「温暖化ガスを2050年まで実質ゼロ」「国立公園で再エネ発電促進」など菅政権発足後のビッグニュースで将来的な成長が期待されるのが「再生可能エネルギー分野」です。そのため「投資したい」と考えている人もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、再生可能エネルギー投資のカテゴリと銘柄などを解説していきます。

再生可能エネルギー投資のカテゴリとはじめる方法

再生可能エネルギー投資
(画像=aon-khanisorn/stock.adobe.com)

再生可能エネルギー投資の主なカテゴリには、以下のような4つがあります。各カテゴリについてメリットとデメリットについて確認していきましょう。

  • 株式投資(再エネ関連銘柄)
  • 太陽光発電投資
  • インフラファンド(東証)
  • 太陽光発電ファンド(未上場)など

1.株式投資(再エネ関連銘柄)

・株式投資とは?メリット・デメリットは?
株式投資のメリットは「配当金」「値上がり益」「株主優待」という3つのリターンが期待できることです。例えば値上がり益の場合、株価が急騰する2倍株や3倍株、テンバガー(10倍株)のようなハイリターンを狙うチャンスもあります。特に再生可能エネルギーのような注目テーマの銘柄の中には、将来のテンバガーが埋もれているかもしれません。

一方で株式投資は値動きが激しいため、急落リスクがあることがデメリットです。

・再エネ関連銘柄の具体的な銘柄は?
近年、国内・海外の再生可能エネルギー関連銘柄の一部は値上がり傾向が顕著です。しかしなかには複数の事業を展開していて再生可能エネルギー事業の比率が低い企業もあるため、銘柄選びは注意したいところ。このような企業の場合は、再生可能エネルギー事業の利益が拡大しても全体の成長効果は限定的です。そのため「利益に占める再エネ事業の比率がどれくらい高いか」に注目しておきましょう。

代表的な関連銘柄は次の通りです。

【国内の再生可能エネルギー関連銘柄例】

証券コード銘柄名
9519株式会社レノバ
9514株式会社エフオン
1407株式会社ウエストホールディングス
6255株式会社エヌ・ピー・シー
9517イーレックス株式会社

【海外の再生可能エネルギー関連銘柄例】

ティッカー銘柄名
NASDAQ:ENPHエンフェーズ・エナジー
NASDAQ:SEDGソーラーエッジ・テクノロジーズ
NYSE:NEEネクステラ・エナジー
NASDAQ:FSLRファースト・ソーラー

2.太陽光発電投資

・太陽光発電投資とは?メリット・デメリットは?
太陽光発電投資とは、発電に必要な太陽光パネルなどの発電設備を所有しそこで生み出した電気を電力会社に売電することでリターンを得る方法です。太陽光発電投資のメリットは、長期的な安定経営がしやすいこと。なぜなら2020年現在日本には、再生可能エネルギーで生み出した電力を決まった価格で20年間(10キロワット以上)にわたって買い取りしてくれる「固定価格買取制度(FIT)」があるからです。

一方で太陽光発電所は以下のようなデメリットもあります。

  • 辺鄙(へんぴ)な場所にあることが多くいたずらや盗難が起こりやすい
  • FITが終了する20年後以降のリターンを計算しにくい
  • 設備の撤去費用がかさむなど

・太陽光発電投資のコストは?
2018年10月に一般社団法人太陽光発電協会が公表している「太陽光発電の現状」によると、2019年度のシステム価格水準は50~500キロワットの推定平均で約21万8,000円でした。100キロワットであれば約2,180万円のコストになります。例えば1割を自己資金、残りの9割を金融機関の融資でローンをまかなうといった方法も選択可能です。

3.インフラファンド(東証)

・インフラファンドとは?メリットとデメリットは?
インフラファンドとは、太陽光発電設備などを投資対象にして大勢の投資家から資金を集めてリターンを分配するものです。リターンの中身は、例えば賃借人から受け取る最低保証賃料と収入連動賃料です。インフラファンドは、REIT(不動産投資信託)と類似した仕組みといわれていますが、REITはさまざまな分野の不動産が投資対象になります。

しかしインフラファンドは再生可能エネルギー設備などが中心です。 インフラファンドは、賃料などで得たリターンの大半を分配金に回しているため、利回りが高めになることがメリットといえるでしょう。一方で現物の不動産投資よりも値動きが激しい点はデメリットです。

・インフラファンドの具体的な銘柄は?
2020年11月時点で東証に上場するインフラファンドは、以下の7銘柄です。

証券コード銘柄名
9281タカラレーベン・インフラ投資法人
9282いちごグリーンインフラ投資法人
9283日本再生可能エネルギーインフラ投資法人
9284カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
9285東京インフラ・エネルギー投資法人
9286エネクス・インフラ投資法人
9287ジャパン・インフラファンド投資法人

この中から2銘柄をフォーカスしてみましょう。

[カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人<9284>]
時価総額:317億8,900万円
分配金利回り:5.38%
※2020年11月11日時点

東証に上場するインフラファンド7銘柄中、最大の時価総額のファンドです。2020年9月28日現在、計23の太陽光発電所を全国に取得(取得価格:約497億円)、その半数以上が日照時間で有利な九州地方にあり約12万3,000キロワットのパネル出力を確保。再エネREITが取得した太陽光発電所が生み出す電力にも「固定価格買取制度(FIT)」が適用されます。

この制度は2012年にスタートしましたが、年を追うにつれ1キロワットアワーあたりの固定価格が40円、36円、32円、29円……と下落傾向です。カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人では買取価格が高い40円が34.4%、36円は58.3%、32円が7.3%となっています(2020年8月14日時点)。

[日本再生可能エネルギーインフラ投資法人<9283>]
時価総額:166億3,700万円
分配金利回り:6.08%
※2020年11月11日時点

日本再生可能エネルギーインフラ投資法人も太陽光発電関連に100%出資しているファンドです。前述のカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人と比べると投資地域に違いがあり、東北地方が約3割、近畿地方は約2割となっています。ただ東北地方の比率が高いといっても積雪量の少ない太平洋側が中心のため、日照量の問題はないでしょう。2020年8月1日現在、計46の太陽光発電所を全国に取得(取得価格:約348億円)、8万8,691キロワットのパネル出力を確保しています。

4.太陽光発電ファンド(未上場)

・太陽光発電ファンドとは?メリットは?
太陽光発電ファンドとは、数多くのオーナーが太陽光発電設備に出資しそこで得られたリターンを分配金として受け取るものです。先に紹介のインフラファンドは上場銘柄ですが、こちらは未上場となっています。太陽光発電ファンドのメリットは、太陽光発電の設備を丸ごとが所有するよりも元手が少なくて済むことです。

一方でファンドの開発・運営・報酬などのコストがあるため、直接太陽光発電投資を行ったときよりも低利回りになることはデメリットになります。

・太陽光ファンドをはじめる方法は?
資金を募っているファンドを見つけて出資すれば投資をはじめられます。「太陽光 ファンド」などのキーワードで検索すると見つけやすいでしょう。出資金はプロジェクトによって異なりますが、例えばスマホで買える太陽光発電所「CHANGE」では、2万~3万円程度からの出資プランがあります。

天候不順や大型台風による発電量不足のリスクも

再生可能エネルギー関連の4カテゴリを紹介してきました。どのカテゴリを選択しても「20年間にわたる固定買取制度」「2050年温暖化ガス実質ゼロの目標達成」という追い風によって好影響が出ることが期待されます。ただ再生可能エネルギー投資もリスクがあることを忘れてはいけません。例えば天候不順による日照不足や大型台風による設備損壊などにより発電量が下がってしまう可能性もあります。

そのためリスク分散といった観点から投資信託やマンション投資などのローリスク・ローリターンな資産運用を組み合わせてポートフォリオを組むのが賢明です。(提供:Incomepress


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