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株式市場で注目を集めているバイオ株。次世代マーケットへの進出に余念がないITの巨人企業たちはすでにバイオ関連への投資を活発化させています。株式投資において注目を集める「バイオ株」について、現状とその魅力、リスクもあわせて解説します。
目次
そもそもバイオ株とは?
バイオとは「生物」を意味する言葉です。「バイオ○○」という言葉がいくつかありますが、それぞれ「バイオテクノロジー(生物科学)」や「バイオマス(生物由来燃料)」など、いずれも生物に関連する用語として用いられています。
株の世界で用いられている「バイオ株」は生物科学だけでなく、そこから派生する製薬会社や化学系、創薬ベンチャー企業なども指します。
バイオ株の特徴は?その魅力とリスク
製薬会社や化学系ベンチャー企業に加えて、当記事で注目しているのは創薬ベンチャー企業です。創薬ベンチャー企業は、まだ世に出ていない新薬などを独自の技術で開発していることから、今後株価が跳ね上がる期待があるとされています。
もちろんベンチャー企業だけでなく、既存の企業にも画期的な新薬開発などで株価が急騰する銘柄もあるので、バイオ株は全体的に大化けの期待があるとみなされています。その一方で創薬ベンチャー企業は独自の技術を実用化するまで時間を要すことや、開発に失敗することもあるため、株価が大きく低迷してしまうリスクと隣り合わせでもあります。
バイオ株の種類
製薬会社や化学系ベンチャー企業、さらに創薬ベンチャー企業などを挙げましたが、バイオ株に分類されるのはほかにも再生医療やその実用分野である癌治療、ゲノム解析、遺伝子治療といった、最先端科学によって医療の発展に貢献するような企業も含まれています。
これらも新薬、創薬と同様に新しい治療法を確立して実用化できると株価の上昇が期待できるため、やはりバイオ株は大化けを期待した未来への投資という意味合いが強いことがわかります。
バイオ株が上昇するきっかけと株購入のタイミング
バイオ株に属する企業の株価上昇のパターンはおおむね1つです。特にベンチャー企業の場合はその分野に精通している人が創業者となっていることが多く、それまでのノウハウをもとに基礎研究、非臨床試験と進み、臨床試験として人への治験段階に入ります。ここまでくると新薬や治療法が実用段階に入りつつあると認識されるため、そのゴールが魅力的なほど株価に反応しやすくなります。
そして最終的には新薬や治療法として承認申請を行い、認められることで新薬や治療法が世に送り出されます。もっとも、この段階ではすでに株価に織り込まれていることが多く、バイオ株での大化けに乗りたい投資家としては臨床試験段階、もしくはその前の段階から株を購入しておくことがセオリーです。
このように実用化、販売に近づくほど株価へのインパクトが大きくなるのも、バイオ株の特徴といえます。
バイオ株の魅力とは?2020年にはテンバガー株も
バイオ株が実際に大化けすると、どの程度の株価上昇が期待できるのでしょうか。株価が10倍以上に成長することをテンバガーといいますが、バイオ株では投資家の夢ともいえるテンバガーが続出しています。
「コロナ関連」の思惑で買いが進みバイオ株が買われている
2020年のバイオ株において最も大きな材料となっているのは、「コロナ関連」です。有効な新薬やワクチン、治療法、予防法、検査機器など、さまざまな分野でバイオ株の急騰が起きています。
2020年11月9日に、アメリカの製薬大手ファイザーが「コロナワクチンの治験において90%以上の予防有効性が確認された」と発表しました。この発表によりファイザーの株価は急騰、チャートに丸印をつけなくても、どこでそのニュースに株価が反応したのかが一目瞭然の展開となりました。
この相場は「コロナワクチン相場」となり、ファイザーの株価だけでなく株式市場全体に影響をもたらしました。それだけ「コロナ関連」に対する投資家の期待が高く、同時に投資意欲が旺盛であることが改めて証明されたといえます。
テラ(2191)の株価は15倍以上に
先ほどのファイザーはアメリカの話ですが、次は日本で起きたバイオ株の急騰について紹介しましょう。
ここで紹介するのは、バイオベンチャー企業として癌治療の研究を進めるテラ株式会社(2191)です。同社はその技術をいかして「コロナ禍」に対応する製品として、AIによる重症化予測や幹細胞治療の研究を進めており、さらに抗体検査キットの販売なども手掛けていることから「コロナ関連」の成長企業とみなされ、株価上昇率15.5倍を達成しました。
バイオ株には注目銘柄が続々
「コロナ関連」として注目されているバイオ株は、テラだけではありません。バイオ関連機器の製造販売企業として、PCR検査の全自動装置を開発しているプレシジョン・システム・サイエンス株式会社(7707)は5.3倍の株価上昇を達成しました。
さらに創薬ベンチャー企業としてコロナワクチンの治験を進めているアンジェス株式会社(4563)は、株価が3.6倍に急伸するなど、ほかの業種ではあまりみられないような株価の上昇が起きています。
ここではさらに、株価の上昇がそれほどみられないもののバイオ株として注目に値する銘柄を2つ紹介しましょう。
1つめは、そーせいグループ株式会社(4565)です。創薬ベンチャー企業として大手製薬会社とも提携しており、黒字化を達成するなど事業基盤が安定していることに加えて、コロナ新薬開発を進めていることから、その研究成果によっては再び大化けがありえます。
2つめは、ペプチドリーム株式会社(4587)です。同社も創薬ベンチャーとして多くの実績を有しており、コロナ新薬開発にも3つのアプローチで研究を進め、これらのうちどれか1つでも実用化される流れになると、株価の大化けが起きる可能性が高いでしょう。
バイオ株は相場下落時の戻りが強い?
ここまでバイオ株にある「夢」の部分、大化けの可能性について述べてきました。続いて以下では、相場が下落局面にあるときのバイオ株が持つ底堅さについて言及します。ポイントは、バイオ株が医薬品など人の生活に欠かせない分野でもあることです。
景気が悪いときにはディフェンシブ銘柄が注目される
株の世界にはセクターといって、それぞれの業種などによって類似する銘柄がグループ分けされています。業種別に列挙すると、エネルギー株や公共株、工業株、素材株、情報通信株などです。これらのほかにも多くのセクターがありますが、そのなかで不景気になるなど経済が停滞ムードになっているときにも底堅さを発揮するディフェンシブ銘柄があります。
ディフェンシブとは守勢や防御を意味する言葉で、ディフェンシブ銘柄は総じて守りに強い銘柄であるといえます。公共株や食品株、医薬品株などのセクターはいずれも生活必需分野であり、景気が低迷している局面であっても需要が失われることはなくディフェンシブです。景気が悪くなってくると注目されやすくなる銘柄群であることをおさえてください。
健康・ヘルスケア関連銘柄は景気低迷局面で強い傾向に
医薬品や医療機器、創薬などの分野は「健康・ヘルスケア」のセクターに分類されます。これらのセクターは景気が低迷しても底堅い分野であることから、ほかのセクターの先行き不透明感が強くなると資金が流入し、株価が堅調に推移する傾向がみられます。
「コロナ禍」という特殊事情も例外ではありません。バイオ株には新薬やワクチン、治療法開発への期待が集まるのはもちろんのこと、株価全体が低迷していた時期であっても底堅いセクターであるとして株価が堅調に推移していたことで、あらためてバイオ株を含むこれらのセクターの強さが再確認されました。
バイオ株も景気悪化時に注目される可能性がある
そもそも、バイオ株は「コロナ禍」の影響がなくても底堅い分野です。なぜならほかにも新薬や治療法の確立が求められている病気は実に多く、古くからバイオ株には新しい癌の治療法が確立したときに急騰するといった動きを演じてきた歴史があります。
人類が存在している以上、病気はなくならないでしょう。それも人類の科学力をもってしてもまだ解明されていない病気や、治療法が存在しない病気が数多くあります。かつてリーマンショックが起きた際にもバイオ株はいち早く株価を回復したことで注目されましたが、それは今後もマーケットに起こりうる「○○ショック」においても例外ではないでしょう。
バイオ株には大化けの「夢」を追い求める魅力がある一方で、ディフェンシブであることも見逃せないメリットです。
バイオ株はハイリスク&ハイリターンで危険?
大化けの「夢」があるバイオ株には、その逆となるリスクもあります。バイオ株投資を検討する際に知っておきたいリスクや、そのリスクへの対策について解説します。
低位株だとボラティリティが高くなる
一般的に株価が低いままになっている銘柄のことを、低位株といいます。なにをもって低位株と称するかという明確な定義があるわけではありませんが、おおむね最低投資額が10万円に満たない銘柄のことを低位株と呼ぶ傾向がみられます。
創薬ベンチャー企業などのスタートアップから間もない企業のなかには、新薬開発の成否がどうなるかわからない部分も多く、大化けの可能性がある研究開発をしているにもかかわらず低位株に甘んじていることがあります。
低位株は総じてボラティリティ(価格変動幅)が高くなりやすいといわれますが、それがバイオ株となると「ホームランか三振か」というイメージがあるため、どうしてもボラティリティが高くなりがちです。大化けのように急騰もあれば、暴落といえるほどの大幅下落もあり得るところがハイリスクです。
新薬開発の成否によって明暗が分かれやすい
特に創薬ベンチャー企業など開発の成否によって命運が決まるような銘柄の場合、新薬開発に成功するのか、そしてその新薬が爆発的なニーズを生むのかといった部分が、テンバガーのような大化けをするかどうかの分かれ道になります。
先ほど「ホームランか三振か」との表現を用いましたが、バイオ株の場合は投資額によってその明暗が重大な損失につながることもあるのは、理解しておく必要があります。
倒産可能性や過大評価されていないかの見極めが必要
バイオ株のなかでも独自技術や研究開発に賭けている企業は、「ホームランか三振か」といえるような当たり外れがあります。うまく創薬に成功して大化けをする企業もあれば、逆に資金繰りが続かず破綻してしまったり、そもそも創薬に失敗してしまったりする企業もあります。特にベンチャー企業は信用力に乏しく、資金調達に失敗して破綻するリスクが高く、そのような事例は現実にあります。
「コロナ禍」におけるコロナワクチンや治療薬開発などはニューストピックとしてのインパクトが大きく、少しでも明るいニュースが発表されると投資が殺到し、過大評価されやすくなります。しかしそれは結果に対する評価ではなく、未来への期待による株高であることを留意しなければなりません。
株価が上昇することによりその企業の資金調達環境はよくなりますが、だからといって売り上げが伸びているかどうかはわかりません。株高によってキャッシュが潤沢になり、時価総額が大きくなったからといって優良企業であることはイコールではなく、それに見合った売り上げがしっかりとあるのかどうかも含めて投資判断をすることはとても重要です。
短期目線のバイオ株投資は取引環境にもこだわろう
ベンチャー企業が多いバイオ株投資では、全体的に短期投資のイメージを持っておくのがよいでしょう。その理由はすでに解説した通りで、ボラティリティが高くなりやすく株価が不安定であることや「ホームランか三振か」に賭ける一面があるため、失敗したときのダメージが大きくなる恐れがあるからです。
短期の株式投資で重要なのは、チャート機能や手数料の安さなどといった投資環境の「質」です。その点においてネット証券はオンラインでの取引環境において高い競争力を持っているので、バイオ株の短期投資を考えている人はネット証券での株取引が有力な選択肢となるでしょう。
まとめ:バイオ株に投資するなら売買する目を養って短期勝負が基本
一発当たると大化け、そうでなければ最悪は株のほとんどが無価値になってしまうハイリスク&ハイリターンであるバイオ株投資は「夢」とリスクが隣り合わせの株式投資といえます。
特に「コロナ禍」では「コロナ関連」のバイオ株に注目が過剰に集まりがちですが、冷静な視点で技術的な優位性やその実現性、財務面での経営体力などをしっかりと精査したうえで投資判断をしたいものです。
※本記事は、2020年11月20日時点の情報をもとに制作しております。掲載する銘柄は解説例であり、投資を推奨するものではありません。
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