本記事は、小川哲也氏の著書『超プロの工程管理コンサルタントが教える 残業ゼロ社員の「やらない力」』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋・編集しています

(3)「やるべきこと」と「やらないこと」を決める

経費削減を成功させるには?重要ポイントと効果的なアイデア
(画像=hakinmhan/stock.adobe.com)

◉小川式「工程管理変革プログラム」の6つのプロセス
(1) 目標設定(自分のなりたい姿を強く脳に刻み込む)
(2)(自分の)時間の価値の計算
(3)「やるべきこと」と「やらないこと」を決める
(4) 他人に振るためのシステム構築(タスク分担)
(5) スケジュール管理表の活用
(6) ToDoリストで分単位のタイムマネジメント

●「やらなくていいこと」のためにアポイントをすっぽかした私

あなたは、時間の価値を現実のものとするために「できること」ではなく「やるべきこと」をやらなくてはなりません。

このときの「できること」とは、あなたがやらなくても支障のないもの。そして「やるべきこと」は、あなたがやらなければあなたの目標に到達できないこと、あるいは、あなたがやることによって格段に目標に近づくこと、を意味します。

あなたは自らの目標到達に向けて必要なことだけをやり、それ以外のことは後回しでいいのです。もっと言えば、「やるべきこと」以外は「あなたがやる必要はない」「やってはいけない」わけです。

私の過去の失敗例を紹介しましょう。

私の昔の上司は、非常にワンマンな人でした。

あるとき「この書類を13時までに作成しろ」と指示され、私は仕事と格闘していました。

しかし、書類作成にはどうしても時間がかかり、終えたときには14時を大きく回っていました。

問題は、ここではありません。

そのとき私は、13時にお客さまとのアポイントがありました。しかし、上司の指示に従ったためにアポをすっぽかしてしまい、取れるはずの契約が取れなかったのです。

冷静になって考えると、これは本末転倒です。

お客さまは売上につながる仕事です。ですから本来、優先すべきはお客さまだったはずなのに、仕事で会社に縛りつけられ、売上を作れなかったのです。

私の目標は、自分の収入を10倍にすること。そのために、会社の売上も10倍にしなければならない状況であったにもかかわらず、目標に関係ない仕事に時間をかけたために、本来「やるべきこと」ができなかったのです。

もしもあなたが同じ立場に置かれたら、どんな小さなものでも、その仕事が会社の売上につながるかどうかだけを考えて、仕事の優先順位を選んでください。

●思い切ってやらないだけで生産性はグングン上がる

目標を達成するためには、具体的に何をすればいいのでしょうか?

「やるべきこと」を実践する。これは裏返せば「やるべきでないことを探す」ということでもあります。

例えば、10人が会議に参加しているとします。

1人5分の発言時間があるとして、トータルで50分間。しかし、そのうち45分間は他人の話を聞いているだけの時間です。

もしも、この45分間を別の形で補完できるとしたら、社員は1日のうち45分間をムダにしなくて済みます。

自分の仕事に費やすことができ、それだけ帰る時間も早まります。

会社の仕事の中で、ひとつの会議がムダだとわかり、それを「やらない」と決めただけでも、10人×50分=500分の時間が浮くのです。

企業の正社員1人当たりの労働生産性は時給換算で4000円くらいですから、会議をひとつなくしただけでも、実に3万円以上が節約できます。

さらに、会議に費やす時間を生産や営業に回したらどれだけ売上が上がるでしょうか?

こうした時間管理の考え方を重視した工程管理によって、「やらない仕事」を徹底的に見つけ出していきます。

「やる必要のないこと」をやらないだけで、会社の生産性はぐんぐん上がっていくわけです。

生産性を上げるために必要な、とても簡単な理屈ですが、なぜこれが多くの会社において実践できていないのでしょうか。

直接的な理由は、管理者も従業員も「やるべきこと」と「やらなくてもいいこと」の判断がついていないからです。

会議の例でいうなら「会議に参加すること」はやるべきことだとしても、「自分の発言まで黙って待っていること」はやらなくていいことです。

報告だけなら、SNSやメッセージツールなどでグループを作ってそこで報告すれば、会議室に集まる必要はありません。すでに目的は達成しているので、会議は不要なものとなります。

では、こういった判断をするにはどうすればいいのでしょうか?

それは、「やらない力」を身につけることです。

この力を身につけることによって、現場責任者も従業員も自分の頭で考え、必要な仕事に集中できるようになります。

●「やるべきこと」「やらなくていいこと」をリスト化する

つまり、「やるべきこと」をやる秘訣は「やらなくていいこと」を決めること。

何だか禅問答のようで恐縮ですが、その意味はいたってシンプルです。

必要に駆られてやっていること、モチベーションの上がらないこと、とりあえずやっていることは、できる限りやらないようにするのです。まずはそうした「やらなくていいこと」をリストにして書き出してみましょう。

ただ、漠然と考えてみても、何が「やらなくていいこと」に当てはまるのか、モヤモヤしたままかもしれません。

もしそうなら、あなたの目標設定を実現するための時間の価値に照らし合わせて「必要ない」と思う仕事をとにかく挙げてみましょう。

1000円や2000円の仕事をするのではなく、1時間で5倍も10倍も稼げるような仕事だけを取ってくるように、考え方を変えた上で取捨選択します。そして、目標の到達について脇道にそれる仕事は、すべて「やらないことリスト」に入れていくのです。

すると、「やること」と「やらないこと」が明確に分けられ、把握できるようになります。

これが「仕事の見える化」であり「やるべきこと」「やらなくていいこと」を見つける具体的な方法です。

つまり、やるべきこと・やるべきでないことをリスト化して、自分の「やることリスト」と「やらないことリスト」を作る。

自分が考える収入額を手にするために、この2つのリストが重要な意味を持ってくるのです。

超プロの工程管理コンサルタントが教える 残業ゼロ社員の「やらない力」
小川哲也(おがわ・てつや)
株式会社川越コンサルタント代表取締役。工程管理コンサルタント(建設コンサルタント)。1966年、愛知県名古屋市生まれ。明星大学卒業後、医療機器メーカーに就職するが、部署の統廃合により半年でリストラされる。土木建設コンサルタント会社に入社。50歳を目前に控えた2012年、独学でイメージトレーニングとマーケティングを学ぶ。さらに、それらをプロジェクト・マネジメントと融合させ、独自の技術として体系化させた。プロジェクト・マネジメント技術の実践で「自己啓発セミナーの販売会社」を企業内起業。起業後半年で、勤務していた会社の経営を再生させる。さらに、残業が当たり前だった同社の労働環境を、定時退社できる環境に変えた。2015年に退職後、株式会社川越コンサルタント設立。「工程管理メソッド」を活用したコンサルティングは評判を呼び、建設業界のみならず日本中の会社から問い合わせが殺到している。

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