新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大に歯止めがかからない昨今の状況において、東京オリンピックをはじめとして多くのイベントが中止され、関連する企業の倒産というニュースが連日の様に報道されています。
数ある企業の中でも、特に飲食・アミューズメント関連において、自粛により大幅に収益が下がり、経営がままならないという声が多く聞かれます。また、最近ようやく解消に向かいましたが、医療機関や高齢者支援施設でのマスク・消毒薬不足は深刻な状況にありました。
このような状況下の中でクラウドファンディングには何ができるのか?という点について、事例を踏まえ考えてみることにします。
クラウドファンディングとは
そもそもクラウドファンディングとはどのような目的で始まった仕組みなのかをまず考えてみます。
クラウドファンディングとは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、インターネットを使い、不特定多数の人から資金を集め協力などを行うことを表しています。元々は寄付や投資という概念が根付いている欧米諸国で取り組みが始まり「ArtistShare」が運営を開始したのが始まりとされ、現在最大手の「Indiegogo」「Kickstarter」といったプラットフォームでは、10億円規模のプロジェクトが成立するまでその市場規模は発展しています。
クラウドファンディングという用語自体は新しいものですが、その考え方自体は日本でも古くからあるものです。例えば「赤い羽根の募金」も不特定多数の人から特定の目的を達成するために寄付を集めるものであり、これを電子上で行えば寄付型クラウドファンディングと言えるでしょう。また、阪神大震災や東日本大震災などで、復興のためにメディアを含め様々なところで寄付や募金が呼びかけられました。東日本大震災の際には、一部の資金がクラウドファンディングで集められるなど、その認知度は年々上昇しています。
コロナショックを受けクラウドファンディングで実行されているプロジェクト事例
このような背景を考えた上で、今クラウドファンディングプラットフォームで実際にどのようなプロジェクトが立ち上がっているのか一例をみてみましょう。(2020年8月時点)
高度先端医療と感染症対策の両立で、コロナ禍でも多くの命を守る(REDYFOR)
全日本フェンシング選手権:スポーツの新しい価値を共につくろう(REDYFOR)
コロナで困窮する子どもを、誰ひとり取り残さない。寄附で支援(REDYFOR)
コロナ禍で行き場を失った10トン超のアンガス牛のL&Tボーンを皆様にお届けしたい(CAMPFIRE)
みんなで宮崎の夜空に花火を!コロナ退散の花火を毎週打ち上げたい
【劇団四季 活動継続のための支援】新型コロナウイルスを乗り越え、再び演劇の感動を全国へ(MOTIONGALLERY)
純粋な寄付を目的としたものから、リターンがある形式のものまで様々ですが、支援したいという思いを簡単に形にすることができるのは、インターネットを使ったクラウドファンディングならではではないでしょうか。また、赤い羽根や某24時間番組の募金では、その用途が広く特定の事業や業界もっと支援を手厚くするというのは難しいのが実情です(国や大手企業が行っている募金なので、その用途や目的はしっかりしたものであり、幅広い目的での募金を否定するものではありません)クラウドファンディングの場合、事例を見ても特定の団体や目的を明確に記載し、自分が投じた資金がどのように使われるのか、役立つのかが非常に見えやすくなっているのが特徴です。
また、客足の減少で余ってしまった食材などをリターンとして設定しているものもあり、支援を行いつつ普段あまり口にする機会のない食材などを手軽に試せるものなど様々です。
※上記に掲載したプロジェクトは事例として一例を掲載したものであり、本媒体と利害関係があるものではありません
まとめ
コロナの影響を大きく受け、今現在も戦っている人は数多くいます。その一方で、あまり影響を受けず収入や生活面での不安が少ない人がいることも事実です。
今少しでも余裕がある方や、何か力になれることがないかと考えられている方は、一度クラウドファンディングのプロジェクトでの支援を考えてみてもよいかもしれません。