本記事は、小川哲也氏の著書『超プロの工程管理コンサルタントが教える 残業ゼロ社員の「やらない力」』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋・編集しています

(5)スケジュール管理表の活用

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(画像=(提供=J.ScoreStyle))

◉小川式「工程管理変革プログラム」の6つのプロセス
(1) 目標設定(自分のなりたい姿を強く脳に刻み込む)
(2)(自分の)時間の価値の計算
(3)「やるべきこと」と「やらないこと」を決める
(4) 他人に振るためのシステム構築(タスク分担)
(5) スケジュール管理表の活用
(6) ToDoリストで分単位のタイムマネジメント

●目標達成にはスケジュール管理が不可欠

普段、仕事をしていくうえで、自分の時間の使い方は常に目標を達成することにつながっていなくてはなりません。

そして、たとえゴール(目標)を設定しても、今自分がいる場所がわからず、ゴールも見えなければ、人は必ず迷ってしまうものです。

さらに、ゴールまでの行く手に障害があればなおさらです。それでは目標に到達する可能性は大きく低下してしまいます。

例えば、オリエンテーリングを経験したことのある方もいると思います。

「目的地は山の頂上ね」

そう聞いて、1人ずつ出発していきます。ところがあなたは目標を見失ってしまい、気がついたらどこかの森の中でした。

誰かと協力することはできず、しかも、周囲は木々に囲われているだけで、どちらが山頂なのかもわかりません。

目標達成に失敗する人は、まさにこうした状態にあります。

その際に必要となるのは、現在地と目的地が示された地図やコンパスでしょう。その通りに行けば目的地にたどり着く。行き先を明確に示してくれる道標があれば、あなたは救われます。

工程管理において、そうした地図やコンパスの役割を果たすのが「スケジュール管理表」(管理表、いわゆるバーチャート)と呼ばれるものです。

これを作成する目的のひとつは、今いるあなたの場所を明らかにして、見えないゴールを可能な限り見えるように照らし、正しいコンパスとして使えるようにすることです。

目標をうまく設定できたにもかかわらず、途中で挫折してしまうことの原因のひとつに、このスケジュール管理の問題があります。スケジュール管理表をうまく使いこなせないために、明確な道標が得られず、目標達成の前に頓挫してしまうのです。

もうひとつの目的は、目標を達成するために日々のスケジュールをチェックしながら、達成度を測ることです。あなたがいる場所は、時間や日を追うごとに変わっているのですから、立ち位置を常にチェックする必要があるのです。

つまり、このスケジュール管理表を上手に使いこなすことで、目標達成をより確実なものにしていくことができるわけです。

●スケジュール管理表に「締切り」を入れると世界が変わる

土木建設業界で特有なのが、このスケジュール管理表です(図6)。土木建設の世界で実際に活用されるバーチャートを使って、目標達成に向かううえで重要な「スケジュール管理」についての考え方を説明しましょう。

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(画像=『超プロの工程管理コンサルタントが教える 残業ゼロ社員の「やらない力」』より)

これは、もちろん実際の土木建設プロジェクトにも使えるノウハウですし、同時にこの本のテーマとして説明している「人生変革プログラム」のメソッドとしても応用できます。

このスケジュール管理表を見ると、ある重要な事柄が記されていることに気づきませんか?

スケジュールの中に「具体的な打ち合わせの日付」が入っています。

たったこれだけのこと?と思う人がいるかもしれませんが、実はこれが非常に重要な意味を持っています。あなたの目標につながっている「やるべきこと」に、期限が設けられているからです。

ここには工程管理の改革につながる、大きな意味合いが込められています。

それは、あなたが何よりも優先すべき、目標につながっていることをやる。時間の価値を自ら決めていることと同じなのです。

つまり、目標達成のための本当のスケジュール作成と管理方法を得ることができるということです。

スケジュールの中に、具体的な日付を入れる。つまり、工程の中に「締切り」を設定するわけです。「締切りは、人類が生んだ偉大な発明である」(ダン・ケネディ)です。

超プロの工程管理コンサルタントが教える 残業ゼロ社員の「やらない力」
小川哲也(おがわ・てつや)
株式会社川越コンサルタント代表取締役。工程管理コンサルタント(建設コンサルタント)。1966年、愛知県名古屋市生まれ。明星大学卒業後、医療機器メーカーに就職するが、部署の統廃合により半年でリストラされる。土木建設コンサルタント会社に入社。50歳を目前に控えた2012年、独学でイメージトレーニングとマーケティングを学ぶ。さらに、それらをプロジェクト・マネジメントと融合させ、独自の技術として体系化させた。プロジェクト・マネジメント技術の実践で「自己啓発セミナーの販売会社」を企業内起業。起業後半年で、勤務していた会社の経営を再生させる。さらに、残業が当たり前だった同社の労働環境を、定時退社できる環境に変えた。2015年に退職後、株式会社川越コンサルタント設立。「工程管理メソッド」を活用したコンサルティングは評判を呼び、建設業界のみならず日本中の会社から問い合わせが殺到している。

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