「起業に興味はあるが、年齢を考えると遅すぎる」と、自分の夢ややりたいことを諦めていませんか?人生100年時代といわれる現在、「若い世代が経営するビジネスよりも、シニアのほうが長く継続する傾向がある」との、興味深い調査結果も報告されています。

日本は他国より起業率が低い?

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(画像=chikala/stock.adobe.com)

アントレプレナーシップ(起業家活動)分野でトップクラスの評価を誇る、米ビジネスカレッジのバブソン大学が世界の起業活動状況を調査した報告書からは、日本の起業意識の低さが明らかになっています。

日本における、18~64歳の初期起業活動率(起業に向け準備中~実際に起業して間もない)は、2016年、2017年と2年連続で、調査の対象となった48~50ヵ国中、最下位に近い現状です。

しかし一方では、65歳までの雇用機会の確保や、中高年齢離職者に対する再就職の援助を含む、雇用安定法の見直しが2013年に施行されたことにより、「50代や60代で起業を検討する人も急増している」との報告もあります。

起業で最も成功しやすい年齢層は、50代以上?

バブソン大学の調査からは、「起業に年齢は関係ない」ことを立証する数々の興味深い事実も明らかになっています。例えば、米国における18~74歳の起業家のうち、ビジネスを確立させている割合が最も高かった年齢層は55~64歳、次いで65~74歳でした。

さらに、これらの成功者の10%が「新たなビジネスをスタートさせている」、12%が「過去3年以内に、他の起業家のビジネスに投資を行った」と回答するなど、事業の拡大や投資に積極的な姿勢を見せています。

また、近年のIT関連スタートアップの盛況により、「起業は若い人の特権」というイメージが定着していますが、収益15万ドル以上の米中小企業経営者を対象にした調査では、1,800人を超える回答者のうち51%は50歳以上という結果が報告されています。

50代で起業するメリット、デメリット

起業する年齢により、それぞれのメリットがあります。若い頃には、多少無理をしても体に響かないスタミナや、ビジネスの成功につながる独創的なアイデア、独身者は仕事に専念したりネットワークを広げるための時間に恵まれています。また、失敗しても再チャレンジする気力や体力に溢れているでしょう。

一方、年を重ねてからの起業は、長年にわたる会社勤務で培った経験や知識、ネットワーク、起業に必要な資金の確保といった点で、有利な立場に立てるメリットがあります。

また、起業を通し「新たな人生の目的を持つ」ことにより、若い頃のような情熱ややる気が再燃し、生き生きとした毎日を送ることができるのではないでしょうか。

デメリットとしては、「過去の経験に基づく固定観念にとらわれ、柔軟な考え方ができない」「失敗を恐れて、重要な決断や冒険ができない」といった傾向が挙げられます。

50代からの起業、注意ポイント

起業するからには、利益を生みだす必要があります。後悔する結果にならないよう、計画性を持ってビジネスをスタートさせましょう。

ビジョンを明確にする

まずは、「どのような分野で成功したいのか」というビジョンを明確にし、「過去の経験や知識、ネットワークがどのように役立つのか」について考えてみましょう。

リスクや労力を最低限に抑えるという観点では、関連性のある分野で起業するほうが賢明です。未経験分野での成功を目指す場合、ゼロから経験や知識を蓄積する覚悟が必要です。

資金計画は念入りに

貯蓄を全て起業に投資すると、ビジネスが上手くいかなかったり、病気や怪我などで仕事をできなくなったときに、たちまち窮地に陥ります。また、起業したからといってすぐに利益が回収できるわけではありません。

利益回収までに必要な生活費や運営資金を計算し、初期投資の上限を決めて慎重に運営しましょう。

起業の前に副業で試してみるのも一案

50代から起業するメリットをご紹介しましたが、最も重要なことは、「自分が起業に向いているかどうか」です。自信のない方は、まずは副業から試験的にアイデアを試してみてはいかがでしょうか。

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