2021年に入ってからの株式市場はどうも盛り上がらない。その一番の理由は「まだ新型コロナを人類は完全に克服したわけではないのに、あたかも次のステージを求めるような株価上昇を妥当と考えて良いのか」という迷いがそこかしこに溢れているからだ。ある人はバブルだと言い、インフレ懸念からの長期金利急騰を予想し、またある人は「パンデミックがDX(デジタルトランスフォーメーション)などの流れを加速したのだからもっと株価は上に行く」と言い、またある人は「AI(人工知能)技術の進歩がもたらす大変革期であり、今までの尺度では測り切れない時代に突入した」と楽観的な見通しを説く。だから強弱感が拮抗してしまって「上がるような、下がるような市場展開」が続いている。

実はこんな時、投資の勉強にもなり、次の一手を考える手掛かりに出逢えるかも知れず、また現在保有している銘柄(投資信託や個別に保有する株式)の知識をアップデートするためにも、ネット証券のWebページは情報の宝庫と言える。誤解なきように言葉を足すと、実際にネット証券のコンテンツが豊富で素晴らしいと言うのではなく、ネット証券のWebページをポータルサイトのように使うという話。何故なら、正しい情報を知ることが投資では一番重要なのは言うまでもないが、その機能を使えばポータルサイト代わりに必要な運用会社の情報に容易に辿り着けるからだ。

「純資産トップ5の投資信託」を徹底チェック!

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(画像=FUTO / pixta, ZUU online)

前回お伝えした「ARK Investment Management LLC」のETFのように、保有している全銘柄を投資比率と共に毎日アップデートして開示したり、売買内容をメルマガとして毎日送ったりするような運用会社は日本にはない。だが実際にポジションを持たないで評論家と同じレベルで発せられている市場コメントや見通しを百と見聞きするよりも、実際にポジションを抱えて日々投資判断を行い、その結果が基準価額として公表されているファンドマネージャーが発する情報のほうが間違いなく有効な筈だ。たとえば、決算発表を受けてあたかもその決算発表を行った企業を責めるかのように「サプライズな決算だった」と平然と述べる市場関係者が数多いる。だが、それは単に自分自身の分析が稚拙で見抜けなかったことの責任転嫁に過ぎない。同じ状況でファンドマネージャーは暢気に「サプライズ」などとは言っていられない。予想と大きく違って驚く羽目になった時にはもう遅い。ポジティブ・サプライズなら救われるが、ネガティブ・サプライズの場合は「私の予想が大きく外れて多大な損失を発生させました」という記録が基準価額として公表され、トラック・レコードに刻印されてしまう。トラック・レコードは永遠に記録されるので、正に刻印だ。だからこそファンドマネージャーのコメントと、そのポジションには別格の重さと価値がある。