スマートベータ指数の種類

では、時価総額以外のどのような要素で構成比率が決定されているのだろうか。たとえば、野村資本市場研究所では以下の6種類のスマートベータ指数を例に挙げている。

①ファンダメンタル・インデックス
売上高や株主資本などの企業の経済規模から構成比率を決定する指数
②最小分散インデックス
ポートフォリオのリスクが最小になるように構成比率を決定する指標
③シャープレシオ最大化インデックス
シャープレシオが最大になるように構成比率を決定する指数等
④ウェイト・インデックス
各銘柄の構成比率が等しくなるように構成比率を決定する指標
⑤高配当インデクス
配当利回り高い銘柄で構成する指数
⑥クオリティ・インデックス
自己資本利益率や財務レバレッジなど企業のクオリティを測定し、配分する 指標


欧米での使用状況

ラッセル・インデックスが2014年1月に欧米の年金基金等181件の協力のもと行った、スマートベータ指数に関する調査がある。その調査結果においては、欧州と北米では欧州のほうがスマートベータ指数の利用が進んでいた。「スマートベータに資産配分している」と答えた欧州は40%、それに対して北米では24%となっている。

この結果に「現在スマートベータを検討中」と「今後18カ月以内にスマートベータを検討する見込み」の回答者を加えると、欧州では73%、北米では52%となっている。また、資産規模別にスマートベータ指数の利用状況を見ると、運用資産規模の大きいほどスマートベータ指数の利用率と検討率が高いという結果だった。

ちなみに、運用資産規模100億ドル以上では46%がスマートベータ指数に資産配分していると回答している。最後に、どの種類のスマートベータ指数の関心が強かったのかについては、最も関心が高かったのは「低ボラティリティ」と「ファンダメンタル」。続いて、「高クオリティ」「最大分散効果」「スタビリティ」となっている。


その利用はまだ始まったばかり

時価総額加重インデックスの問題を改善でき、手数料も安いといったメリットで注目を集めるスマートベータ指数。欧米では導入がかなり進み、日本でもGPIFがスマートベータ指数を利用し始めたことから、他の年金基金もスマートベータ指数を利用する動きの拡大は予想される。しかし、その利用はまだ始まったばかりであり、種類や本数も少ない。また、実際にリターンとコストの面でのメリットが本当に享受できるのかは、これからの実証を待つことになる。

(ZUU online)

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