。主なメリットは、以下の4点だ。

・コストパフォーマンスが高い
・利用可能額が高い(最大1,000万円)
・新設法人でも申し込める
・付帯サービス(特に保険関係)の充実

デメリットは、以下の2点になるだろう。

・ポイントプログラムがない(ポイント還元ができない)
・Mastercardブランドしか選べない

オリコビジネスカードのサービス

サービスの説明を始める前に、オリコの主な法人カードをまとめておこう。

前述のとおり、オリコの法人カードには、以下のようなものがある。

・「EX Gold for Biz S」(個人事業主が利用)
・「EX Gold for Biz M」(法人代表者が利用)
・「オリコビジネスカードスタンダード」(従業員が利用)
・「オリコビジネスカードゴールド」(従業員が利用)

ここからは「EX Gold for Biz」シリーズと比較する形で、オリコビジネスカードのサービスを紹介していく。

ポイント還元

「EX Gold for Biz S」と「EX Gold for Biz M」の年会費は2,200円(税込)で、初年度は無料。ポイント還元率は0.6~1.1%と、法人カード屈指の高還元率を誇る。このカードには「暮らスマイル」というポイントプログラムが導入されていて、年間利用額に応じて翌年のポイント還元率が変わる。

一方、「オリコビジネスカードスタンダード」や「オリコビジネスカードゴールド」には、ポイントプログラムがない。これは、ビジネスカードのデメリットと言えるだろう。しかし、年会費はそれぞれ1,375円(税込)、2,200円(税込)と安く設定されており、コストパフォーマンスは良い。

新設法人に優しい

前章で、「法人設立から3年以上」「直近2~3年が黒字」という暗黙の審査基準を紹介した。しかし、オリコのビジネスカードには申し込み資格の記載がなく、個人事業主や法人代表者であれば、基本的に申し込める。一般的にオリコのビジネスカードは「審査基準が緩い」と言われており、新設法人でも比較的審査に通りやすい。

利用可能限度額は最大1,000万円

「EX Gold for Biz S」と「EX Gold for Biz M」の利用可能限度額は、300万円。一方「オリコビジネスカードスタンダード」と「オリコビジネスカードゴールド」の限度額は、最大1,000万円だ。またオリコビジネスカードは20枚まで追加発行できるので、従業員が数十人の中小企業に最適だ。

ここで注意したいのが、利用限度額の1,000万円は「法人全体の合計額」であることだ。たとえば10枚のビジネスカードを発行していた場合、「1枚につき1,000万円まで」ではなく、「10枚の合計が1,000万円まで」ということだ。

コンタクトレス決済対応

これもオリコビジネスカードの特色の1つだ。「オリコビジネスカードスタンダード」と「オリコビジネスカードゴールド」は、すべてMastercardコンタクトレス決済に対応している。コンタクトレス決済とは非接触決済のことで、端末にかざすだけで決済が完了するというものだ。

それ以外に注目するべきサービス

上記以外にも、オリコのビジネスカードには様々なサービスが付帯する。まず挙げられるのは、ETCカードが付帯させることができることだ。これは「EX Gold for Biz」シリーズに限らず、「オリコビジネスカードスタンダード」や「オリコビジネスカードゴールド」にも当てはまる。

もちろん、Mastercardのビジネスアシストも利用できる。会員制ライブラリーの1日無料券や、日本企業海外進出サポート、ホテル優待、電話通訳サービスなど、魅力的なものがたくさんある。

その他にも、注目するべきサービスが。代表的な付帯サービスは、以下のとおりだ。

・クラウド会計ソフトの有料プランがお得に利用できる
・福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」をオリコ優待価格で利用できる
・融資金利の優遇
・充実した各種保険
・利用明細の発行サービス

これらはあくまでもオリコのサービスであり、他の発行会社のサイトを見れば、異なる付帯サービスがあるはずだ。詳細は、発行会社のホームページで確認してほしい。かなり手間のかかる作業ではあるが、「自分が作ろうとしているカードがどういうものなのか」をしっかり把握しておきたい。特に付帯サービスは重要なので、他の発行会社のカードとじっくり比較すべきだろう。

法人クレジットカードで見るべきポイント

世の中にはたくさんのカード発行会社があり、そして1つの発行会社の中にも様々なカードがある。

オリコの法人カードにも、個人事業主向けの「EX Gold for Biz S」や、法人向けの「オリコビジネスカードスタンダード」「オリコビジネスカードゴールド」、法人代表者向けの「EX Gold for Biz M」などがある。今回は詳しく紹介しないが、その他にもリボ払いに特化した「UPty for Biz S」など、カードの種類は多岐にわたる。

ポイントは、「オリコのカードが他と違うところは何か」だ。カード会社によってメリット・デメリットがあり、それらを見極めた上でカードを選ぶ必要がある。次章では、ビジネスカードや法人カードを選ぶ際、特に重要なポイントを解説する。

コストパフォーマンス

これは法人カードだけでなく個人向けのカードにも言えることだが、そのカードのコストパフォーマンスは最重要項目の1つだ。カード会社によって、また同じカード会社でもカードの種類によって、年会費やポイント還元率は異なる。

年会費は1,000円くらいのものから、高いものは10万円くらいのものもある。年会費やポイント還元率などのコストパフォーマンスは、カードを作る前に必ず確認しておこう。

経営サポートのサービス

クレジットカードには様々なサービスが付いており、これらは「付帯サービス」と呼ばれることが多い。法人カードに馴染みのない人は、「付帯サービスなんてどこも同じようなものじゃないの?」と思うかもしれないが、それは大きな間違いだ。カード会社やランクによって、受けられるサービスは大きく異なる。

法人カードを申し込む際は、そのカードの付帯サービスをしっかり調べて、自分に合っているかどうかを確認するべきだ。主な付帯サービスは、以下のとおりだ。

・コンシェルジュサービス
・ポイントやマイルの還元
・旅行保険
・空港ラウンジの無料利用

利用限度額

利用限度額も重要で、これも発行会社やランクによって変わる。基本的にはランクが高いほど利用限度額も大きくなるが、通常ランクでも限度額が高いカードもある。特にプラチナランクのカードは高額な年会費がかかるため、通常ランクで限度額が大きいものを選ぶといいだろう。

利用限度額については、最初から定められているものもあれば、審査時に決められるものもある。カードを作る際は、必ず利用限度額を確認してほしい。

審査通過率

最後は審査についてだ。ここで紹介する4つの基準の中で、おそらく最も重要な項目だろう。そもそも審査に通らなければ、法人カードを使えないからだ。どれだけ魅力的なカードを見つけても、その審査に通らなければ何の意味もない。では、審査はどのようにして行われているのだろうか。

残念ながら、明確な審査基準は存在しない。ただし、業界内で暗黙の了解とされているのが「法人設立から3年以上」「直近2~3年が黒字」というものだ。一般のカードと比べて審査はかなり厳しく、法人にある程度の信用がなければ審査をパスできない。

個人向けのカードであっても、仕事をしていなかったり、正社員として働いていなかったりすれば、容赦なく落とされてしまう。法人向けのカードも同じで、申し込み対象の「社会的信用」が重要なのだ。

コストパフォーマンスと審査基準の緩さが魅力

ここまでオリコビジネスカードの特徴や、付帯サービスなどを見てきた。やはり魅力的なのは、年会費をはじめとしたコストパフォーマンスだろう。ここまで高性能なカードを、数千円の年会費で利用できるのは大きい。

審査基準の緩さも魅力だ。設立したばかりの法人だと門前払いを食らうこともあるが、オリコならしっかり審査をしてくれる。カードを申し込む上で何より大切なのは、まず「審査に通るかどうか」だからだ。(提供:THE OWNER

文・小西拓登(ダリコーポレーション ライター)